2012年08月12日

anecdote / 雨色のレシピ File-U -Page:3-








         :走る車の車内 -----


ジ ン(Na) あの病院の優秀な看護婦さんとの会話で、更に細かい情報を仕入れた俺は
     診察を受ける事を条件に、急患で運び込まれた『額に大きなホクロ』のある男の
     住所を聞き出した ---

     色男が成せる技か ... はたまた情緒不安定なこの俺への、あの看護婦の優しい
     心遣いなのか ---

     ちなみにその約束どおり、俺は神経科の診察を受けてみた ...
     医者の色んな質問に適当に答えてたら、情緒不安定というよりも躁鬱の兆候が
     あると言われ、出来ればしばらく通院をとアドバイスされた ---

     俺はバカバカしくなり、言ってやった ...
     金欠病が治ったら、その時には ... と -----


        SE:とあるマンションの前 --- 車の停車音

         :ドアが開き、ジンが降りる -----


ジ ン  「ここか ... 」


         :靴音が鈍く辺りに響く、マンション内 ---
         :やがて靴音が止まり -----


ジ ン  「ここだな ...」


         :ゆっくりとドアのノブを回すジン -----


ジ ン  「ン ...?」


         :ドアが開く -----


ジ ン  「先客がいるのか? それとも ... 」


         :ジン、用心深く部屋へ入る ---
         :次の瞬間、部屋のハト時計が時を告げる -----


ジ ン  「! ... ハト時計だけに、ハッとさせるな ... ああ、くだらねぇ ... 」


         :リビングへ入ったその時 ---
         :電話が鳴る --- 電話を見つめるジン ---
         :やがて留守番録音に切り替わり、スピーカーから受話器の声が -----


男    「そこにいるんだろ ... 」

ジ ン  「! ... (咄嗟に受話器を取り)いたらどうなんだ!」

男    「あの女には近づくなと言ったはずだ ... 
      命が惜しければ今すぐに手を引け ...!」

ジ ン  「お前は誰だ?!」


         :電話が切れる ---
         :繰り返し流れる通信音 ---
         :ジン、受話器を置き -----


ジ ン   「フッ ... 誰だと聞いて答える奴は ... 中々いねえか ... 」





タグ:電話
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2012年08月11日

anecdote / 雨色のレシピ File-U -Page:2-








        SE:街に響く救急車のサイレン音 -----


ジ ン(Na) サンドリオンの店先で、またもや命を狙われた俺 ---

     間一髪のところで命拾いはしたものの ... 危ないところだった ---
     当然、襲ってきた奴を捕まえられるわけもなく ... 正体も不明のまま ---

     これで2度目 ...
     どうも今度の仕事に関わってからというもの、やたら身辺が賑やかになった
     もんだ...
     ある意味、人気者だな ... でもどうせならもっと楽しい方がいいんだが ---
     
     そんなことを考えながら ...
     俺は並んで走る救急車と同じ目的地に到着した -----

     「ン? スピード出し過ぎだったかな ... 」


         :北野病院前 ---

         :救急車が止まり、救急患者が運び込まれる ---
         :病院内の雑踏 ---
         :その中で、受付の看護婦にジン何が尋ねている -----


