2012年08月24日

anecdote / 雨色のレシピ File-W -Page:1-






         :港近くのとある倉庫内 -----

         :その一角の小部屋に、拉致状態のジン ---

         :どこからか聞こえる蛇口から落ちる水滴の音 ---



ジ ン(Na) 鈍い痛みを後頭部に感じながら ... 俺はゆっくりと意識を取り戻した。
      灯りのないせいもあってか、ぼんやりとした目の前の光景は、およそ初めて
      見るものばかりで、自分が監禁状態であることに察しがついた ---

      「と言うことは ... 」

      やはり予想どおり、手足は見事に縛られている ---
      俺はサンドリオンを出た直後に、不意に後から一発くらい、それからここへ
      運び込まれたと言う流れを、まだはっきりしない意識の中で反芻した ---

      「一体ここはどこなんだ ...? 何のために、誰が俺をここへ ...?」

      厄介なことに、また一つ謎が増えた ---

      その時 ... ドアの向こう側で、男の声が聞こえるのに気がついた ---
      微かだが、確かに誰かと話す男の声だ ... 俺は耳をそばだてる ---
      どうやら電話で話してるようだ -----


ドアの向こうの声(男)「わかりました、ミスター・ルー ... それでは」

ジ ン  「ミスター・ルー ...?」


         :電話が切られる ---
         :やがてドアの方へ近づいてくる靴音 ---

        SE:ドアが開く音 -----







 - ナレーション それは静かに始まった ...
          眠りについたばかりの無表情な街を ...
          優しく照らす月のように ---

          それは静かに始まった ...
          穏やかに波打つ琥珀色の海の中に ...
          どこまでも沈んでいくコインのように ---

          それは静かに始まった ...
          その姿を銀色に輝かせた雨の雫が ...
          人知れずそっと消えていく中で -----


        SE:浴びせかけられるバケツの水 -----


男    「お寝覚の時間だ ... 探偵さんよ」

ジ ン  「フッ ... 二日酔いにはもってこいのシャワーだ ... 最高の気分だよ」

男    「そりゃちょうど良かった ... じゃ、その気分がいいうちに、フロッピーを
      渡してもらおうか」

ジ ン  「フロッピー ... 何のことだ、一体 ... 」

男    「何だと ...?」

ジ ン  「スヌーピーなら、よく知ってるんだがな ... 」

男    「ふざけるんじゃねえ!」


         :男、ジンを殴る -----


ジ ン  「 ... 二日酔いなんだから、もう少しお手柔らかに頼むぜ ... 」

男    「それならくだらねえこと言ってねえで、さっさとフロッピーを渡すんだよ」

ジ ン  「その前に ... タバコ一本、いいかな ... 」

男    「チッ ... 高いぜ、この一本はな ... 」


         :男、タバコを取り出し、ジンにくわえさせる ---

        SE:ライターの音 -----


ジ ン  「(一口喫い)このタバコも、不味くはないんだな ... 」

男    「さあ言ってもらおうか ... フロッピーはどこにある ...?」

ジ ン  「だから言ってだろうが ... スヌーピーなら知ってるってな」

男    「この野郎 ... ふざけやがって!」


         :男、今度はジンに殴る蹴るの連打 ---

         :やがてぐったりとなるジン -----


男    「(少し息を乱し)... さあ、どうだ? ... これでもまだ言う気にはなれねえか?
      ... 探偵さんよ」

ジ ン  「(苦しそうに)... ああ、もったいねえな ... せっかくのタバコが台無しだ ... 」

男    「テメエの命は、もったいなくねえのか?」

ジ ン  「何だと ...?」


         :男、ピストルをジンのこめかみに突きつける ---

        SE:ピストルのセット音 -----


男    「ロシアンルーレットは、好きか?」

ジ ン  「ああ ... 悪いが、あまり好みじゃないな ... 」

男    「そうか ... それは残念だ」


        SE:引き金を引く音 --- 空音


ジ ン  「 ... 」

男    「だが ... 」


        SE:ピストルのセット音 -----


男    「なかなかスリルある、遊びだぜ ... 」

ジ ン  「 ... たしかに冷汗もんだな ... 」


        SE:引き金を引く音 --- 空音


男    「引き金を引くたびに ... 」

         
        SE:ピストルのセット音 -----


男    「ゾクゾクさせてくれる ... 」


        SE:引き金を引く音 --- 空音


男    「それがたまらなく ... 」


        SE:ピストルのセット音 -----


男    「快感なんだ ... 」


        SE:引き金を引く音 --- 空音


男    「どうだ? 探偵さんよ ... 」


        SE:ピストルのセット音 -----


男    「最高の気分だろ ...?」


        SE:引き金を引く音 --- 空音


ジ ン  「なかなかのもんだぜ ... だがちょいとばかり、心臓に悪いな ... 」

男    「その心配は無用だぜ、探偵さんよ ... その心臓を今、止めてやるからな」


        SE:ピストルのセット音 -----





posted by マスターの知人 at 00:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | ストーリー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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