2012年09月06日

anecdote / 雨色のレシピ File-X -Page:final-









         :かろうじて弾を避けたジン -----


アサミ  「先生 ...!!」

ジ ン  「クソーッ、汚ねえ奴らだ!」


         :一気にアサミの元へ走る、ジン -----


男    「クソッ! また命拾いしやがって! 今度は逃さんぞ ... 奴を殺せ!」


         :一斉にピストルを撃ちだす男達 -----


ジ ン  「あいつら節操がねえな ... 撃てばいいってもんでもねえのにな」

アサミ  「やっぱり、私のこと心配してくれてたんですね、先生!」

ジ ン  「バカ ... お前に死なれたら、誰が葬式代出すと思ってんだ」

アサミ  「エッ?!」

ジ ン  「それよりいいか、あの倉庫まで突っ走るぞ ...!」

アサミ  「えっ?! あんな所まで?」

ジ ン  「いやならいいんだ ... ここで奴らの餌食になれ。俺はその間に逃げるから」

アサミ  「ひっどい ... わかりましたよ! 行けばいいんでしょ、行けば」

ジ ン  「そういうことだ ... じゃ行くぞ ... ワン ... ツー ...、スリーッ! それ!」


         :ジンとアサミ、全力で突っ走る ---
         :二人に向けて撃たれる拳銃 -----


男    「何してる! さっさと片付けてしまえ!」


         :倉庫にたどり着く二人 ---
         :二人とも肩で息をしている -----


ジ ン  「よし、これでもう安心だ ... 」

アサミ  「先生 ... 」

ジ ン  「どうした ... 情けない声出して ... 」

アサミ  「ごめんなさい ... 私のせいで大事なフロッピーを ... 」

ジ ン  「ああ、あれなぁ ... あれだったらここに(ポケットから出し) ...ほれ」

アサミ  「それは ...?!」

ジ ン  「これ、本物 ... あっちニセ物 ... 奴らには俺の芸術的ポエムなんぞを
      したためたフロッピーをプレゼントしてみたんだが」

アサミ  「さっすが!」

ジ ン  「それじゃボチボチ、助けを呼ぶとするか ... 」

アサミ  「助けを呼ぶって ...?!」

ジ ン  「これだよ ... これさ」

アサミ  「火災報知機?! なるほど ... 」

ジ ン  「これから始まるハードボイルドの、幕開けのベルだ」


         :ジン、火災報知機のスイッチを押す -----

        SE:辺りに響き渡るベルの音 -----

 

マスター(Na) 一秒、そしてまた一秒と ...
      止まることなく刻まれていく時間(とき)の流れのように .....
      疑惑と言う名の謎が真実を語り始めた -----

      この季節の雨にも似た、透明な輝きを放ちながら -----


        SE:激しい雨音 ----- 





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2012年09月05日

anecdote / 雨色のレシピ File-X -Page:5-









         :人影のない波止場 -----
         :突堤に打ち寄せる波の音 -----

         :やがてそこへ一台の車が滑り込んでくる ---
         :辺りに響くスリップ音 ---
         :しばらくして車のドアが開き、ジンが降りてくる -----


ジ ン  「まだ来ずか ... 」


         :そこへもう一台の車が現れ、距離をおいて止まる ---
         :ドアが開き --- 数人の男が現れる


男    「フロッピーは持ってきたか!」

ジ ン  「ああ、しっかりここにな ...!」

男    「なら、こっちへ戴こうか!」

ジ ン  「その前に、女は無事か!」

男    「後ろを見るんだな!」


         :ジンが振り向くと、そこには縛られたアサミが
          男に連れられている -----


アサミ  「先生ーッ!」

ジ ン  「無事か、アサミ!」

アサミ  「はい!」

男    「さあ、これで納得だろう ... フロッピーをその場に置いて、そのまま一歩ずつ
      ゆっくり後ろへ下がるんだ! 
      いいか、ちょっとでも妙なまねをしたら、女の命はないと思え!」

ジ ン  「(小声で)チッ ...! 古いセリフほざきやがって ... よかろう!」


         :ジンは言われたとおりに、その場にフロッピーを置き ---
         :ゆっくりと一歩ずつ、後ずさりする ---

         :遠くで響くサイレン音 -----


男    「フフフフフ ... 」

ジ ン  「そこから動けないのか、アサミ ... 」

男    「てこずらせやがって ... 」

アサミ  「駄目なんです ...! 体を縛ってるロープが鉄柱にくくりつけられてて ... 」

男    「このまま無事に、帰れると思うなよ ... 」

ジ ン  「手の込んだことしやがって ...!」

男    「死ねッ ...!」


         :男が拳銃の引き金を引く ---

         :その瞬間、ジンが転がっていた空き缶につまずく -----


ジ ン  「おっと ...!」


         :一発の銃声音 -----





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2012年09月04日

anecdote / 雨色のレシピ File-X -Page:4-









ジ ン(Na) 結局、この事件の依頼人である女からは、これといった情報を
      得られることもなく、いつものように煙にまかれてしまった ---

      それにしても、あのフロッピーに記録されていた、この童話の1フレーズは
      一体、何の意味があるんだ ...?

