2011年08月31日

メロディー 【melody】 # 2




マスター  いらっしゃいませ、ようこそ .....
      今宵も「バール サンドリオン」へお越しいただき、誠にありがとうござい
      ます.....

      さて今夜は皆様に、ここ「バール サンドリオン」を彩る楽曲の数々に
      ひと時耳を傾けて頂き、束の間の時間を過ごして頂ければと思っております
      .....

      ご紹介致します曲は、いずれもこの店での出来事に纏わる旋律ばかりで .....
      数々の笑顔や涙、その場面が蘇って参ります .....

      それではどうぞ、ごゆっくりお楽しみ下さいませ -----


                         [ barcendriillon - opening - ]







バーテン  店の名は「バード・バー」-----

      その店に訪れる人は、それぞれの思いをグラスにブレンドしながら漂うように
      流れるジャズと、静かに通り過ぎて行く時間の中で、束の間の夢と戯れてた
      そうです .....

      「バード・バー」..... それはまさにその名のとおり .....
      飛ぶ鳥たちの翼を休める、心の止まり木のような場所であったようです -----

      そしてこの酒場はその昔 .....
      私共のマスターが、シェイカーを振っていた店だと聞かされました -----


                       [ 千夜一夜 / ハートカラー -scene:4- ]







女    「バーテンさん ... さっきあの時計のことでとやかく云ってたけど ...
      よく考えてみたら、時間が止まった時計って素敵なのかもしれない ... 」

バーテン 「それは、どういう意味なんでしょうか ...?」

女    「だって ... もし好きな時に時間を止められたなら、私たち幸せになれたかも
      しれないもの ... 」

バーテン 「 ... それは ... 」

マスター 「失礼ながら、お客様 ... お二人の時計は今ここで、止まるわけにはいかないの
      ではないでしょうか ... 」

女    「エ ...?」

マスター 「戻らない時間を惜しむより ... やがて訪れる時間を見つめることの方が ...
      大切なことではないでしょうか ... 」

女    「やがて訪れる時間 ... 」

                        [ pendule 〜 時 計 〜 -scene:4- ]







女    「人の心は、カクテルか ..... 」


        SE:女、歩き出す -----

         :しばらくして、子猫の鳴き声 -----


女    「あ ..... さっきの子猫 ..... 」


        SE:子猫の鳴き声 -----


バーテン(Na) それから藤堂様は、おもむろにこんなことを話されてました -----

       昔、パリの裏町の花売り娘が、売れ残ったバラの花束を綺麗に部屋に飾ると
       そのやさしさにバラは涙を流して、ドライフラワーになったんだと .....


        SE:子猫の鳴き声 -----


       その子猫は ..... 何故かドライフラワーを一輪、くわえていた -----

       あの夜から ..... その彼女と出会った人は、誰もいない -----

                        [ ドライフラワー -scene:4-]







女(Na) ----- 一度ヒビ割れたグラスは、元には戻らないのよね -----


男(Na)  一瞬、そんな彼女のセリフが胸をよぎった ..... 
      果たして彼女は、この事に気付いてたんだろうか -----

マスター 「お待たせいたしました ... どうぞ」

男    「どうも ... ン...? マスター、このワインは ... 」

マスター 「お帰りになられてから、お出しするようにと ... 」

男    「律子 ... 」


マスター  今宵 ... 彼女が口にされていた「ダム・ロゼ・ダンジュ」.....
      それは貴婦人という意味を持つロゼ・ワインでした -----

      そして ... そのワインを煽るお客様のグラスには ...
      うっすらとワインの涙が広がっておりました -----

                        [ クリスタル ナイト -scene:4- ]



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バーテン 「少し変わったシンガーですね ... マリさんって人は ... 」

マスター 「どうしてそう?」

バーテン 「せっかくのチャンスだったのに ... 」

マスター 「それは ... 彼女がシンガーである前に、一人の女性だからでしょう ... 」

バーテン 「一人の、女性 ... 」

マスター 「ちょうど ... バカルディがバカルディ・ラムに拘ることで、ダイキリではない
       ことを主張したように ... 」

バーテン 「バカルディがバカルディであるための主張 ... 」

マスター 「彼女もまた ... 自分が女であることを主張したのよ ... 」

                        [ canari 〜 カナリア 〜 -scene:4- ]







マスター  止まり木とは.....
      それは流離い飛ぶ鳥の、翼休めし静寂の場-----

      また止まり木とは.....
      それはつかの間の微睡みに、刹那の夢見し安逸の場-----

      そして止まり木とは.....
      それは夜の帳に覆われた街に、ひっそりと佇む静穏の酒場-----

      今宵も「バール サンドリオン」へお越しいただき、誠にありがとうござい
      ました...

      またのお越しを、心よりお待ちしております .....


posted by マスターの知人 at 00:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | ストーリー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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