2012年10月28日

spin-off /「神戸物語」 第三章 -前 編-








        SE:男性の歩く靴音 -----

         :やがて店の前で止まり、ドアを開ける ---
 
         :ドアの開く音 -----


マスター 「いらっしゃいませ ... 」

タクヤ  「こんばんは、マスター」

マスター 「今夜はお一人ですか?」

タクヤ  「いや、今日は彼女とここで待ち合わせなんだ」

マスター 「そうですか ... お珍しいですね、マキさんが遅くにお見えになられるのは」

タクヤ  「ウン ... 何でも、コンサートで急な調律が入ったらしくて、それで彼女も
      予定が狂ったみたいで ... 」

マスター 「そうなんですか ... 」

タクヤ  「でないと、こうして一人でのこのこ、やって来ないですよ」

マスター 「そうですね ... 」

タクヤ  「でも ... 彼女が来るまでまだ時間が少しあるから、マスターはしばらく
      僕の相手をしてくださいよ」

マスター 「ハイ、かしこまりました」

タクヤ  「という訳で、先に出来上がってもダメだから ... マスターに任せようかな。
      何か軽いカクテルなんかを」

マスター 「 ... それでは ... ジン・トニックなどはいかがでしょうか ...?」

タクヤ  「ウン。それでいいですよ」


        SE:タンブラーグラスにキューブ・アイスを3、4個入れ
          そこへドライジン(45ml)が注がれる ---
         :次に、グラス8分目ぐらいまでトニックウォーターを注ぎ
          ライムをグラスの縁にデコレートし、マドラーが添えられる -----


タクヤ  「いつも思ってたんだけど、マスターの手つき、鮮やかだね」

マスター 「ありがとうございます ...(グラスを置き)どうぞ」

タクヤ  「どうも」


         :タクヤ、一口飲む -----


タクヤ  「ン ... 味の方も抜群だし。ここのオーナーより上かな、マスターの方が」

マスター 「光栄です ... 」

タクヤ  「ここに来る前も、どこかでやってたんでしょ? お店」

マスター 「そうですね ... 小さな所でしたが、それなりに ... 」

タクヤ  「そのお店も、やっぱり震災で ...?」

マスター 「 ...はい」

タクヤ  「もう無理なの? そこは」

マスター 「いいえ ... そうでもないのですが ... 」

タクヤ  「あ、ゴメン、マスター ... 滅多にこうしてマスターとゆっくり話さない
      もんだから、ついつい余計なこと言っちゃったりして ... 」

マスター 「いいえ、そんなことは ... 」

タクヤ  「でも ...(グラスを揺らせながら)
      そのマスターのお店って、どんな感じのとこだったんだろうなぁ... 」

マスター 「そうですね ... 午前零時を指したままの動かない柱時計と、アンチークな
      電話がある ... 海岸通りにあるお店でした ... 」

タクヤ  「ヘェーッ ... 動かない柱時計と古い電話か ... いやいや中々どうして
      雰囲気のあるお店だったと思うな ... 」

マスター 「いいえ、とんでもございません ... 」

タクヤ  「ちなみに、マスターのそのお店の名前、なんて言うの?」

マスター 「名前、でしょうか ... それは ... バール ... 」


        SE:ドアの開く音 -----





posted by マスターの知人 at 00:00 | Comment(1) | TrackBack(0) | ストーリー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
こんなにたくさんシナリオが残っていたのに、びっくりしました。
本当に懐かしい。
ありがとうございます。

ラジオの音源なんかは残っていたりしないのですか。もし残っていたら、アップしていただけたら幸いです。
Posted by sige at 2012年10月29日 01:39
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