ジ ン  「失礼 ... ちょっと聞きたいんだが ... 」

看護婦  「はい?」

ジ ン  「急患で運び込まれた人の事は、ここで聞けばわかるのかな」

看護婦  「いつ頃のことですか?」

ジ ン  「ちょうど3日前 ... 」

看護婦  「3日前ですか ... それでその方の名前は?」

ジ ン  「名前? 名前は確か ... 悪いな ... 忘れたよ」

看護婦  「はあっ?」

ジ ン  「いや、だから ... 忘れたんだよ。最近物忘れがひどくてね ...
      ただ、男だってことはだけは確実なんだ」

看護婦  「その日は、男性だと2名の方が運び込まれましたが ... 」

ジ ン  「2人いるのか ... で、どんな風だった? その2人ってのは」

看護婦  「それより、あなた一体何なんですか?」

ジ ン  「ン ... ?」

看護婦  「いきなり3日前の急患の亊、色々と聞かれるなんて ...
      ひよっとして ... 警察の方ですか? 」

ジ ン  「まさか ... 」

看護婦  「ですよね ... そんな風には見えないもの ... 」

ジ ン  「じゃ、どんな風に見えるってのかな」

看護婦  「そうね ... ちょっとした患者さんかな ... 」

ジ ン  「患者 ... ?! この俺が?」

看護婦  「それも神経科へ来た、軽い情緒不安定の」

ジ ン  「なんってこった ... 」

看護婦  「さあ、受付はこちらですから、私と一緒に来てください」

ジ ン  「おいおい ... 冗談キツイぜ ... 俺はただ」

看護婦  「ただどうしたんです?」

ジ ン  「だから3日前にここへ運び込まれた男のことで ... 」

看護婦  「お1人の方はここへ来て間もなく亡くなられました ... 」

ジ ン  「死んだ ... ?! で、もう1人の方は?」

看護婦  「昨日、退院されました」

ジ ン  「退隠した...? その男の額に、大きなホクロはなかったかな?」

看護婦  「大きなホクロ ... そういえば確か額にホクロが ... 」

ジ ン  「そうか ... ホクロがあったか ... 」

看護婦  「そんなことより、診察はどうするんですか?」

ジ ン  「そうだな ... この際、金欠病でも診てもらおうかな ... 」

看護婦  「金欠病 ...?! 」





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2012年08月10日

anecdote / 雨色のレシピ File-U -Page:1-








         :サンドリオンの店内 -----

         :ジンとマリコ、そして佐山がいる -----


ジ ン  「経緯はわかった ... 早速調べてみよう ... 」

マリコ  「お願いするわ ... 」

佐 山  「しっかり頼んだぞ」

ジ ン  「さすがに弁護士だけあって、口数が多いんだな」

佐 山  「何を ...!」

マリコ  「佐山さん ...!」

佐 山  「は、はい ... 」

マリコ  「それじゃ私はこれで...
      何かあったら、ここへ連絡をくれればいいわ ... よろしくね」

ジ ン  「わかった ... 」

マリコ  「ごちそうさま、マスター ... 」

マスター 「ありがとうございました ... 」

マリコ  「今度また、寄せて頂くわ ... マスターのカクテルは逸品だから ... 」

マスター 「恐れ入ります ... またのお越しを、お待ちしております ... 」

マリコ  「おやすみなさい ... 」

マスター 「お気をつけて ... 」


        SE:ドアの開く音 -----


マリコ  「 ... また降り出すかもしれないわね ... 雨」



 --- ナレーション それは静かに始まった .....
          雨色のベッドに横たわる街が
          軽い寝息を立てる中で ---

          それは静かに始まった .....
          その姿を琥珀色に変えた夜の海が
          波打ち際で囁くように ---

          そしてそれは、静かに始まった .....
          グラスの中でカクテルを彩る氷のような
          冷たく妖艶な輝きに誘われて -----



ジ ン  「それにしても、様にならんな ...
      携帯電話持ってながら、料金滞納で使えないなんてのは」

マスター 「いいえ ... 様になってましてよ ... ジンさんの場合は」

ジ ン  「(軽く笑い)マスターも中々どうして ... 含蓄あるセリフ、口にするんだな」

マスター 「 ... 恐縮です」

ジ ン  「お蔭でこの前金の使い道を、早速思いついた ... 」

マスター 「使い道をですか ...?」

ジ ン  「電話代を払うってことさ」

マスター 「確かに ... いの一番の使い道ですね ... 」


         :店内の電話が鳴る ---
         :マスター、受話器を取る -----


マスター 「はい、サンドリオンでございます ...
      --- --- はい、いらっしゃいます。しばらくお待ちください ...
      (ジンに)男性の方から、お電話ですが ... 」

ジ ン  「ありがとう ...
      (受話器を取り)もしもし、加納だが ...
      --- ウン ... --- ウン ... そうか ... わかった。
      じゃ、今度会った時に礼は弾む。... それじゃな」


