2013年01月03日

spin-off / BLUE MOON NIGHT -scene:final-








         :北野の街頭 -----

        SE:あたりに響くヒールの音 -----


女(Na)  私はホント、馬鹿な女 ---
      帰るところのある人を好きになったりして ...

      結局、どうなるわけでもないのに、見合いの話を断って、あの人のそばに
      ずっといたいなんて思ったりして ... ホント、馬鹿よね ...

      (少し泣き出し)でも私 ... 本気でそう思ったんだもの ...
      本気でずっとそばにいたいと思ったから ... だから ...

      ... いいの、別に。
      ... 二番目だって ...

      ... かまわないの、ホント。
      ... 週に一度しか会えなくても ...

      ... ただ私は ... 

      ... 一分一秒でもあの人と同じ時間が過ごせれば、それでいい ...
      ... ただそれだけなのに -----


        SE:街の雑踏 -----

         :女の携帯が鳴る -----
         :電話に出る女 -----


女    「 ... はい、もしもし ... 」

男(電話の声) もう一度 ... カクテルを飲みなおさないか、今から ... 」

女    「エ...?」


マスター(Na) そもそもブルームーンというカクテルは -----

      その名前のようにグラスを青い色に染めるカクテルではなく、むしろ透明感の
      ある薄い紫色した、スミレの香り漂うお酒です ...

      ... そしてその名前の由来は ...「恋人のいない時に見た月は青かったけれど
      あの人と出逢ってからの今は、金色に輝いて見える」と歌われた1930年代の
      名曲「ブルームーン」にまつわったものだと聞いています -----







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2013年01月02日

spin-off / BLUE MOON NIGHT -scene:2-








         :バード・バーの店内 -----


男    「どう思う ...? マスター」

マスター 「何がでしょうか ...?」

男    「彼女がさっき言ってたオーダーのこと ... 」

マスター 「 ... カクテルのことですね ... 」

男    「何か意味あり気だったような ... 」

マスター 「そうですね ... 多分 ... 」

男    「多分って ...?」

マスター 「 ... 彼女が今夜、いつものホワイトレディから、そのブルームーンに変えたのは
      一種の告白だったじゃないでしょうか ... 」

男    「告白 ...?」

マスター 「そもそもホワイトレディというカクテルは ... 実は今、口にされている
      そのブルームーンのバリエーションカクテルでして ... 」

男    「バリエーションカクテル ... 」

マスター 「レシピであるコアントローをクレームドバイオレットに変えるだけで
      ホワイトレディがそのブルームーンに姿を変えるんです ... 」

女    「それがどうして彼女の告白だと ...?」

マスター 「真っ白いドレスを纏うカクテルが ... 薄紫色の気高いドレスにその身を包む時
      ... 恋に落ちた証しだと、そう云われてますが ... 」

男    「恋の証し ... 」

マスター 「ご事情はわかりかねますが ... 今夜、彼女がそのブルームーンを口にしたのは
      その想いからではないでしょうか ... 」

男    「 ... この私への想い ... 」

マスター 「あなたがいらっしゃる前に、彼女が言ってました ... 」

男    「エッ?」

マスター 「何もかも捨てた ... 私は親不孝者だと ... 」

男    「あいつ ... 」

マスター 「多分、彼女は今夜 ... すべてを投げ出してあなたの元へ飛び込むつもりだった
      んでしょう ... 」

男    「ユキコ ... 」








タグ:告白
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2013年01月01日

spin-off / BLUE MOON NIGHT -scene:1-








         :バード・バーの店内 -----

         :ジッポーの音 ---
         :タバコに火をつけ、軽く一口吸う男 -----


男    「もう、合わない方がいいと思う ... 君のためにも」

女    「そうなんですか ...? ホントに」

男    「ああ ... 本当に」

女    「(ポツリと)... そうですか ... 」


         :シェイカーの音 ---
         :やがてグラスにカクテルが注がれる -----


マスター 「お待たせしました ... どうぞ(グラスを置く)」

女    「 ... どうも ... 」

男    「あ、マスター ... オレにも同じやつもらえるかな」

マスター 「はい。かしこまりました ... 」


        SE:キューブアイスを入れたシェーカーにドライジン(1/2)
          クレームドバイオレット(1/4)、レモンジュース(1/4)が
          入れられシェイクされる -----

         :その音にまぎれて -----


女    「シンドウさん ... 」

男    「 ... ウン?」

女    「気が、つきませんでしたか ...?」

男    「えっ ... ? 何が?」

女    「私今までこのお店に来て、このカクテルを注文したのは、今夜が初めて
      なんですよ ... 」

男    「そういえば ... 」

女    「ねえマスター ... そうですよね」

マスター 「確かにそうですね ... いつもなら、ホワイトレディだったかと ... 」

男    「それが ... どうかした?」

女    「いいえ別に ... 大したことじゃないですから ... 」

マスター 「どうぞ ... ブルームーンです ...(グラスを置く)」

男    「ありがとう ... 」

女    「 ... どうしても、ですか ... ?」

男    「 ...(ゆっくりとカクテルを一口)」

女    「 ... そうですか ... 」

男    「一番いいと思うんだ、それが ... 」

女    「 ... 」

男    「 ... お互いのために ... 」

女    「 ... 私、帰ります ... 」

男    「ン? もう ..?」

女    「 ... 嫌でしょう ... こんな所で女に泣かれるのって ... 」

男    「ユキコ ... 」

女    「それじゃ ... 」


         :身支度をし、店を出ようとする女 ---

        SE:ドアの開く音 -----


女    「サヨナラ ... ですね ... 」


        SE:ドアの閉まる音 -----


男    「ユキコ ... 」


        SE:マスター、ライターの火を点け -----


マスター 「どうぞ ... 」

男    「エッ ...?」

マスター 「タバコの火が... 消えてましたので ... 」








タグ:さよなら
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