2012年03月29日

Mémoires / 再 会 -final-







          :サンドリオンの店内 -----



藤 堂  「そうだ ... 開店のお祝いとしては、少々不似合かもしれないが ...


          :藤堂、少し大きめの荷物を解き -----


       これをプレゼントしたいんだ ... 」

マスター 「それは ... 」

藤 堂  「そう ... 船の錨」

バーテン 「船の ... 」

マ リ   「錨 ... ?」

藤 堂  「神戸の北野にあるバーなら、こんなオブジェが飾ってあってもおかしくはないかと
       そう思ってね ... 」

マスター 「お心遣い、ありがとうございます ... でもどうしてまた船の錨を?」

藤 堂  「昔、ニューヨークのバーでこう聞かされた ... 酒場は世人の止まり木だと ...
       だから『BAR』と呼ばれるんだとね ...
       それなら、流浪の船の港でもあるわけで、錨があってもいいんじゃないかと
       そう思ってね」

マスター 「流浪の船の港 ... 」

藤 堂   「飾ってもらえるかな ... この店に」

マスター 「藤堂さん ... 」

マ リ   「いいんじゃない? マスター」

バーテン 「私も同感ですが ... 」

藤 堂   「どうかな? マスター ... 」

マスター 「... わかりました ... 皆さんがそうおっしゃってくださるのなら、喜んで飾らせて
       いただきます ... 」

藤 堂  「...ありがとう、マスター」

マスター 「いいえ ... お礼を申し上げるのは私の方です ... ありがとうございます ...
       藤堂さん ... 」

藤 堂  「とんでもない ... マスター」

マ リ  「で、さ ... いきなりなんだけど ... ここでこのお店のリニューアルオープンを
       記念して、乾杯ってのはどうでしょう?」

藤 堂  「同感だな ... 彼女の意見に。マスターは、どうかな?」

マスター 「そうですね ... 皆さんとの再会を祝ってでしたら、喜んで ... 」

マ リ  「なら、決まりね。 バーテンさん、シャンパンを」

バーテン 「かしこまりました ... 」


          :シャンパンが抜かれ、それぞれのグラスに注がれる -----


バーテン 「ご用意が出来ました ... 皆様、グラスをどうぞ ... 」

藤 堂  「言い出しっぺの、君が音頭を取ってくれるかな ...?」

マ リ  「そうね ... わかった。 それではみなさん ... ここバールサンドリオンの
      リニューアルオープンと、新しいバーテンダーさんへの歓迎の意を込め ... 」

マスター 「そして ... 皆さんとの再会を祝して ... 」

全 員  「乾杯 ...!」


         SE:グラスが重なり合う -----

           :店内の喧騒にまぎれて -----


マ リ(Na) カナリアが再び ... 止まり木を見つけた -----

藤 堂(Na) 漂流船が再び ... 港に錨を降ろした -----

バーテン(Na) ボクは再び ... すばらしい出逢いを知った -----

マスター(Na) 私は再び ... ここへ戻ってきた -----


 ---------------------------------------------------------------------------  


バーテン(Na) それは ...

      1997年4月のとある夜 ...

      この街を襲った悲しい出来事から2年目の

      春宵のことでした -----






posted by マスターの知人 at 00:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | ストーリー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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