2012年09月23日

épisode / V.S.O.P 第一夜 「再 会」 -scene:1-




バーテン(Na)それは ...
       この店がまだ、海岸通りにある頃の出来事だったと
       マスターから聞かされました -----






ナレーション  過去という時の流れの中に
        同じ時間の所有がある ---

        男にとってそれは一瞬であり ...
        女にとってそれはつかの間であった ---

        そう ...
        それはちょうど一夜限りの
        微熱のようなエピソード ---

        ときめきはすでに心の欠片となり
        切なさはもう仄かな憧れ ---
        ... すべてがセピア色に染められた
        男と女の情景 ---


        SE:飛行機の着陸音 -----


        そして今 ...
        そのセピア色に姿を変えた二つのハートが
        ここに再会する ...
        真新しい恋の予感を告げるかのように ---


        SE:空港のロビーの雑踏 ---

         :その中に紛れて聞こえてくるヒールの音 ---


        そのプロローグは ...
        心の中にある情景までもが見えそうな ...
        そんな月の夜に始まった -----
 


レイコ(Na) 私は帰ってきた ... 5年ぶりに日本へと。
      久しぶりに目に映るこの街の光景は、私に懐かしさと驚きを与え、少し複雑な
      心境にさせた ...
      でもその傍ら ... 
      やはりどことなく安堵感がこの身を包むのは、この街の香りのせいだろうか ...
      それとも ---

      音大生の頃に通ったあの店のマスターや学友達はどうしているのか ...
      大半のこ娘は結婚したと、風の便りで聞いたけど ...
      そうね ... もうおかしくない年齢なんだ、彼女達も。

      少し会ってみたい気もするな ...

      今更会って何をどう話すのか見当もつかないけれど、その場の雰囲気はきっと
      すぐ、あの頃に戻るんだろうな ...

      ウフフフ ... みんなどんな顔をして主婦業をこなしてるんだろうか ...


        SE:微かな波の音 -----


      ウーン ... 懐かしい潮の香り ...
      あの頃はよくここで、いろんなことがあったっけ ...

      コンパ帰りに酔いつぶれたリツコが告白をしたのも ... 
      失恋してヤケ酒あおって思いっきりみんなで騒いだのも ... 
      そして ---
      彼との関係のはじまりと終わりも ... みんなここが舞台だった ---

      心の片隅で、忘れかけてたセピア色した想い出達が ... 今、微かに私の中で
      色付きはじめた ---

      この海岸通りが、あの頃の私のすべて -----


        SE:歩き出すレイコ --- ヒールの音


      そしてこの店も -----


        SE:ドアの開く音 -----


レイコ  「 ... こんばんは、マスター 」





posted by マスターの知人 at 00:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | ストーリー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
blogramで人気ブログを分析 にほんブログ村 小説ブログ 脚本・シナリオへ
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。