2012年10月29日

spin-off /「神戸物語」 第三章 -後 編-








タクヤ  「ちなみに、マスターのそのお店の名前、なんて言うの?」

マスター 「名前、でしょうか ... それは .... バール ... 」


        SE:ドアの開く音 -----

         :アヤカとミユキが入って来る -----


アヤカ  「マスター、こんばんは」

マスター 「いらっしゃいませ ... 」

ミユキ  「ご無沙汰です、マスター」

マスター 「まあ ... ミユキさん ...!」

ミユキ  「この間アヤカから聞いてびっくり。
      まさかマスターがこんなところにいるなんて知らなかったんだもの ... 
      でも良かった ... マスターが元気でやってて」

マスター 「ありがとうございます ... お気にかけていただいて ... 」

アヤカ  「それより ... この間はごめんなさいね、マスター。あんな話一色で ... 」

マスター 「いいえ ... お気になさらないでください ... 」

ミユキ  「あんな話って、ジュンちゃんのこと?」

アヤカ  「あんたはいいの、黙ってなさい」

ミユキ  「何よその言い草は ... 人の家に泊まり込んでまで相談しにきたくせに ... 」

アヤカ  「さあさあ、今日は何飲もうかな ... 」

ミユキ  「はーい、私久しぶりに、マスターのマティーニ飲みたーい!」

アヤカ  「あ、それっていいかも ... マスター、私も右に同じで!」

マスター 「はい、かしこまりました ... 」


        SE:ミキシンググラスにキューブアイスが8分目程入れられ
          そこへドライ・ジン(4/5)、ドライ・ベルモット(1/5)が
          入れてステアされる ---
         :やがてミキシンググラスからカクテルが注がれ
          カクテルピックに刺されたオリーブがグラスへ -----


ミユキ  「けど、一体どうするつもりなの? これから」

アヤカ  「どうするって ... 」

ミユキ  「またこっちに住むつもりなんでしょう?」

アヤカ  「出来ればそうしたいんけど ... 」

ミユキ  「出来ればって、あんた家飛び出してきたんでしょ?」

アヤカ  「うん ... 」

ミユキ  「だったら早く気持ちの整理して、さっさと仕事見つけなさいよ」

アヤカ  「わかってるわよ、そんなことぐらい ... でもね ... 」


         :それぞれにグラスが置かれる -----


マスター 「どうぞ ... 」

ミユキ  「ありがとう、マスター」

アヤカ  「どうも」


         :二人、軽く一口飲む -----


ミユキ  「ウーン ... 久しぶりのマスターのマティーニ、やっぱり最高だわ」

マスター 「恐れ入ります ... 」

ミユキ  「ねえ、アヤカ ... 」

アヤカ  「でもさ ... ちゃんとあの人に会ってからでないと私、わかんないのよ ...
      ジュンジに対する自分の気持ちが ... 」

ミユキ  「あんたね、何度も言うようだけど、どうやってその人捜し出すつもりなのよ?
      そりゃわかるわよ、あんたの気持も。私だってこれでも女24年、やってるん
      だからね。理屈はどうであれ、ふっと魔が差して人を好きになることだって
      あるよ ... たとえフィアンセがいたとしてもね」


         :アヤカ、ミユキの向こうに見え隠れするタクヤを診て -----


アヤカ  「! ... エッ ...?」

ミユキ  「でもだからって、名前も聞いてないのにその人捜し出すっていのは、ちょっと
      無理があるように思うな ... 不可能よ」

アヤカ  「 ...ウソ ... 」

ミユキ  「何がウソよ ... ホントのことじゃない。大体考えてもみなさいよ。
      その人見つけ出すなんてのは、太平洋とは言わないまでも、琵琶湖に落した
      コンタクト探し出すみたいなものなのよ ... 」

アヤカ  「ま、まさか ... 」

ミユキ  「まさかって ... どうしたのよ、一体。人の顔じっと見たりして ...
      あんた今、ハトが豆鉄砲くらったような顔してるよ ...?」

アヤカ  「あの人よ ... 」

ミユキ  「あの人って?」

アヤカ  「あそこに座ってるあの人が、その人 ... 」

ミユキ  「あの人がその人って ...(タクヤを見て)... エッ?! まさかあの人が今話題の
      その人?」

アヤカ  「まちがいない ... きっとそう ... 」

ミユキ  「ウソーッ ... ?!」


         :アヤカ、思わずタクヤのそばへ行き -----


アヤカ  「あのう、すみません ... 」

タクヤ  「 ...?」

アヤカ  「私のこと ... 覚えてませんか?」

タクヤ  「エ ...?!」

アヤカ  「あの時 ... あの地震の時に ... 煙の中、下敷きになって大声で叫んでたのが
      私です ... 」

タクヤ  「君は ... 」

アヤカ  「(泣きだし)あなたに ... あなたにあの時、助けてもらったのが、この私 ...
      私です ... 」

タクヤ  「君は ... あの時の!」



ミユキ(Na) 佐々木美幸、24歳 ... 神戸市須磨区生まれ、フツーOL。
       ... こんなドラマみたいな再会って ... あるんだね、実際 -----





posted by マスターの知人 at 00:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | ストーリー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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