2012年07月21日

épisode / シンデレラ イマージュ part-U -scene:1-






マスター(Na) いつものように夜の帳に街が抱かれ、海が眠り、時の流れが一日の
      終わりを告げる頃 ... 午前0時
      そんな時間を、ここバールサンドリオンで向かえることもなく、その
      女性はまた例の如く、ドアの向こうに消えて行かれました ...

      そう ... 彼女です ...

      いつも同じ時間にお見えになられては、きまって午前0時には帰って
      しまわれるとういう、白いドレスに身を包んだ、可憐で清楚な可愛い
      女性 ...
      例えればそれはちょうど、シンデレラのようなイメージが漂う女性 ...

      今宵は ... そんな彼女のお話を、皆様にご紹介したいと思います。

      ... 今夜、このお店に来られたその彼女の最初の言葉は ...
      こんなセリフで始まりました .....



        SE:ドアの開く音 ---


イツカ  「マスター ... 私、またすっぽかされたみたい。まいったなぁ ... 」

マスター 「え ... また、ですか ...?」

イツカ  「そうです ... また。
      ここんところ二度ほど続いてたから、今夜こそ来るだろうと思って
      たのに ... ユウの奴、しっかりと私の期待を袖にしてくれた ...
      くそーっ ... 」

マスター 「今夜はいつになく、ご機嫌斜めなんですね ... 」

イツカ  「斜めどころか、もう直角って感じです」

マスター 「(少し笑い)それはかなりのものですね」

イツカ  「そりゃそうですよ。
      だって私、ついさっきまで三宮の駅で待ってたんだもん ... 」

マスター 「ついさっきまで ... ?」

イツカ  「10時頃かなぁ ... 」

マスター 「それで一体、何時に約束されてたんですか?」

イツカ  「8時」

マスター 「8時って ... それでは ... 」

イツカ  「そう。たっぷり2時間もただ漠然と彼を待ってたわけ ...
      あー ... 2時間もあれば気の利いた映画一本も見れるたのになぁ ...
      ユウの奴め、ホントにもう ... 」

マスター 「でも、よく2時間もお待ちになられましたね ...
      普通なら、30分ぐらいが限度でしょうに ... 」

イツカ  「そうかな ...
      私の場合、1時間は絶対待つけどなぁ ... 」

マスター 「1時間、ですか?」

イツカ  「そう ...
      だって正直言っちゃうと、待ってること自体がもう楽しいんですもの」

マスター 「待ってることが?」

イツカ  「今日は何を話そうかとか、あそこで食事しようとか ...
      あれこれ色々と考えてたら、1時間ぐらいすぐに経っちゃう ...
      だから私の場合、やっぱり2時間ぐらいが限度かな ... 」

マスター 「でも2時間待たれて、彼がいらっしゃることがあるんでしょうか?」

イツカ  「ほとんどない ... けど、たまにあるんです ...
      5回に1回ぐらいの割合で ... 」

マスター 「5回に1回ぐらい ...?」

イツカ  「でも来てくれた時は私、ホント、ハッピーな気持ちになる ...
      (無邪気に笑う)ウフフフフ ... 」

マスター 「彼はお幸せな男性ですね ... 」

イツカ  「エッ ... ?」

マスター 「お客様のような女性がそばにいらっしゃって ... 」

イツカ  「それは違いますよ、マスター」

マスター 「エ ... ?」

イツカ  「私が幸せなんですよ ... 彼のそばにいられて ... 」





posted by マスターの知人 at 00:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | ストーリー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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