2012年10月06日

épisode / V.S.O.P 第三夜 「誤 算」 -scene:2-







        :サンドリオンの店内 -----



マサヤ  「先週の金曜日だったかな ... それも真夜中に ...
      彼女から、まさに安眠妨害のごとく電話があって、いきなりそう言ってた ...
      帰ってきたのは、結婚するためなんだってね ... 」

マスター 「先週の金曜日、ですか ... 」

マサヤ  「まいったよ、まったく ...
      お陰でそれから変に目が冴えちゃって、いい迷惑だったよ」

マスター 「それは何時頃のことだったでしょうか ... そのお電話は」

マサヤ  「確かあれは ... まだ1時にはなってなかったと思うけど ...
      それがどうかしたの? マスター」

マスター 「いいえ ... 別に大したことではないんですが ... 」

マサヤ  「ないんですが、なに?」

マスター 「ええ ...
      ただその時間でしたら、ちょうどここを出られた頃かと ... そう思いまして」

マサヤ  「彼女 ... ここへ来てたのか ... 」

マスター 「はい ... その夜はちょうど ... 」

マサヤ  「そうか ... 来てたのか ... 」


        :マサヤ、タバコを取り出し ---
        :デュポンで火を点ける ---
        :ゆっくりと一口喫う ---

        :短い沈黙 -----


マスター 「今夜のオーダーは ... どうなさいますか?」

マサヤ  「 ... そうだな ... 久しぶりに、あれを ... 」

マスター 「 ... それは... ウイスキー・フロート ... 」

マサヤ  「さすがマスター ... よく覚えててくれた ...
      でも ... 今夜はミネラルでお願いするかな ... 」

マスター 「 ... かしこまりました」


        SE:タンブラー・グラスが用意され、キューブ・アイス(3〜4個)が
          入れられる ---
         :そこへミネラルウォーター(適量)が注がれ ---
         :次にバー・スプーンをあて、ウイスキー(約1/6強)を静かに
          フロート(伝い注ぐ)させる ---

         :やがてグラスが置かれる -----


マスター 「 ... どうぞ」

マサヤ  「どうも ... 」


         :マサヤ、カクテルを一口 -----


マサヤ  「彼女、何か言ってました ...?」

マスター 「と、おっしゃいますと ...?」

マサヤ  「つまり ... 式の日取りとか ... 相手のことだとか ... 」

マスター 「いいえ ... そのようなことは、何も」

マサヤ  「 ... そう ... そっか ... 」

マスター 「そのご様子だと ... まだ何もご存知ないようですね ... 」

マサヤ  「電話じゃ、結婚するってことだけで、詳しい話は聞かされてないから ... 」
      もっとも ... だから今夜、彼女をここへ呼び出したんですよ ...
      その辺の詳しい話しを聞こうと思ってね ... 」

マスター 「そうでしたか ... 」

マサヤ  「 ... 一体、どんな奴なんだろうな ... 彼女の相手って ... 」

マスター 「気にされますか? やはり」

マサヤ  「 ...この際、気にならないなんて言うと、嘘になるでしょ ... 」

マスター 「嘘ですか ... 」

マサヤ  「そりゃそうでしょう ... これでも一応、昔の彼氏なんですからね ... 」

マスター 「今はそうではないと ...?」

マサヤ  「一応は、終わってるな ... 5年前、彼女が日本を離れた時に ... 」

マスター 「ご自分で、そう思ってらっしゃるのですか? それとも ... 」

マサヤ  「彼女がそう思ってるんですよ ... だから ... 」

マスター 「だから?」

マサヤ  「 ... だから彼女 ... 結婚するんでしょう ... 」






posted by マスターの知人 at 00:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | ストーリー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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