      かごめかごめ、かごの中の鳥は ... いついつ出やる、か ...

      わからんな ...
      どう考えてみても、今までの出来事のすべての疑問は、ある一点の方向に
      向かって解決を見れるような要素がまるでない ...
      むしろ逆に、放射状になって疑問と謎がどんどん広がっているような気が
      する ... あまりいい雰囲気じゃないな ...

      俺は気分を変える意味も含めて、マスターとこれまでの経緯を整理して
      みた -----


マスター 「 ... それで、考えられる推測は ...?」

ジ ン  「あくまで仮の推理だが ... まず失踪したあの女の亭主は、何か重要な
      事件に関わったか、さもなくば重大な事件を引き起こした ... 」

マスター 「充分に考えられる内容ですね ... 」

ジ ン  「しかし亭主は、仲間割れか何かの事情で我が身に危険を感じ、その姿を
      隠した ... 」

マスター 「それが失踪事件として、露呈した ... 」

ジ ン  「その亭主を、事件に関係していると思われるもう一方の奴らが追っている
      ... これはもしかすると ... あの女と佐山も一味かもしれないな ... 」

マスター 「まさか ... 」

ジ ン  「同時にもう一方では、亭主である男を見つけられる何かと都合の悪い奴らも
      存在している ... 
      こいつらが、一連に俺を襲った奴らだと思っていいだろう。
      こいつらも事件に関係してると思われるが ... 今のところ男とどういう
      関係にあるかは、不明だな」

マスター 「すべての謎を解く鍵は ... やはり失踪したあの女性のご主人が、握って
      いるようですね ... 」

ジ ン  「それにしても ... あの日わざわざ俺の所へ、亭主の居場所を連絡してきた
      奴は一体、誰なんだ? ... 当の本人なのか? それとも別人 ...?
      その目的は一体、何なんだ ...?」


         :短い沈黙 -----


マスター 「お代わりいたしましょうか?

ジ ン  「ン?」

マスター 「グラスがもう空ですので ... 」

ジ ン  「 ... 戴くとするか ... 」


         :その時、ジンの携帯電話が鳴る -----


ジ ン  「 ... はい、もしもし ... もしもし ...!」

電話の声(男)「--- --- (不気味な笑い)フフフフフ ... 」

ジ ン  「誰だ、テメエ ...!」

電話の声(男)「 ... お前の助手は預かった」

ジ ン  「何だと ...?! 」





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2012年09月03日

anecdote / 雨色のレシピ File-X -Page:3-








         :サンドリオンの店内 -----

         :ジンとマリコがいる -----

        SE:カクテルがステアされる音 -----


マリコ  「 ... そう、今度は火をつけられたの ... それはお気の毒に」


         :やがてマスターが、マリコにグラスを差し出す -----


マスター 「どうぞ ...(グラスを置く)」

マリコ  「ありがとう ...(一口飲み)でも、良かったんじゃなくて? 軽いボヤで
      すんだんだから ... 」

ジ ン  「ああ、おかげさんでな ... だが、うちの助手が忘れ物を取りに戻らな
      かったら、今頃事務所探しでてんてこ舞いさ ... 」

マリコ  「運がいいのよ、あなたは ... 」

ジ ン  「そうは思わんな ... 逆に近頃は災難続きだ ... 特にあんたと出合って
      からはな」

マリコ  「随分な言われ方ね ... 」

ジ ン  「伊達や酔狂でそのカクテルを、口にしてるんじゃないんだな ... 」

マリコ  「今夜はかなり、ご機嫌斜めのようね ... 」

ジ ン  「そういうあんたは、気分が良さそうだな」

マリコ  「気のせいじゃなくて ... 」

ジ ン  「そうかなぁ ... 」

マリコ  「考えてもご覧なさい ... 自分の夫が行方不明でまだ見つからないと言うのに
      ニコニコしてる奥さんなんて、どこを捜してもいるわけないでしょ ... 」

ジ ン  「常識で考えれば、確かにそうだがな ...(バーボンを一口)」

マリコ  「ところで ... どうなの? その後。何か主人に関する手掛かりはつかめた?」

ジ ン  「そうだな ... 皆さんが異常なまでに手に入れたがってたフロッピーの中身を
      やっと探り出せたことぐらいかな ... 」

マリコ  「何ですって ... 」

ジ ン  「キーワードは『ミスター・ルー』だった ... 」

マリコ  「それでその内容は ...?」


         :ジン、上着にポケットから封筒を取り出し -----


ジ ン  「これだ ...(カウンターに置く)」


         :マリコ、封筒の中に入っている一枚のレポート用紙を取り出す -----


マリコ  「何なの? 一体これは? ただの童話の歌詞じゃなくて ...?」

ジ ン  「そう ... 誰がどう見ても、ただの童話の1フレーズさ ... 」

マリコ  「どういうことなの? これは」

ジ ン  「それはこっちが聞きたいことだ ... 奴らも、そしてあんたも欲しがってた
      あのフロッピーの中身は、正真正銘これなんだ。何か心当たりはないのか?」

