2015年02月15日

haif and half / ハーフアンドハーフ -recipe part-








バーテン  今宵は「BAR CENDRLLION」にお越し頂き、誠にありがとうございました。

      ではここで ... 
      今夜登場致しましたカクテルを、改めてご紹介させて頂きます。

      その名は『ハーフ アンド ハーフ/HALF-ANDO-HALF』...
      おそらく皆様も良くご存知のアレンジ・ビールで、よく知られているスタイルは
      ノーマルなビールに黒ビールを混ぜ合わせるものですが、今夜登場しました組み
      合せは、言わばオリジナル・コンビネーションで、あえて言いますと『バレンタ
      イン・バージョン』
      というところの一品です ...

      レシピは ... これもまたご承知のように、単に2種類のビールを半分ずつ混ぜる
      だけなのですが、今夜登場いたしました組み合せは、次のようなメニューとなり
      ます。

      まずはヒューガルデンのホワイトビール ...
      ベルギー生まれの大麦麦芽と小麦を使った比較的アルコール度の低い白ビールで
      爽やかで仄かに甘酸っぱい香りのする、フルーティーな味わいを持ったビール
      です。
      これに同じくベルギー産のウェストマール・ダブルを加えます。
      このビールは麦芽の香りと柔らかな甘味が特徴の濃い赤茶色したビールで、余韻
      には心地よい苦味が続きます。

      この2種類のビールを組み合わせれば、今夜登場しましたバージョンのビールに
      なるわけですが ...
      そのお味の方はと申しますと ...

      それは一度 ... ご自身でお確かめなることをお勧めします ...

      それでは ...
      またのお越しを、心より御待ちしております...

      ありがとうございました -----






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2015年02月14日

haif and half / ハーフアンドハーフ -latter part-








          :サンドリオンの店内 -----


コウヘイ 「エーッと ... 僕は ... 」

ユウコ  「任せてくれない?」

コウヘイ 「エ? ああ、いいよ」

ユウコ  「それじゃ同じものでお願いします、マスター」

マスター 「はい。かしこまりました ... 」


       SE:冷えたグラスに、ホワイトビールとトラストビールが
         1/2ずつ注がれる -----


コウヘイ 「遅くなって申し訳ない ... 荷物の受け取りに手間取ったりしててな ... 」

ユウコ  「それより、ちょっと痩せたんじゃなくて?」

コウヘイ 「そうかな ...? ちゃんと朝晩食べてたけどな ... 」

ユウコ  「ダメよ、ちゃんとお昼も取らなきゃ ... 」

コウヘイ 「いつも昼は朝と兼用だからな ... 」

マスター 「失礼いたします ... どうぞ」(グラスを置く)

コウヘイ 「あ、どうも ... 」

ユウコ  「知らないわよ ... 異国の果てでぶっ倒れたって ... 」

コウヘイ 「まあまあ ... 久しぶりに顔を合わせたんだから、そう固いこといわずに
      乾杯乾杯」

ユウコ  「もう ... 」


       SE:グラスの重なる音 -----


コウヘイ 「(カクテルを一口飲み)ン? うまいね、このビール ... 何なのこれ?」

ユウコ  「これは『ハーフ アンド ハーフ』といって、2種類のビールを半分ずつ混ぜ合わせた
      カクテルなの」

コウヘイ 「いや、それは知ってるけど ... ならこのビールの組み合わせは抜群だな。
      それに普通なら、黒ビールと混ぜるからそれなりの色合いになるのに、これは
      どちらかといえば赤茶っぽい色をしてる ...
      一体、何と何のビールを使ってるの? マスター」

