2012年07月29日

épisode / シンデレラ イマージュ part-V -scene:3-







         :サンドリオンの店内 -----



イツカ  「あれは6月の終わりだった ...
      それまで何度かすっぽかされてたけど、久しぶりにユウとゆっくり会えた日の
      ことだった ...
      午前中に海洋博物館の前で待ち合わせ ... その日は生憎の梅雨空だったけど
      遠くにユウらしき姿を見つけ、顔を見た瞬間から気分はもうハイテンション。
       ... 久しぶりの真面なデートだったから、私何かとはしゃいじゃって、海洋
      博物館の、どこをどう回って何を見たのか、全然覚えてなかった ...
      ただ ... 以前マスターに、今度は彼を連れて来るって言ったから、その事が
      少し気になってたんだけど、何しろお昼間のことだったんで、ここへは寄れな
      かった ...
      覚えてました? マスター、そのこと」

マスター 「そうですね ... 確かにそうおっしゃられてましたね ... 」

イツカ  「ごめんなさいね、マスター」

マスター 「いいえ ... どんでもございません」

イツカ  「 ... それから南京町で食事して、三宮まで街ブラ ... その頃に少し雨が降り
      出したけど、私は全然気にならなかった ...
      三宮からポートライナーでポートピアランドまで足を延ばして、後はお決まり
      のデートコース ...
      ワーワーキャーキャーで、久しぶりに無邪気な子供の頃に戻ったように、無心
      になって遊んでた ...
      ホント、楽しかったなぁ ... あの時は。
      ... でも、夕暮れ時にはそれまでの小雨が本降りの雨に変わりだし、帰りの
      ポートライナーの窓越しの水滴が、流れるようにガラスの上を伝うのを見て、
      私 ... 妙な淋しさを感じてた ...
      今から思えばあの時の雨が、私の心、そのものだったのかも ... 」


         :女、カクテルをゆっくりと一口 -----


マスター 「心の雨 ... 」

イツカ  「いつもだったら ...
      軽く飲んで食事するのに、その日はそこで別れようなんて言われて ...
      私は納得出来なかったんだけど、どうしても行かなきゃならないからって
      さっさとユウは帰っちゃった ...
      私、いきなり行く宛がなくなっちゃって途方に暮れてたら、突然目の前に女性
      が現れて、一言 ... 「いつまで人の男といちゃついてるつもりなの」って ...
      それで次の瞬間、彼女の右手が私の頬を打った ... 」


         :雨の音 -----


イツカ  「 ... 彼にとっての浮気相手は ... 私自身だったんです ... 」





posted by マスターの知人 at 00:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | ストーリー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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