2012年09月09日

anecdote / 雨色のレシピ Last File -Page:2-









アサミ(Na) その翌日から先生と私は、ミスター・ルーこと佐山弁護士のマンションを
      張ることにした ...

      現在、唯一の重要参考人となる彼を張り込むことが、今度の仕事を一気に
      片付けるために残された手立てなのだ ---

      そして張り込むこと数時間 ... 彼は動き出した ---


         :車の中で佐山を張り込むジンとアサミ ---

         :ジンは居眠り、アサミだけが見張っている ---


アサミ  「先生、先生ったら ...! 起きてくださいよ、先生!」

ジ ン  「(寝起きの様子)ウーン ... 何だよ ... 」

アサミ  「佐山が動き出しました ... どこかへ出かけるんですよ!」

ジ ン  「なに ...?!(完全に目が覚めた)」

アサミ  「ほら ... ねっ」

ジ ン  「奴は車で出かけねえのか ...?」

アサミ  「どうやらそのようですね ... マンションのガレージは反対方向ですから」

ジ ン  「仕方ない ... 歩くか」

アサミ  「この車、どうするんですか?」

ジ ン  「ここへ置いてくしかないな ... 」

アサミ  「駐禁でやられますよ?!」

ジ ン  「歩いてる奴を尾行するのに、車じゃ目立ち過ぎる ... 何ならお前、乗って
      帰れ」

アサミ  「いやですよ、そんなの。私も行きます!

ジ ン  「ならこれで決まりだ」


         :ジンとアサミ、車を降りる --- ドアの音

         :歩き出すジンとアサミ ---
         :やがて前を歩く佐山を尾行するジンとアサミ、3人の靴音 -----


アサミ  「こんなに離れてて大丈夫ですか ...?」

ジ ン  「奴の場合はただの弁護士と違って、くだらないセカンドネームを持った
      男だからな ... それに満更知らない顔でもないし ... 並みの距離だと
      勘付かれる可能性がある ... 」

アサミ  「なるほど ... 」


         :やがて繁華街に出る3人 --- 街の雑踏


アサミ  「ア、先生 ... 」

ジ ン  「喫茶店で何方かと、お待ち合わせかな ...?」

アサミ  「千世、どうします? 私たちも ... 」

ジ ン  「いいや、ここで様子をうかがおう ... 見晴らしの利く茶店だから、大丈夫だ
      ろう」


アサミ(Na) それからの佐山は、別に怪しい動きは見られなかった ---
      単にコーヒーを飲みながら新聞を読み、合間にタバコを2、3本喫ったぐらい
      だった...

ジ ン  「あの野郎 ... タバコは喫わんとかほざいてたくせに ... 」


アサミ(Na)しかし --- 30分程経った頃だろうか ... 佐山に電話が入ったようだった -----


ジ ン  「一体、誰からだ ...?」

アサミ  「会話まで聞こえない ... 」

ジ ン  「 ... 感づかれたのかもな」

アサミ  「エッ?! どうして?」

ジ ン  「最初の予定じゃ、あの店で誰かと落ち合う段取りだったんだろう ...
      しかし、何らかの形で俺たちの尾行に気付いた相手が、何かを伝えるために
      佐山と連絡を取ったんだろう ... 」

アサミ  「もし、その推理が的中なら ... 」

ジ ン  「奴は俺たちを撒こうとする ... 」

アサミ  「アッ、先生! 佐山が!」

ジ ン  「野郎、いきなり期待に応えてくれるぜ!」


         :逃げる佐山 --- 後を追うジンたち
         :やがて大通りへ抜け、タクシーに乗り込む佐山 -----


アサミ  「先生! 佐山がタクシーに!」


        SE:車の停車音 --- ドアの開く音

         :次の瞬間、車が走り出す -----


ジ ン  「チッ! あの野郎 ... アサミ! タクシーを止めろ!」


        SE:車の停車音 --- ドアの開く音

         :すかさず乗り込むジンとアサミ -----


ドライバー「 Always, Thank you for your ride!
      (毎度、ご乗車ありがとうございます!) 」

アサミ  「何なのこの運転手?!」

ジ ン  「毛唐のドライバーか ...?!」

ドライバー「ワタシは健全なる、タクシードライバーで〜す!」

アサミ  「日本語通じるんだ ... 」

ドライバー「ハイ、ワタシ日系人ですから ... 父はアメリカの ... 」

ジ ン  「どうでもいいから、前のあの黄色のタクシーを追ってくれ!」

ドライバー「 Yes, sir!(かしこまりました!)」


         :ドアが閉まり --- 急発進するタクシー


アサミ  「だ、大丈夫ですか、このタクシー ... 」

ジ ン  「何とも言えんな ... この様子じゃ」

ドライバー「お客さんたちは、ポリスですか?」

アサミ  「そんなんじゃないわよ ...!」

ドライバー「それじゃ、借金取りですか?」

アサミ  「それも違う ...!」

ドライバー「それじゃ何故、あのイエロー・キャブ、追いかけるのですか?」

ジ ン  「興味があるのかい? 青い目の運ちゃんよ」

ドライバー「ハ〜イ、そのものズバリ! 興味津々ですね、ワタシ!」

ジ ン  「だったらまず、前の車を見失わないように、しっかり前見て運転するんだ。
      話はそれでも出来るからな」

ドライバー「 Oh! This, I'm sorry 」

アサミ  「私、このままじゃ寿命が縮まりそう ... 先生降りましょう、このタクシー」

ジ ン  「今から途中下車は無理だな ... 奴を見失う」

アサミ  「でも先生 ... 」

ドライバー「ダイジョブですよ、お嬢さん ... ワタシのドライビングテクニックは、最高
      ですから ... 安心してください」

ジ ン  「だから、前を見ろって!」

ドライバー「 I'm sorry!」

アサミ  「アッー! 踏切が!」


        SE:踏切の警報音が聞こえてくる -----


ジ ン  「しまった!」

ドライバー「 What a pity!(残念!)」

ジ ン  「チッ! くそーっ ... 」

ドライバー「どうしますか? このままじゃ、あのイエロー・キャブ、見失いますよ?」

ジ ン  「何とか行けるか?! 青い目の運ちゃんよ!」

アサミ  「でも電車が!」

ドライバー「 All right!(了解しました!)」


       SE:踏切の遮断機が降りだす -----


アサミ  「やめて!」

ドライバー「Go!」

アサミ  「キャーッ!」


        SE:やがて通過する電車 -----




タグ:尾行 逃亡 追跡
posted by マスターの知人 at 00:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | ストーリー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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