2012年07月03日

épisode / 来夢来人 [ジン来夢/パール来人.part:X] -scene:3-






        SE:タクシーから女が降り --- ドアが閉まる
         :走り去るタクシー ---
         :ゆっくりと歩き出す、女 --- あたりに響くヒールの音


マスミ(Na) あの人が別れ際に言った言葉は ---

      「もしも返事がOKなら、僕に会いに来てほしい ...」
      
      そう言ってあの人は私から離れていった ...
      切符を入れた真新しい白い封筒を残して ...

      --- 一体どうする気なの、マスミ ---

      もう一人の自分が、私に問いかけてくる ...

      --- 明日の朝、10時2分 ... 東京行きの新幹線 ---

      あの人と過ごしたほんの少しの時間のスナップが、私の目の前を覆う ...

      --- ホントに好きなの? マスミ、あの人が ---

      わからない ... 今の私には、わからない .....


        SE:ヒールの音にまぎれて --- 微かな波の音
         :女、ふと立ち止まる ----


マスミ  「 ... 確かこの辺だったな ... あの日ジンとケンカ別れしたのは ... 」


        SE:ウミネコの鳴き声 ---
         :女、しばらく夜の海を見つめている -----


マスミ   私が行きたいのはあの人の許なのか、それともジンなのか ...


         :波の音 -----


         :サンドリオンの店内 -----

         :男、ふと店内の時計に目をやる -----


マスター 「時間が気になるご様子ですね ... 」

ジ ン  「そうですね ...
      でもよく考えたら、この店の時計は止まったままなんですよね、いつも」

マスター 「はい ... 」
      ここへいらっしゃる方の心のリズムによって、この店の時間は刻まれて
      いますので ... 」

ジ ン  「心のリズムか ... 」


         :男、タバコを取り出してくわえる -----
         :ジッポーのふたを開け、火を点けようとするが -----
         :しばらくジッポーを見つめている -----


マスター 「どうかなさいましたか ...?」

ジ ン  「いや ... 実はここで点かなくなって以来、全然火が点かないんですよ、
      このジッポー ... だから今、何となくこれで火をつけるのが少し ... 」

マスター 「試されてみてはいかがでしょうか ... 彼女を信じて」

ジ ン  「彼女を信じて ... ですか ... 」


         :男、ジッポーを擦る -----
         :火が点く -----


ジ ン  「点いた ... 」


        SE:ドアの開く音 -----


マスター 「いらっしゃいませ ... 」

マスミ  「 ... 遅くなって、ごめん ... 」

ジ ン  「マスミ ... 」

マスター 「 ... 夢がやってきましたね、そのカクテルの名前通りに ... 」





posted by マスターの知人 at 00:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | ストーリー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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