         :ジン、電話を切る -----


ジ ン  「今の電話で、早速情報が舞い込んできたよ」

マスター 「それなりのお友達がいらっしゃるんですね」

ジ ン  「なーに、警察時代からの子飼いの男がいてね ... そいつの情報は中々のもの
      なんだ ... 」

マスター 「そうでしたか ... 」

ジ ン  「現にちょうど3日前、北野の救急病院にそれらしい男が担ぎ込まれたらしい ...
      早速出掛けてみるとするかな」


         :ジン、グラスを一気に空ける -----


ジ ン  「それじゃマスター ... 行くよ」

マスター 「お気つけて ... 」

ジ ン  「夢のようだね ... マスターにそんなセリフ言ってもらえるなんてのは」

マスター 「(含み笑い)夢でしたら、こんなに優しくはなかったのでは ...?」

ジ ン  「(微かな笑い)確かに、そうだったな ... 」


         :ジン、店を出る --- ドアの閉まる音
         :マスター、カウンターを片付けようとして
          ジンの忘れものに気が付く -----


マスター 「 ... ジンさんの携帯電話 ... 」


         :マスター、急いで店の外へ -----


マスター 「ジンさん! お忘れ物です!」

ジ ン  「(立ち止まり)... ン?」


         :その時、ジンに向かって猛スピードの車が -----


マスター 「ハツ! ... 危ない ...!」


        SE:車のスリップ音 -----





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2012年08月08日

anecdote / 雨色のレシピ File-T -Page:final-








         :探偵の事務所 -----


マスミ  「最高の贈り物でしたね、先生」

ジ ン  「そうだな。それなりに愛情がこもったモノだったな ... 」

アサミ  「その愛情を、トイレで爆発させたってところが憎いですよね」

ジ ン  「意味あり気だな、そのセリフは ... 」

アサミ  「何かしら匂ってくるってことですよ」

ジ ン  「 ... なるほど」

アサミ  「おまけに ... こんな意味深なメッセージもありましたからね」


         :ジン、アサミから一枚の紙切れを受け取り -----


ジ ン  「『長生きしたいのなら、あの女とは関わるな ... 』か ... 」

アサミ  「あの女って ... いったい誰のことなんですか? 先生」

ジ ン  「あの女 ... 」

アサミ  「この際言っときますけどね ... 私、先生の色恋沙汰に巻き込まれて、たった
      一度しかない人生を棒に振るて、まっぴら御免ですからね」

ジ ン  「そうか ... あの女、か ... 」

アサミ  「何で私が先生と心中しなきゃいけないのよ ... ホント、バカバカしい ... 」

ジ ン  「そうか ... そういう亊か ... 」

アサミ  「どういう事なんですよ、一体!」

ジ ン  「身に覚えが、いくらでもあるって事さ」

アサミ  「エッ ... ?!」

ジ ン  「ちょっと出かけてくる ... あと頼むな」

アサミ  「アッ、先生!」


         :ジン、慌てて事務所を出て行く -----


アサミ  「もう! いつもこうなんだから!」




         :サンドリオンの店内 -----


マリコ  「マスター ... もう一杯、頂けるかしら」

マスター 「 ... かなり、お強いんですね」

マリコ  「そうじゃなくてよ ... このカクテルが、私にオーダーさせるのよ」

マスター 「カクテルが、オーダーを ...?」

マリコ  「そう ... 『血まみれの女王』とも呼ばれるこのカクテルの由縁が、私に
      オーダーさせるのよ」

マスター 「由縁が、ですか ... 」


         :マスター、カクテルを作り出す -----


佐 山  「 ... 奴は戻って来るんでしょうか ... 」

マリコ  「彼しかいないのよ ... この仕事を依頼できるのは。
      だから当然 ... 戻って来てもらわなければ困るのよ ... 」

佐 山  「しかし、万が一 ... 」

マリコ  「心配いらないわ ... 大丈夫」

佐 山  「マリコ様 ... 」

マスター 「お待たせいたしました ...(グラスを置く)」

マリコ  「ありがとう」


         :マリコ、グラスのカクテルをマドラーで
          ゆっくりとステアしながら -----


マリコ  「佐山さん ... 」

佐 山  「はい ... 」

マリコ  「さっきも言ったでしょう ... 私のレシピは完璧だって」


         :ドアの開く音 -----


マスター 「! ジンさん ... 」

マリコ  「ほら、ごらんなさい ...(微かな笑い)ウフフフフ ... 」

ジ ン  「どうやらアンタとは、縁がありそうだな ... 」

マリコ  「縁 ...?」

ジ ン  「アンタの仕事 ... 引き受けさせてもらうよ」

