2012年09月26日

épisode / V.S.O.P 第一夜 「再 会」 -scene:4-








        :サンドリオンの店内 -----

       SE:グラスの重なる音 ---


マサヤ  「キミだって変ってないな ... あの頃のままだ」

レイコ  「何故そう?」

マサヤ  「手元のそのカクテル ... あの頃と同じだ」

レイコ  「そう言われれば、そうね ...
      でもこれを飲みたくなったのは、ここへ来たから ...
      久しぶりにここへ来たからオーダーをした ... ただそれだけのことなの」

マサヤ  「久しぶりにここへ来たから ... か。
      相変わらずだな、そういう言い回しのセリフも ...」

レイコ  「そういうあなたは ... カクテルの好みだけは、少し変わったようね。
      その類を口にするなんて ... 」

マサヤ  「いくらなんでも、人間少しぐらいは変わるよ ... 5年もあればね」

レイコ  「 ... そうよね ... 」

マサヤ  「そうさ ... 」


         :マサヤ、カクテルをゆっくりと一口 -----


レイコ  「彼女の好みなの? そのカクテル ... 」

マサヤ  「いいや ... 」

レイコ  「じゃ、ひょっとして ... 奥さんの?」

マサヤ  「(微かに笑って)まさか ...
      指輪もケジメもない、相変わらずの独身貴族さ ... 」

レイコ  「そういうことだけは誇らしげに言うのね」

マサヤ  「悪かったね ...
      生憎と他に誇れるものが、今のところ何もないもんでね」

レイコ  「(笑っている)... 」

マサヤ  「何だよ、クスクス笑って ...
      キミこそどうなんだ? あっちで、堀が深くて鼻の高い、習慣の違う、米を
      食べない、やたら目の色が派手で髪の毛が縮れたイイ男でも見つけたか?」

レイコ  「これはこれは ... 随分なご心配を、ありがとうございます」

マサヤ  「いえいえ、どういたしまして」

レイコ  「少なくとも ... あなたのような人種の男性とは、お近づきにならなかったわ」

マサヤ  「そりゃそうだろうな ...
      ボクみたいなタイプの男は、そうざらにいるもんじゃないから ... 」

レイコ  「安心なさい ... 恐らくこの世であなただけよ、そういうタイプの人は」

マサヤ  「今夜だけは ... 褒め言葉として聞いておくよ、今のセリフを」

レイコ  「今夜だけ ...?」

マサヤ  「そう ... 今夜だけはね」

レイコ  「どうして?」

マサヤ  「言わせるなよ、そんなこと」

レイコ  「どうしてよ」

マサヤ  「ねえ、マスター ... そう思いませんか」

マスター 「そうですね ... 真意の程は、私には判りかねますが ...
      ご本人がそうおっしゃるのですから ... 多分、聞かれない方がよろしいのでは
      ないかと ... 」

マサヤ  「ほら ... マスターだって意味不明の、答えになってない返事するほど、奥深い
      男の気配りってやつなんだから、黙ってそれに甘えてりゃいいの」

レイコ  「意味不明なのは、あなたじゃなくて?」

マサヤ  「 ... 相変わらず、鈍感なやつだな ... 」

レイコ  「じゃ、どういう意味なの? 今夜だけって」

マサヤ  「だから今夜は ... 今夜だけは ...
      キミのすべてを受け止めようと ... 」

レイコ  「受け止める?」

マサヤ  「そう ... 何せ、5年ぶりの再会なんだから ... 」

レイコ  「(ため息をつき)相変わらず ... 思い込みが激しいのね」

マサヤ  「だから言いたく ... なかったんだ ... 」





posted by マスターの知人 at 00:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | ストーリー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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