2012年08月27日

anecdote / 雨色のレシピ File-W -Page:4-








         :海岸沿いの道路 -----

         :ジョーカーに車を走らせるジン ---
         :助手席にはアサミがいる ---

         :車内での会話 -----


アサミ  「それにしても感激だな ... 先生とこうしてカジノに行けるなんて」

ジ ン  「馬鹿 ... 遊びに行くわけじゃねえんだぞ」

アサミ  「それぐらいわかってますよ ... でも嬉しいんですよ、私」

ジ ン  「何がそんなに嬉しいんだ ...?」

アサミ  「だって ... たとえ嘘でも、先生の愛人として一緒にカジノに行けるんだもの
      ... 最高だわ」

ジ ン  「誰がいつ、お前を愛人だと言った?」

アサミ  「だって恋人にしては年が離れてるし、奥さんとしても不自然だから ... 」

ジ ン  「どうでもいいだろう、そんなことは。... 単なる連れの女、それでいいんだよ、
      それで」

アサミ  「でも役作りが必要でしょ? そう思って ... 」

ジ ン  「いいんだよ ... そういう小細工は。そもそも俺一人がうろうろしてたら
      怪しまれると思ったから、それでお前を連れて来ただけなんだからな」

アサミ  「そんな言い方、ないと思うな ... 」

ジ ン  「じゃ、どう言えば気が済むんだ ...?」

アサミ  「もういい ...! 私帰りますから、降ろしてください ...!」


         :ジン、車を止める -----


アサミ  「エッ、嘘! ... マジ?!」

ジ ン  「到着だ ... ここがカジノ・ジョーカーだ」


         :車を降りる二人 ---
         :カジノのドアを開ける、ジン -----

         :紫煙漂う中で、ルーレットが回る音 ---
         :やがて止まり -----


チェッカー「赤の5番 ... 」


         :ルーレットを囲む数人の男女の、様々な声がする -----


ジ ン  「またやられた ... くそーっ、今夜はついてねえな ... 」

アサミ  「もう、先生ったら! いい加減にしてくださいよ ...!」

ジ ン  「静かにしてろよ、気がちるじゃねえか ...!」

アサミ  「仕事でここへ来たんでしょうが、仕事で!」

ジ ン  「当然だろうが ... よし、次はここだ ...!」

アサミ  「だったらこんな事してないで、真面目に仕事してくださいよ ... 真面目に!」

ジ ン  「誰に聞いたって、今夜はまだ見かけないって言ってるんだから、そう慌てなく
      たっていいんだよ ...
      それよりアサミ、ボーイにバーボンをオーダーしてきてくれないか」

アサミ  「もう、自分勝手なんだから!」


         :アサミはボーイのそばへ行き、オーダーをする -----


アサミ  「あの、すみません ... 」

ボーイ  「はい、何か?」

アサミ  「バーボンのロックをダブルで ... 」

ボーイ  「かしこまりました」


         :その時、カジノのドアが開き、一人の男が入ってくる -----


ボーイ  「いらっしゃいませ ... 」

男    「 ウン... 」

ボーイ  「先程オーナーが、捜しておられましたが ... ミスター・ルー」

アサミ  「エッ ...?!」

男    「そうか ... で、オーナーは ...?」

ボーイ  「こちらへどうぞ ... ご案内いたしますので」

男    「ウン ... 」


         :ボーイにエスコートをされ、フロアを横切る男 ---
         :アサミは慌ててジンのそばへ行き、耳打ちする ---


アサミ  「(小声で)先生 ... 現れましたよ、例のミスター・ルーが」

ジ ン  「何だと ...!」

アサミ  「あの男がそうです ... 」


         :アサミは気づかれないように、男を指差す -----


ジ ン  「! 佐山 ...?!」

アサミ  「佐山って ... 確か依頼人の弁護士 ...! まさか ... 」

ジ ン  「驚きだぜ ... 」

アサミ  「捕まえましょう、先生!」

ジ ン  「いや、そう慌てなくてもいい ... 」

アサミ  「でも ... 」

ジ ン  「こっちが気づいたと知らない限り ... 奴は決して、逃げないさ」

アサミ  「なるほど ... 」

ジ ン  「これでルーレットで負けた分ぐらいは ... 充分、とりもどせたな ...
      さあ、今夜は引き上げるとするか ... 」


         :ルーレットが回る音 ---
         :やがて止まり -----


チェッカー「黒の44番 ... 」





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