2012年08月08日

anecdote / 雨色のレシピ File-T -Page:final-








         :探偵の事務所 -----


マスミ  「最高の贈り物でしたね、先生」

ジ ン  「そうだな。それなりに愛情がこもったモノだったな ... 」

アサミ  「その愛情を、トイレで爆発させたってところが憎いですよね」

ジ ン  「意味あり気だな、そのセリフは ... 」

アサミ  「何かしら匂ってくるってことですよ」

ジ ン  「 ... なるほど」

アサミ  「おまけに ... こんな意味深なメッセージもありましたからね」


         :ジン、アサミから一枚の紙切れを受け取り -----


ジ ン  「『長生きしたいのなら、あの女とは関わるな ... 』か ... 」

アサミ  「あの女って ... いったい誰のことなんですか? 先生」

ジ ン  「あの女 ... 」

アサミ  「この際言っときますけどね ... 私、先生の色恋沙汰に巻き込まれて、たった
      一度しかない人生を棒に振るて、まっぴら御免ですからね」

ジ ン  「そうか ... あの女、か ... 」

アサミ  「何で私が先生と心中しなきゃいけないのよ ... ホント、バカバカしい ... 」

ジ ン  「そうか ... そういう亊か ... 」

アサミ  「どういう事なんですよ、一体!」

ジ ン  「身に覚えが、いくらでもあるって事さ」

アサミ  「エッ ... ?!」

ジ ン  「ちょっと出かけてくる ... あと頼むな」

アサミ  「アッ、先生!」


         :ジン、慌てて事務所を出て行く -----


アサミ  「もう! いつもこうなんだから!」




         :サンドリオンの店内 -----


マリコ  「マスター ... もう一杯、頂けるかしら」

マスター 「 ... かなり、お強いんですね」

マリコ  「そうじゃなくてよ ... このカクテルが、私にオーダーさせるのよ」

マスター 「カクテルが、オーダーを ...?」

マリコ  「そう ... 『血まみれの女王』とも呼ばれるこのカクテルの由縁が、私に
      オーダーさせるのよ」

マスター 「由縁が、ですか ... 」


         :マスター、カクテルを作り出す -----


佐 山  「 ... 奴は戻って来るんでしょうか ... 」

マリコ  「彼しかいないのよ ... この仕事を依頼できるのは。
      だから当然 ... 戻って来てもらわなければ困るのよ ... 」

佐 山  「しかし、万が一 ... 」

マリコ  「心配いらないわ ... 大丈夫」

佐 山  「マリコ様 ... 」

マスター 「お待たせいたしました ...(グラスを置く)」

マリコ  「ありがとう」


         :マリコ、グラスのカクテルをマドラーで
          ゆっくりとステアしながら -----


マリコ  「佐山さん ... 」

佐 山  「はい ... 」

マリコ  「さっきも言ったでしょう ... 私のレシピは完璧だって」


         :ドアの開く音 -----


マスター 「! ジンさん ... 」

マリコ  「ほら、ごらんなさい ...(微かな笑い)ウフフフフ ... 」

ジ ン  「どうやらアンタとは、縁がありそうだな ... 」

マリコ  「縁 ...?」

ジ ン  「アンタの仕事 ... 引き受けさせてもらうよ」

佐 山  「どういう風の吹き回しなんだ」

ジ ン  「簡単なことだ ... 売られたケンカを買ったまでさ」

マリコ  「そう ... それじゃ改めてあなたにお願いするわ ... その前に、これを」


         :マリコ、バッグから札束を出し、カウンターに置く -----


ジ ン  「前金か ... 随分、羽振りがいいんだな ... 」

マリコ  「主人を見つけ出してくれれば、更に報酬は弾むわ」

ジ ン  「よほど大事な亭主なんだな ... これだけの札束積んで捜しだしたいとは」

佐 山  「余計な口は叩かんでいい。それより仕事の話だ」

ジ ン  「その前に ... タバコ1本、いいかな」

佐 山  「なんて奴だ ... 」

マリコ  「どうぞ ...(タバコを差し出す)」


         :ジン、タバコをくわえ火を点ける ---

         :ジッポーの音 -----



マスター(Na) バーボンの琥珀色が似合う男と ...
      赤く染まるカクテルが似合う女 ...
      この二人の出逢いから、それは始まった -----

      この季節の静かな雨の夜を舞台に -----


        SE:静かな雨音 -----





posted by マスターの知人 at 00:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | ストーリー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。
※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。
この記事へのトラックバックURL
http://blog.seesaa.jp/tb/284811752
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。

この記事へのトラックバック
blogramで人気ブログを分析 にほんブログ村 小説ブログ 脚本・シナリオへ
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。