佐 山  「どういう風の吹き回しなんだ」

ジ ン  「簡単なことだ ... 売られたケンカを買ったまでさ」

マリコ  「そう ... それじゃ改めてあなたにお願いするわ ... その前に、これを」


         :マリコ、バッグから札束を出し、カウンターに置く -----


ジ ン  「前金か ... 随分、羽振りがいいんだな ... 」

マリコ  「主人を見つけ出してくれれば、更に報酬は弾むわ」

ジ ン  「よほど大事な亭主なんだな ... これだけの札束積んで捜しだしたいとは」

佐 山  「余計な口は叩かんでいい。それより仕事の話だ」

ジ ン  「その前に ... タバコ1本、いいかな」

佐 山  「なんて奴だ ... 」

マリコ  「どうぞ ...(タバコを差し出す)」


         :ジン、タバコをくわえ火を点ける ---

         :ジッポーの音 -----



マスター(Na) バーボンの琥珀色が似合う男と ...
      赤く染まるカクテルが似合う女 ...
      この二人の出逢いから、それは始まった -----

      この季節の静かな雨の夜を舞台に -----


        SE:静かな雨音 -----





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2012年08月07日

anecdote / 雨色のレシピ File-T -Page:5-








         :探偵の事務所 -----

         :一人の女性が電話の応対をしている -----


アサミ  --- だから今、先生はいないんですよ!
     --- そうそう、仕事なんですよ、仕事! 2、3日したら帰って来ますから
       それぐらいにまた連絡ください。
     --- はい ... はい ... そうです。それじゃ、どうも。


         :電話を切るアサミ -----


アサミ  「フーッ ... 疲れるわ、ホントに ... もうこれで7本目よ、取り立ての電話。
      何で私がこんな電話の対応しなきゃいけないのよ ... 」


        SE:また電話が鳴る -----

         :受話器を取るアサミ -----


アサミ  「はい、こちら ...
      何度言ったらわかんのよ! 先生は今いないって言ってるでしょ!
      もういい加減にしてよ!」


         :アサミ、腹立たしく電話を切る -----


アサミ  「もうーッ、ヤダー! 何でこうなのよ! 私はこんな電話の対応するために
      ここにいるんじゃないんだからね! ... まったくもう、先生ったら!
      どこほっつき歩いてんだか ... 
      帰って来たらタダじゃ済まされないんだから!」


         :その時、事務所のドアが開く -----


アサミ  「何よ、今度は押しかけてきたの! 先生はいないって言ってるでしょうが!」

ジ ン  「じゃ、ここにいるのは、一体誰なんだよ」

アサミ  「先生 ... ?!」

ジ ン  「なにヒステリックになってるんだ? もっと淑やかに振る舞えないのかよ
      お前って女は」

アサミ  「よくもまあそんなこと言えますね、先生。誰のせいでこんな状態になってると
      思ってるんですか!」

ジ ン  「誰のせいなんだ?」

アサミ  「よくもまあシラフで、そんなことが言えますね!」

ジ ン  「残念 ... それがシラフじゃないんだな、これが」

アサミ  「もう! いい加減にしてください、先生!」


         :その時、ドアチャイムが鳴る -----


アサミ  「ほら来た ... 今度こそ私、知りませんからね。自分で何とかしてくださいよ
      先生」

ジ ン  「そんな冷たいこと言うなよ ... 」

アサミ  「私は知りません」

ジ ン  「アサミ ... 」


         :再び、ドアチャイムが鳴る -----


ジ ン  「なあ ... 今度また、サンドリオンへ連れてってやるから ... 」

アサミ  「(突然、嬉しそうに)ホントに?! 先生!」

ジ ン  「約束する」

アサミ  「ならいいわ ... 出てあげましょう」


         :アサミがドアを開けるが、人影はなく --- 小包が置いてある


アサミ  「あれ?  ... おっかしいなぁ ... ン? 何これ ... 」

ジ ン  「どうした?」

アサミ  「誰もいないんですよ ... その代わり、こんな物が ... 」

ジ ン  「珍しいな ... 持ってかれるばっかりで、もらう物なんかタバコ以外、何も
      なかったのにな ... 」

アサミ  「でも一体、誰が ...?」

ジ ン  「それはこの中身が、教えてくれるだろう ... 」


         :ジン、小包を開けようとする --- その時、微かな秒針の音が


ジ ン  「ン? これは ...?!」

アサミ  「エッ?! まさか ... 」


         :秒針の音 --- 爆発音





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