2012年10月07日

épisode / V.S.O.P 第三夜 「誤 算」 -scene:3-







        SE:海岸通に響くヒールの音 -----


レイコ(Na) 今はもう、セピア色したあの頃の想いでの欠片、デュポンが語る ...
      あの人が仕掛けた優しい罠 ...
      時間を止めたままの心で今も私を見つめ、あの頃のようにお互いがお互いの
      色に染まりあえると思ってる ...
      
      5年も経ったのに ...

      その5年前と同じ気持ちで、同じように戻ろうとしている ...
      もう終わったはずなのに ...

      変わっていてほしかった ... この街のように ...

      あの頃の想い出に関わることなく、真新しい気持ちでいてほしかった ...
      せめて再会するのなら ...

      なのにあの人は ...


      だから私はあの人に告げた ...
      優しい罠に応えるように、私にとって甘い罪で ...
      結婚する ... と

      ... そして私は今 ...


        SE:ヒールの音がやがて止まり -----


      サンドリオンへ ...


        SE:ドアの開く音 -----


        SE:オールド・ファッション・グラスに角砂糖(1個)が
          入れられる ---
         :その上からアロマティック・ビターが垂らされ
          染み込まされる ---
         :そこへライ・ウイスキー(1/5)が注がれて
          キューブ・アイスが2〜3個入れられる -----
         :厚めにスライスされたレモンとオレンジを入れ
          カクテル・ピックに刺したレッド・チェリーが
          デコレートされる ---


マスター 「お待たせいたしました ... どうぞ」

レイコ  「ありがとう ... 」

マサヤ  「オールド・ファッションか ... 今夜はまた珍しいものを口にするんだ ...
      心境の変化かな ...? それとも ... 」

レイコ  「それとも何?」

マサヤ  「フィアンセの好みかな?」

レイコ  「そういう言い方は ... やめて」

マサヤ  「よく言うよ、そんなこと。この間ボクに、同じ質問したくせに ... 」

レイコ  「あら、そうだったかしら ... 」

マサヤ  「変わってないんだな、その辺の性格も ... あの頃のままなんだ ... 」

レイコ  「そういう言い方はやめてほしいの」

マサヤ  「(少し笑いながら)どうしたんだよ一体 ... 」

レイコ  「この際言わせてもらうけど ...
      変わってないとか、あの頃のままだとか言うセリフは、少なくともあなたの
      口からは聞きたくないの ... わかる? 嫌なのよ ...
      だから金輪際 ... 私の前でそういう類の言葉は使わないでほしいの ...
      お願いだから ... 」

マサヤ  「何か悪いものでも食べたか?
      それとも ... ケンカでもしたか? フィアンセと」

レイコ  「まだそんなこと言ってる ... 」

マサヤ  「だっておかしいよ ... 今夜のキミは、いつもと違う。
      誰だって何かあったと思うよ ... ねえ、マスター」

マスター 「そうですね ... 今夜のレイコさんは、いつもとは少し違う雰囲気ですね ... 」

レイコ  「マスター ... 」

マサヤ  「ほらみろ ... マスターだってそう感じてるんだから、やっぱり違うんだよ
      今夜のキミは」

レイコ  「 ... そうじゃないわ ...
      いつもと違うんじゃなくて ... 変わったのよ、今の私は」

マサヤ  「変わった ...?」

レイコ  「そう ... 変わったのよ ... だって私は、結婚するんだから ... 」





posted by マスターの知人 at 00:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | ストーリー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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