2012年07月18日

épisode / シンデレラ イマージュ part-T -scene:4-






         :サンドリオンの店内 -----       


イツカ  「彼の友達がここを教えてくれたの。
      すごくいい店だから、今度ユウと二人で行けって」

マスター 「ユウ ... ?」

イツカ  「ああ、ごめんなさい ... 彼の名前なんですよ、ユウって。
      優秀の優、優雅の優の一文字書いて、ユウなんですよ」

マスター 「きっと、優しい方なんでしょうね」

イツカ  「そうだと思うんだけど ... 実際どうなのかなぁ ... 」

マスター 「意外なお返事ですね、それは」

イツカ  「ウン ... わたしもそう思う ...
      だけどホントのところ、私にもよくわからない ... ユウのことは」

マスター 「この世で一番好きな人のことなのに、ですか?」

イツカ  「そう ... この世で一番好きな人だから ... わからない」

マスター 「それでも好きなんですか ... 彼のことが」

イツカ  「それだから好きなんですよ、ユウのことが ... (照れ笑い)えへへへへ ... 」


         :女、カクテルをゆっくりと一口飲む ---
         :グラスに揺れる氷の音 -----


イツカ  「私、前に友達から聞いた方法で、彼に手紙を送ったことがあって ... 」

マスター 「友達から聞いた方法 ...?」

イツカ  「宛先は何も書かずに、手紙の差出人のところに送りたい人の住所を書く ...
      それだと切手を貼らなくても返送されるから、ちゃんと送りたい人の所に
      届く ... 学生の頃だったかな、あれは ...
      私、そんなラブレターが好きだった ...
      ユウはその手紙の差出人を私だとわかってくれた ...
      私には、それがすべて ...
      それだけで私はユウのことが、この世で一番好きになった ... 」

マスター 「宛先のないラブレター ... 彼はよくイツカさんだとわかりましたね ... 」

イツカ  「そう思った ... 私も。でもその、宛先のないラヴレターが私だとわかって
      くれたことで、満足なの。
      ねえ 、マスター ... 私っておかしいかなぁ ... 」

マスター 「いいえ、とんでもない ... むしろ素敵ですよ、とても」

イツカ  「マスターにそう言われると、嬉しくなっちゃうな、私。
      (無邪気に)うふふふふ ... 」

マスター 「それで ... 何時にお待ち合わせされたんでしょうか、その彼氏とは」

イツカ  「確か ... 11時だったかな ... 」

マスター 「11時 ... それだとかなりの遅刻ですね、彼氏は」 

イツカ  「そうだよね ... もうこんな時間だものね ... 」

マスター 「よろしいんですか、このままで」

イツカ  「 ... いいんです、このままで ... いつものことですから ... 」

マスター 「いつものこと ...?」

イツカ  「そう ... いつものこと。
      きっと今夜は ... もう来ないと思うんですよね ... 」

マスター 「エ ...?」




posted by マスターの知人 at 00:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | ストーリー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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