2012年10月02日

épisode / V.S.O.P 第二夜 「追 憶」 -scene:4-








        :サンドリオンの店内 -----



レイコ  「色んなこと話してたんだ ... あの人」

マスター 「偶然にレイコさんと会われて、思い出されてたようですね ... あの頃を」

レイコ  「出逢った頃からだと ... 8年にもなるわ ... 」


         :短い沈黙 -----


マスター 「何かお作りいたしましょうか ...?」

レイコ  「エ ...?」

マスター 「グラスが空いているようですので ... 」

レイコ  「ああ ... じゃ、一杯もらおうかな ... 」

マスター 「何になさいますか?」

レイコ  「そうね ... (しばらく考えて)じゃ、私にも ... そのブルームーンを」

マスター 「かしこまりました ... 」


        SE:キューブ・アイスを入れたシェーカーが用意され ---
         :そこへドライ・ジン(1/2)、クレームド・バイオレット(1/4)
          レモン・ジュース(1/4)が入れられ、シェークされる ---
         :やがてグラスにカクテルが注がれ ---
         :グラスが置かれる -----


マスター 「お待たせいたしました ... どうぞ」

レイコ  「どうも ... そういえば彼 ... あの頃よく、これを口にしてたっけ ... 」


         :レイコ、カクテルをゆっくりと一口 -----


レイコ  「以前から知ってたカクテルだけど、こうして口にしたのは初めて ...
      意外と口当たりがすっきりとしてるんだ ... 」

マスター 「クレームド・バイオレットの甘味とレモンの酸味 ...
      それにジンの辛さが程好くマッチしているためでしょう ... 」

レイコ  「私には今、このカクテルが ... ブルーというより、むしろ淡いスミレ色に
      見えるな ... 」

マスター 「スミレ色ですか ... 」

レイコ  「彼には今、このカクテルは何色に見えるんだろ ... 」

マスター 「今度直接、お尋ねになられてはいかがでしょうか ... 」

レイコ  「今度って ...?」

マスター 「この間、これをお預かりいたしました ... 」


         :マスター、カウンターのサイドより名刺を取り出し -----


マスター 「次に彼女が来たら、渡してほしいと ... それにご伝言も ... 」

レイコ  「あの人の名刺 ...?! 」

マスター 「魔が差したら、連絡がほしい...と、そうおっしゃられてました ... 」


         :レイコ、カウンターに置かれた名刺を手に取り -----


レイコ  「魔が差したら、か ... 今更って気もするんだけど ... 」

マスター 「どうしてでしょう ...?」

レイコ  「だってあの人とは、もう何の関係もないんだから ... 」

マスター 「5年前に終わったと ... 」

レイコ  「そう ...
      だから今更会ったところで、何がどうなるわけでもないし ...
      結局二人して ... 過去にこだわることになるだけだと思うの ... 」

マスター 「もう充分に ...
      その過去というものにこだわられているように思いますが ... 」

レイコ  「エッ ...?」

マスター 「ここで再会された ... あの瞬間から」





posted by マスターの知人 at 00:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | ストーリー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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