マスター 「それは ... 」

ユウコ  「秘密なのよ、それは」

コウヘイ 「あれ? どうしてそうなるの?」

マスター 「それは ... 」

ユウコ  「それも秘密 ... 全部ヒ、ミ、ツ」

コウヘイ 「おいおいどうなってるんだよ、一体 ... 」

ユウコ  「でも一つだけ教えてあげるわ ... 」

コウヘイ 「一つだけ ... ?」

ユウコ  「この組み合わせは、今日のために私が用意したビールをマスターに作ってもらった
      ものなの」

コウヘイ 「今日のために? お前が? ... どうして?」

ユウコ  「これだから男の人って嫌なのよね ... 」

コウヘイ 「エ?」

ユウコ  「そもそも今日は何の日なの?」

コウヘイ 「そりゃ決まってるだろう ... お前と会う日だって ... 」

ユウコ  「それと?」

コウヘイ 「それとって ... 」

ユウコ  「ダメね ... 今日はバレンタインデーでしょ?」

コウヘイ 「ああ、そういうことね」

ユウコ  「もともとチョコレートなんか口にしないあなたには、こんな形のものがいいかなって」

コウヘイ 「そっか、そういうことか ... 」

ユウコ  「で、気に入ってくれたの?」

コウヘイ 「うんうん、いいよこれ ... 最高だよ」

ユウコ  「なら良かった ... マスター、ご協力ありがとう」

マスター 「いいえ、とんでもございません ... 私はただブレンドセレクトさせて頂いただけで ... 」

コウヘイ 「でも、なかなかのセレクトですよ、この組み合わせは。仕事柄いろんな国でいろんなビール
      口にするけど、これほどのものにはなかなか出会いないよ」

マスター 「お褒め頂き、光栄です ... ですが、その2種類のビール自体が、クオリティーの高い
      ビールでして、その上にビール同士の相性が非常に良かったったんだと、そう思います」

コウヘイ 「フーン、そうなんだ ... 」

ユウコ  「相性ね ... 」

マスター 「ですので、どれだけ美味しいといわれているビール同士でも、相性が悪ければ、その
      クオリティーは半減します ... 」

バーテン 「まるで、男と女の組み合わせのようですね ... 」

コウヘイ 「男と女か ... 確かにそうかもしれないな ... 」

マスター 「そうですね ... あえて例えるのでしたら ... その『ハーフ アンド ハーフ』自体が
      夫婦そのものといえるかもしれませんね ... 」

ユウコ  「『ハーフ アンド ハーフ』が夫婦そのもの ... 」

バーテン 「容易いようで、その実は意外に組み合わせの難しい飲み物 ... 
      それがその『ハーフ アンド ハーフ』であり、夫婦というもの ... 」

コウヘイ 「ふたつでひとつか ... 」

マスター 「差し詰めその『ハーフ アンド ハーフ』は ... お二人そのものと、そう感じますね」

ユウコ  「マスターったら ... 」

バーテン 「横から口を挟むようですが、私もそう思います」

コウヘイ 「俺たちは『ハーフ アンド ハーフ』... ふたつでひとつのもの ...
      そうだよな、俺たち夫婦だもんな ... 」

ユウコ  「そうね ... いつもそばにいなくても、たとえ一年に一度しか顔を合わさないとしても ...
      私たち夫婦なんだよね ... 」

マスター 「本来、聖バレンタインデーには、恋する女性が心寄せる男性に、その想いを告白する
      という日である訳ですが ...
      この世のご夫婦にとっては、お二人のように過ごされるバレンタインデーが、一番
      素敵なような気がいたします ... 」

コウヘイ 「夫婦にとってのバレンタインデーか ... お前の気持ち、ありがたく頂くよ ... 」

ユウコ  「言っておきますけど ... その心がけ、いつまでも忘れないようにね」

コウヘイ 「おっと ... 早速これだもんな ... まいったまいった」

ユウコ  「アーっ、もうそんなこと言ってる ... 」


         :会話に紛れて -----


マスター(Na) 恋人である限り、その人は近くて遠い存在でしょう ...
      すべてにおいて新鮮であり、刺激的でしょう ...
      しかし、夫婦となったその瞬間から、その感覚が日に日に薄れていく ...
      妻として夫として、そばにいてあたり前 ... 夫婦としてあたり前 ...
      でも、それは少し違うような気がします ...
      何故なら夫婦とは所詮、他人同士から始まるものなのですから -----







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2015年02月13日

haif and half / ハーフアンドハーフ -first part-









:サンドリオンの店内 ---


マスター 「いいお写真ですね、それ ... 」

ユウコ  「もうどれくらいになるかな... この写真。
      確か出会ってすぐの頃だったと思うな ... だってこの私、かなり若いものね」

バーテン 「でも本当に、洒落た構図の写真ですね ...
      大勢の人が背中を向けて石段を登る中で、お客様だけがこちらを向いて立っている ...
      すごく芸術的なセンスの匂いがする写真ですよね」

