2012年11月11日

épisode / 週末のヴィンテージ -scene:2-






         :サンドリオンの店内 -----


女    「(少し笑いながら)いつもそうなんですか?」

男    「いや、そんなことはないんですけど ... 」

女    「でも今、またやったって」

男    「いや、それはその ... 何やってんだか、俺は ... 」

女    「ユニークな方なんですね ... 」

男    「いや、そういうつもりはないんですけど ... たまたまそうなっただけで ... 」

マスター 「お待たせいたしました ...(女の前にグラスを置き)どうぞ」

女    「どうも ... (男に)それより... このワインのことで何か?」

男    「エッ? エエ ... まあ ... 」

女    「確かさっきこのワインが、あの海の向こうで産まれたものだとかおっしゃって
      ましたけど ... よくご存知なんですか? ワインのこと」

男    「エ? エエ ... 仕事柄、多少人より詳しい程度ですが ... 」

女    「仕事柄 ...?」

男    「一応、これでもソムリエでして ... 」

女    「そうなんですか」

男    「それで失礼ながら、そのワインに興味があったもんですから、つい声をかけて
      しまったわけで ... 」

女    「そうでしたか ...
      そういえば、ソムリエの方には悪い人はいないと聞いたことが ... 」

男    「ありがたいセリフですね、それって」

女    「確かマスターからそう聞いたような ... 違いましたっけ、マスター?」

マスター 「そうですね ... お話ししたような記憶がございますね、確かに」

男    「さすがマスター ... 僕、感激だな。おかげで鼻が高いですよ」

マスター 「それはどうも ... しかし実は私も、あるお客様から教わりました受け売り
      でして ... 」

男    「あ、そうなんだ ... そんなこと云ってくれる人が他にもいるんだ」

マスター 「そうですね ... 」

男    「一度会って飲んでみたいもんだな、その人と。一体どんな人なんだろうな」

マスター 「今ここに、いらっしゃいますが ...?」

男    「今ここに? ここにって ... 」

マスター 「私の目の前に」

男    「マスターの目の前にって ... あ ... ああ、そっかそっか、そういえば前に
      僕がマスターに云ったことありましたね、そんなこと、ああ、そうだそうだ、
      (馬鹿笑い)アハハハハ ... 」

女    「確かに ... 悪い人ではないようですね ...(微かに笑う)」

男    「ア、ハア ... 」

マスター 「お待たせいたしました(男の前にグラスを置き)どうぞ ... 」

男    「あ、どうも ... 」

女    「いかがです? お近づきの印に乾杯を ... 」

男    「いいですね、いい感じですね ... それじゃ、お言葉に甘えて ... 」

女    「 ... 乾杯」

男    「乾杯 ...!」


         SE:二人のグラスが重なる -----


男    「ン ... うまいなァ ... 」

女    「 ... 実は私 ... 好きなんです ... 」

男    「エ ...?」






posted by マスターの知人 at 00:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | ストーリー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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