2012年09月27日

épisode / V.S.O.P 第一夜 「再 会」 -scene:final-








        :サンドリオンの店内 -----



レイコ  「ところで ...
      今夜どうして、ここへ来たの ...? しかも5年ぶりに」

マサヤ  「同じ質問をキミにしたいんだが ...?」

レイコ  「先に答えて ... どうして?」

マサヤ  「運命の悪戯かも ...?」

レイコ  「冗談はそれくらいにして ... 真面目に答えてほしいな ... 」

マサヤ  「ビジネスさ ... 」

レイコ  「ビジネスって ... 」

マサヤ  「長いこと海外にいたんだから、これぐらいの英単語わかるだろ?
      business ... つまり ... 」

レイコ  「仕事でここへ?」

マサヤ  「そう ... 今度、ある専門雑誌の企画でバーの特集をやるんで、それに
      ここを載せようと思って、それで来たって訳 ... 」

レイコ  「フーン ... 」

マサヤ  「くだらない雑誌のグラビア飾る写真なんて興味ないけど、そこそこ
      名の通った雑誌の企画だから、それならここをと思いついて、それで
      足を運んだんだ ... 5年ぶりにね」

レイコ  「そうだったの ...
      相変わらずやってるのね、カメラの方は ... 」

マサヤ  「今のところ、なんとかね ... 」


         :マサヤ、おもむろにタバコを取り出しデュポンで火を点ける ---
         :そしてゆっくりと一口喫う ---
         :ライターをカウンターに置く音 ---


マサヤ  「さて、今度はこっちの質問に答えてもらおうか ...
      どうして今夜、ここへ来たんだ ...? 」


         :レイコ、カウンターに置かれたライターを見つめている -----


マサヤ  「言っとくけど、タクシーでよ ... なんて答えは、この際なしだよ」

レイコ  「 ..... 」

マサヤ  「人の話、ちゃんと聞いてるのか? レイコ ... 」

レイコ  「 ..... 」 

マサヤ  「レイコ ...!」

レイコ  「あ、ごめん .... 私はただ ... 」

マサヤ  「ただ、何となくふらりと ... 」

マサヤ  「ふらりと想い出の場所へ来たのか ... わざわざ飛行機に乗って ... 」

レイコ  「そんなつもりじゃ ... 」

マサヤ  「キミはここへ来るために ... 遥々、日本へ帰って来たというのか ... 」

レイコ  「だからそれは ... 」

マサヤ  「別に責めてるつもりじゃない ... ただキミとこうしていると、あの時
      キミが言ったセリフを思い出して ... 」

レイコ  「マサヤ ... 」

マサヤ  「 ... よそう ... こんな話しは。
      それより、とにかく今夜は再会なんだ ... マスターの言うように5年ぶりの
      再会 ... 改めて祝杯を ... ねえ、マスター」

マスター 「そうですね ... 今夜はそれに尽きると思いますが ... 」

マサヤ  「それじゃマスター、同じやつをもう一杯 ... 」

マスター 「レイコさんはどうなさいますか?」

レイコ  「 ... じゃ私も、同じものを」

マスター 「かしこまりました ... 」


        SE:それぞれのカクテルを作る音にまぎれて -----



レイコ(Na) ここサンドリオンを訪れて ...
      久しぶりにオーダーしたマンハッタン ...
      そのカクテルを口にした瞬間から ... この胸の片隅に閉じ込められていた
      色褪せたはずの想いでたちが目を覚まし ---

      彼と再会した瞬間から ...
      このセピア色したハートが仄かに色付き始めたことを、私は感じた ---

      どうして ...? もう過去のものなのに ... このときめきは -----



マサヤ(Na) ここサンドリオンへ訪れて ...
      何気なくオーダーしたドライ・マンハッタン ...
      ここでこのカクテルを口にした瞬間 ... 過去という時間の彼方に身を潜めた
      沈黙の想い出たちが微かに騒ぎ始め ---

      彼女と再会した瞬間から ...
      このセピア色したハートが仄かに色付き始めたことを、オレは感じた ---

      どうしたんだ? もう過去のものなのに ... この切なさは -----



ナレーション  こうして今 ...
        セピア色にその姿を変えた二つのハートが
        ここに再会した ...

        それはまるで ... 真新しい恋の予感を、告げるかのように -----








posted by マスターの知人 at 00:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | ストーリー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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