ユウコ  「彼は一応、芸大の出身だから、これぐらいは撮れなきゃね」

バーテン 「なるほど ... それでこの写真、モノクロでいい雰囲気の仕上がりになってるのか ... 」

マスター 「『シマ コウヘイ』... 今、日本でも屈指の写真家で、世界中の子供の表情をフレームに
収め、その感性が注目されている方 ... 流石ですね」

バーテン 「エッ? それじゃあの写真家のシマさんがお客様のご主人、なんですか ...?」

ユウコ  「そういうことになるみたいね ... 」

バーテン 「そういうことって ... ?」

ユウコ  「所詮、私にとっては単なる夫であって、ただの一人の男性 ... 
      それ以外の何者でもないもの ... 」

バーテン 「単なる夫で、ただの男性 ... 」

マスター 「ご夫婦という間柄では、そういうものかもしれませんね ... 」

ユウコ  「だって ... 駆け出しのぺいぺいの頃から、主人とは顔をつき合わせてたんですから ...
      それが有名になったからって、それを境に急に変わるものでもないでしょう」

マスター 「そうですよね ... 本質的なものは、何も変わりないのですから」

バーテン 「でもその本質的なものが結婚を境に、変わってしまうことも多いと、よく聞きますが ... 」

ユウコ  「でもそれは、勘違いをしている夫婦じゃないかな ... 」

バーテン 「勘違い、ですか ...?」

マスター 「それは ...?」

ユウコ  「結婚したから、夫は仕事で妻は家事 ... 仕事優先で当たり前、掃除して当たり前 ...
      まるで世間一般の風潮がそのまま自分たち夫婦の在り方であると勘違いしてる ...
      そういうこと」

バーテン 「なるほど ... 」

マスター 「夫婦の数だけ、それぞれの在り方があってもいいと ... 」

ユウコ  「一緒になったからって、定番のパートにおさまるのはどうかと思うの ...
そう思いません? マスター」

マスター 「そうですね ... それも一理あるかと ... 」

ユウコ  「一理?」

マスター 「はい ... やはり男と女が互いに歩み寄り、暮らしを共にするということは、自然と世間一般の
      夫婦の在り方に至ってしまうのではないかと、そうおもうのです ... 」

ユウコ  「ウーン ... 確かにそれも一理あるわね ... 」

バーテン 「つまるところ ... 十人十色という訳ですね ... 」

ユウコ  「そういうことになるわね ... 」

マスター 「お作りいたしましょうか?」

ユウコ  「そうね ... じゃ、同じもので」

バーテン 「かしこまりました」


        SE:冷えたグラスに、ホワイトビールとトラストビールが
          1/2ずつ注がれる ---


ユウコ  「それにしても遅いな ... 」

マスター 「お待ち合わせだったんでしょうか ...?」

ユウコ  「ええ ... 彼とね」

バーテン 「お待たせいたしました ... どうぞ」(グラスを置く --- )

ユウコ  「ありがとう」

マスター 「ではお久しぶりに、お会いになるのでは?」

ユウコ  「そうね ... ちょうど一年ぶりかな ... 」

バーテン 「それって ... あのう、失礼ですがご主人と会われるのが一年ぶりという事なんでしょうか?」

ユウコ  「そう」

バーテン 「そうなんですか ... 」

ユウコ  「思うでしょうね ... おかしな夫婦だって」

バーテン 「いえ、決してそんなことは ... 」

ユウコ  「(少し笑って)嘘が下手なバーテンさんね ... 」

バーテン 「いや、それは ... 」

ユウコ  「(笑っている)... 」

マスター 「そういえば今日はバレンタインデーでしたね ... 」

バーテン 「そのバレンタインデーに、何か謂れでもあるんでしょうか?」

ユウコ  「彼、一年中世界を飛び回って撮り続けてるでしょ ... 私はそんな彼の生き方がいいの ...
      だからいつもそばにいてなんてこと、言いたくない。
      彼も、そんな私のところを気に入ってくれてるみたいだし ...
      それじゃってことで、年に一度、このバレンタインデーのこの日だけは、何があっても二人で
      一緒に過ごそうって、彼がそう決めたの ... 」