マリコ  「わからないわ ... 私には、何のことだか ... 」

ジ ン  「あんた結局、決め言葉はいつもそのセリフだ ... 知らない、わからないの
      一点張り ... 他に何か言いようがないのか?」

マリコ  「 ... あなた少し、勘違いしてるんじゃなくて?」

ジ ン  「 ... 何がだ?」

マリコ  「私はあなたに仕事を依頼した、依頼人なのよ? その私をつかまえて事ある
      ごとに、根掘り葉掘り質問する ... それも、まるで私が犯罪者かのように」

ジ ン  「事実を知りたいだけだ ... 」


マリコ  「冗談じゃないわ ...! 事実を究明するのが、あなたの仕事なんでしょ?!
      いい加減にしてもらいたいもんだわ!」


         :マリコ、カウンターの席から勢いよく立ち上がる ---
         :その時、肘がグラスに当たり、床に落ちる ---

        SE:グラスの割れる音 -----


マリコ  「一体、いつになったら主人を見つけ出すつもりなの?」

ジ ン  「近いうちに、必ず見つけ出す ... 」

マリコ  「容易いことよ、口にするのは。それより、態度で見せてもらいたいもの
      だわ!」


         :マリコ、ドアを開けて立ち止まり -----


マリコ  「覚えておいてちょうだい ... あなたの他にも、探偵はいるのよ ... 」


         :ドアの閉まる音 -----


ジ ン  「(軽く笑い)フッ ... 俺も落ちぶれたもんだな ... 」





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2012年09月02日

anecdote / 雨色のレシピ File-X -Page:2-








アサミ(Na) 私達は早速、フロッピーの中の情報を探ることにした ---
      とは言ってみても、事務所の中はひどい有り様 ...
      デスクの上は書類やファイルが散乱し、引き出しの中はめちゃめちゃ ...
      肝心のパソコンは、本棚からひっくりか返された本の山に埋もれてる。
      でもそのお陰で、かろうじて消火液や火の手からは守られたみたいで
      故障もなく、正常に機能した ... まさに不幸中の幸い -----

      それから数時間 ---
      私はパソコンの画面とにらめっこをしながら、キーボードを叩き続けて
      いるが、目指すフロッピーの情報が一向に引き出せない -----



         :パソコンのキーを叩く音 -----

         :アサミが必死にフロッピーの中身を引き出そうとしている -----


ジ ン  「どうだ、アサミ ... 」

アサミ  「どうしても駄目 ... 何をどう打ち込んでも反応しないんです ... 」

ジ ン  「予想どおり ... そうすんなりとは前に進めないな ... 」

アサミ  「一体どんなパスワード仕掛けてるんだろう ... 暗号めいた、何か特別な
      キーワードでもいるのかしら ... 」


         :パソコンのキーを叩く音 -----


ジ ン  「俺がやってみよう ... 」

アサミ  「えっ?! 先生が?」

ジ ン  「何だ? 俺がパソコン触っちゃ駄目なのか ...?」

アサミ  「いや、そうは言いませんけど ... ちゃんと打てるんですか? キーを」

ジ ン  「何を言ってるんだ ... お前は知らないだろうが、こう見えても俺の
      ソロバンの腕は確かなんだ」

アサミ  「関係ありませんよ、そんなのは」

ジ ン  「いいから、黙って見てろって」

アサミ  「どうなっても知りませんよ、私は」

ジ ン  「任せておけって ... 」


         :ジンはキーを叩き出すが、エラー音を鳴らすばかり ---
         :やがて、エラー音が鳴り止まなくなる -----


ジ ン  「おいおいアサミ、何とかしてくれ ...!」

アサミ  「ほら、ごらんなさい ... だから言ったでしょうが ...
      あーあ、自分の名前なんか打ち込んでどうするんですか ...
      こんなパスワードなんかあり得ませんよ」

ジ ン  「自分の名前 ...? ... もしかすると ... 」

アサミ  「どうかしたんですか? 先生」

ジ ン  「なあ、アサミ ... パスワードに『ミスター・ルー』と打ち込んでみろ ... 」

アサミ  「あ、はい ... 」


         :アサミ、言われた名前をキーボードで打ち込む ---
         :次の瞬間、パソコンが反応し、画面が切り替わる -----


アサミ  「せ、先生 ...これ!」

ジ ン  「ン? ... これは ...!」 





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