2012年09月03日

anecdote / 雨色のレシピ File-X -Page:3-








         :サンドリオンの店内 -----

         :ジンとマリコがいる -----

        SE:カクテルがステアされる音 -----


マリコ  「 ... そう、今度は火をつけられたの ... それはお気の毒に」


         :やがてマスターが、マリコにグラスを差し出す -----


マスター 「どうぞ ...(グラスを置く)」

マリコ  「ありがとう ...(一口飲み)でも、良かったんじゃなくて? 軽いボヤで
      すんだんだから ... 」

ジ ン  「ああ、おかげさんでな ... だが、うちの助手が忘れ物を取りに戻らな
      かったら、今頃事務所探しでてんてこ舞いさ ... 」

マリコ  「運がいいのよ、あなたは ... 」

ジ ン  「そうは思わんな ... 逆に近頃は災難続きだ ... 特にあんたと出合って
      からはな」

マリコ  「随分な言われ方ね ... 」

ジ ン  「伊達や酔狂でそのカクテルを、口にしてるんじゃないんだな ... 」

マリコ  「今夜はかなり、ご機嫌斜めのようね ... 」

ジ ン  「そういうあんたは、気分が良さそうだな」

マリコ  「気のせいじゃなくて ... 」

ジ ン  「そうかなぁ ... 」

マリコ  「考えてもご覧なさい ... 自分の夫が行方不明でまだ見つからないと言うのに
      ニコニコしてる奥さんなんて、どこを捜してもいるわけないでしょ ... 」

ジ ン  「常識で考えれば、確かにそうだがな ...(バーボンを一口)」

マリコ  「ところで ... どうなの? その後。何か主人に関する手掛かりはつかめた?」

ジ ン  「そうだな ... 皆さんが異常なまでに手に入れたがってたフロッピーの中身を
      やっと探り出せたことぐらいかな ... 」

マリコ  「何ですって ... 」

ジ ン  「キーワードは『ミスター・ルー』だった ... 」

マリコ  「それでその内容は ...?」


         :ジン、上着にポケットから封筒を取り出し -----


ジ ン  「これだ ...(カウンターに置く)」


         :マリコ、封筒の中に入っている一枚のレポート用紙を取り出す -----


マリコ  「何なの? 一体これは? ただの童話の歌詞じゃなくて ...?」

ジ ン  「そう ... 誰がどう見ても、ただの童話の1フレーズさ ... 」

マリコ  「どういうことなの? これは」

ジ ン  「それはこっちが聞きたいことだ ... 奴らも、そしてあんたも欲しがってた
      あのフロッピーの中身は、正真正銘これなんだ。何か心当たりはないのか?」

マリコ  「わからないわ ... 私には、何のことだか ... 」

ジ ン  「あんた結局、決め言葉はいつもそのセリフだ ... 知らない、わからないの
      一点張り ... 他に何か言いようがないのか?」

マリコ  「 ... あなた少し、勘違いしてるんじゃなくて?」

ジ ン  「 ... 何がだ?」

マリコ  「私はあなたに仕事を依頼した、依頼人なのよ? その私をつかまえて事ある
      ごとに、根掘り葉掘り質問する ... それも、まるで私が犯罪者かのように」

ジ ン  「事実を知りたいだけだ ... 」


マリコ  「冗談じゃないわ ...! 事実を究明するのが、あなたの仕事なんでしょ?!
      いい加減にしてもらいたいもんだわ!」


         :マリコ、カウンターの席から勢いよく立ち上がる ---
         :その時、肘がグラスに当たり、床に落ちる ---

        SE:グラスの割れる音 -----


マリコ  「一体、いつになったら主人を見つけ出すつもりなの?」

ジ ン  「近いうちに、必ず見つけ出す ... 」

マリコ  「容易いことよ、口にするのは。それより、態度で見せてもらいたいもの
      だわ!」


         :マリコ、ドアを開けて立ち止まり -----


マリコ  「覚えておいてちょうだい ... あなたの他にも、探偵はいるのよ ... 」


         :ドアの閉まる音 -----


ジ ン  「(軽く笑い)フッ ... 俺も落ちぶれたもんだな ... 」





posted by マスターの知人 at 00:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | ストーリー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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