バーテン 「素敵ですね、それって ... でも、お淋しくはないんでしょうか ...?
      年に一度しか顔を合わせられないというのは」

ユウコ  「だから夫婦になったのよ、私たち」

バーテン 「エ ...?」

ユウコ  「もし一緒にならなかったら、それこそ会えなくて辛くて淋しいと思うじゃない」

バーテン 「はあ ... 」

ユウコ  「でも結婚してたら、帰ってくるところはひとつ ... だから私は淋しくない ...
      夫婦の絆ってものがあるかぎりはね ... 」

バーテン 「夫婦の絆 ... 」

マスター 「恋人同士の赤い糸が、夫婦の絆となって二人を結びつけている ...
      そんな風に思えますね ... 」

ユウコ  「赤い糸が絆になるか ... でも案外、そばにいない方が気が楽でよかったりして ...
      (少し笑う)」

マスター 「それでは世間一般のご夫婦と変わりないのでしょうか ... 」

ユウコ  「あ、そうよね ... そうなっちゃうわよね。何言ってんだろう私ったら」


       SE:ドアの開く音 -----


バーテン 「いらっしゃいませ ... 」

コウヘイ 「またせたな ... 」

マスター 「いらっしゃいませ、ようこそ ... 」

ユウコ  「お帰りなさい ... 」






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2013年01月03日

spin-off / BLUE MOON NIGHT -scene:final-








         :北野の街頭 -----

        SE:あたりに響くヒールの音 -----


女(Na)  私はホント、馬鹿な女 ---
      帰るところのある人を好きになったりして ...

      結局、どうなるわけでもないのに、見合いの話を断って、あの人のそばに
      ずっといたいなんて思ったりして ... ホント、馬鹿よね ...

      (少し泣き出し)でも私 ... 本気でそう思ったんだもの ...
      本気でずっとそばにいたいと思ったから ... だから ...

      ... いいの、別に。
      ... 二番目だって ...

      ... かまわないの、ホント。
      ... 週に一度しか会えなくても ...

      ... ただ私は ... 

      ... 一分一秒でもあの人と同じ時間が過ごせれば、それでいい ...
      ... ただそれだけなのに -----


        SE:街の雑踏 -----

         :女の携帯が鳴る -----
         :電話に出る女 -----


女    「 ... はい、もしもし ... 」

男(電話の声) もう一度 ... カクテルを飲みなおさないか、今から ... 」

女    「エ...?」


マスター(Na) そもそもブルームーンというカクテルは -----

      その名前のようにグラスを青い色に染めるカクテルではなく、むしろ透明感の
      ある薄い紫色した、スミレの香り漂うお酒です ...

      ... そしてその名前の由来は ...「恋人のいない時に見た月は青かったけれど
      あの人と出逢ってからの今は、金色に輝いて見える」と歌われた1930年代の
      名曲「ブルームーン」にまつわったものだと聞いています -----







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2013年01月02日

spin-off / BLUE MOON NIGHT -scene:2-








         :バード・バーの店内 -----


男    「どう思う ...? マスター」

マスター 「何がでしょうか ...?」

男    「彼女がさっき言ってたオーダーのこと ... 」

マスター 「 ... カクテルのことですね ... 」

男    「何か意味あり気だったような ... 」

マスター 「そうですね ... 多分 ... 」

男    「多分って ...?」

マスター 「 ... 彼女が今夜、いつものホワイトレディから、そのブルームーンに変えたのは
      一種の告白だったじゃないでしょうか ... 」

男    「告白 ...?」

マスター 「そもそもホワイトレディというカクテルは ... 実は今、口にされている
      そのブルームーンのバリエーションカクテルでして ... 」

男    「バリエーションカクテル ... 」

マスター 「レシピであるコアントローをクレームドバイオレットに変えるだけで
      ホワイトレディがそのブルームーンに姿を変えるんです ... 」

女    「それがどうして彼女の告白だと ...?」

マスター 「真っ白いドレスを纏うカクテルが ... 薄紫色の気高いドレスにその身を包む時
      ... 恋に落ちた証しだと、そう云われてますが ... 」

男    「恋の証し ... 」

マスター 「ご事情はわかりかねますが ... 今夜、彼女がそのブルームーンを口にしたのは
      その想いからではないでしょうか ... 」

男    「 ... この私への想い ... 」

マスター 「あなたがいらっしゃる前に、彼女が言ってました ... 」

男    「エッ?」

マスター 「何もかも捨てた ... 私は親不孝者だと ... 」

男    「あいつ ... 」

マスター 「多分、彼女は今夜 ... すべてを投げ出してあなたの元へ飛び込むつもりだった
      んでしょう ... 」

男    「ユキコ ... 」








タグ:告白
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