2012年08月29日

anecdote / 雨色のレシピ File-W -Page:final-








         :サンドリオンの店内 -----

         :オヤジは少し酔った様子 -----


オヤジ  「 ... それじゃな、ジン」

ジ ン  「すまなかったな、オヤジさん」

オヤジ  「気にするな、ジン。それよりお前の頼みならいつでも聞いてやるから、また
      店に顔を出すんだぞ ... わかったか ...!」

ジ ン  「わかったぜ、オヤジさん ... 」


         :オヤジ、ドアを開けて出ようとするが、立ち止まり -----


オヤジ  「あ、それからマスター ... 」

マスター 「はい、何か ...?」

オヤジ  「ワシはあんたに一目惚れしたよ ... こんなのは何十年ぶりのこったろうな。
      あんた、いい女だね ... また寄せてもらうよ」

マスター 「光栄です ... 是非ともまた、お越し下さい ... お待ちしておりますので」

オヤジ  「それじゃ、おやすみ ... 」

マスター 「ありがとうございました ... おやすみなさいませ」


        SE:ドアの閉まる音 -----


マスター 「とても優しい方なんですね ... 」

ジ ン  「ああ見えても昔はウルフと呼ばれ、みんなから恐れられた腕利きのデカだった
      んだ ... 」

マスター 「そうなんですか ... 」

         
        SE:ドアが開き、マリコが現れる -----


マスター 「いらっしゃいませ ... 」

マリコ  「私に何か御用かしら? 探偵さん」

ジ ン  「用があるから、わざわざ御足労願ったんだが ... 」

マリコ  「そうね ... マスター、私にいつものやつを」

マスター 「かしこまりました」


         :マスター、ブラディマリーを作る -----


マリコ  「それで、用件は?」

ジ ン  「この間、ここでこうしてあんたと別れてからすぐに、俺はまた襲われた ... 」

マリコ  「今、ここでこうしてるんだから ... 無事だったのね」

ジ ン  「どうやらフロッピーがお目当てらしく、今度はいつもより手間暇かけてらって
      監禁までしてくれたよ」

マリコ  「大層なお持て成しだったのね」

ジ ン  「それで ... その大層な持て成しを指示してくれた奴が、ミスター・ルーって
      男らしいんだが、あんた ... 心当たりはないか?」

マリコ  「ミスター・ルー ... 初めて聞く名前ね。... 悪いけど、心当たりはまったく
      ないわ」

ジ ン  「フフ ... あんたも近頃、あの弁護士同様 ... 俺の期待に応えてくれるように
      なったな」

マリコ  「どういう意味かしら、それは」

ジ ン  「言ったままの、意味さ」


         :マスター、マリコにカクテルを差し出す -----


マスター 「お待たせいたしました ... どうぞ(グラスを置く)」

マリコ  「ありがとう ...(カクテルを一口)」


         :その時、マリコの携帯電話が鳴る ---
         :マリコ、バッグから電話を取り出し -----


マリコ  「 ... はい、もしもし --- --- そう ... わかったわ。それじゃ今からそっちに
      行くわ。 --- --- ええ、そうね ... 30分ぐらいかしら ... それじゃ ... 」


         :マリコ、電話を切る -----


マリコ  「ごめんなさい ... 急用が出来たから、私はこれで失礼するわ」

ジ ン  「話しの続きはどうするんだ ...?」

マリコ  「日を改めて ... ゆっくり聞かせてもらうわ。それじゃ、失礼 ... 」

マスター 「ありがとうございました ... 」

マリコ  「ごめんなさいね、マスター。カクテル、残したままで ... 」

マスター 「いいえ ... お気になさらずに ... 」

マリコ  「それじゃ ... 」

ジ ン  「もう一度だけ聞くが、ホントに知らないのか? ミスター・ルーを」

マリコ  「何度聞かれても応えは同じよ ... 」


         :マリコ、店を出て行く --- ドアの閉まる音


ジ ン  「 ... あの女はホントに知らないのか ...
      それともあの女自身も奴らの仲間で、しらばっくれてるのか ...?
      ... マスター、どう思う?」

マスター 「もともとポーカーフェイスの方ですから、どちらとも判断しかねますね ... 」

ジ ン  「同じ見解か ... 」


         :その時、ジンの携帯電話が鳴る -----


ジ ン  「今度は俺の携帯か ... 」


         :ジン、電話に出る -----


ジ ン  「 ... もしもし ... 」

アサミ(電話の声)「アッ、先生?!」

ジ ン  「どうしたんだ? 慌てて ... 」

アサミ(電話の声)「事務所が! ...事務所が! ... 」

ジ ン  「 --- --- 何だって ...?!」



マスター(Na) 雨色のバラに咲き誇るいくつもの疑惑は ...
      その花びらを一枚一枚散らすかのように、真実を語り始めた ...
      甘く危険な香りを漂わせながら -----

      まるでそれは ...
      静寂を司る夜の海が、突然の嵐に見舞われるかのように ...
      不意に訪れた出来事だった -----


        SE:突然の雨と雷鳴 -----





posted by マスターの知人 at 00:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | ストーリー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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