2012年10月09日

épisode / V.S.O.P 第三夜 「誤 算」 -scene:final-







        :サンドリオンの店内 -----



レイコ  「違うって ... 」

マサヤ  「そう ...
      確かに色やデザインはキミからもらったデュポンとまったく同じだけど
      これは全然、別のものなんだ ... つまり、贈り主が違うんだよ」

レイコ  「贈り主が、違う ...?」

マサヤ  「キミとは違う、別の女性からプレゼントされたものなんだ」

レイコ  「別の女性 ... 」

マサヤ  「キミからもらったデュポンも、確かにしばらくの間、ボクの手元にあった ...
      けれどここ2年ほど前に無くしてたんだ ... 
      申し訳ない ... 」

レイコ  「いいえ ... そんなこと... 」

マサヤ  「でも ... そのなくすキッカケを作った張本人が、申し訳ないって同じものを
      ボクにプレゼントしてくれた ... それがこのライターなんだ」

レイコ  「 ... そうだったの ... 」

マサヤ  「その彼女とはそれ以来、親しくなってね ... 今でもちょくちょく会ってる
      んだけど ... 」

レイコ  「恋人ってわけね ... 」

マサヤ  「別にそんなつもりじゃないんだけどね ...
      ただ ... 今、一番身近な女性と言えるかもしれないな ... 」

レイコ  「一番身近な女性 ... 」

マサヤ  「そんなことより ... 今夜キミを呼び出したのは他でもない ...
      是非一言、言っておきたいことがあったんだ ... 」

レイコ  「言っておきたいこと ... ?」

マサヤ  「 ... おめでとう ... 幸せになれよってな ... 」

レイコ  「(微かな声で)マサヤ ... 」

マサヤ  「 ... 正直に言うと ... レイコが結婚するんなら ...
      オレもそうしょうかって ... 」

レイコ  「エッ ...?!」

マサヤ  「実はずっと前から彼女に ... プロポーズされてたんだ ...
      普通なら逆なのにな ... 」

レイコ  「プロポーズ ... 」

マサヤ  「 ... 今日まで、何となくうやむやにしてきたんだけど ...
      決めたよ、オレ ... 彼女と結婚するよ ... 」


レイコ(Na) 私の誤算だった ...
      彼と出会った頃から今日までの8年間 ...
      そのセピア色した想い出に目を背けながらも、過去というドレスを
      身に纏い、追憶という仮面をかぶっていたのは ... 
      私の方だった ...

      何てことなの ...
      私は私の中で ... ちりばめられた想い出の欠片たちが、心に突き刺さる
      ような痛みを感じていた ...




ナレーション  男が口にしたウイスキー・フロート ---
        琥珀色したウイスキーは ...
        無色透明の水よりも軽く ...
        それはグラスに映る ... 虚構と真実 -----

        女が口にしたオールド・ファッション ---
        グラスを彩るフルーツたちは ...
        可憐なちりばめられた想い出の欠片 ...
        琥珀色のドレスは時に ... セピア色したドレスに ----

        こうして今 ---
        その姿をセピア色に染めていた二つのハートが
        ここに色付き始めた ...
        それぞれの心の欠片を胸に抱いて -----





タグ:恋人 祝福 誤算
posted by マスターの知人 at 00:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | ストーリー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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