2012年07月15日

épisode / シンデレラ イマージュ part-T -scene:1-



バーテン(Na)今宵もまた皆様に ...
       マスターから聞かされました
       海岸通りの頃のお話を
       ご紹介したいと思います -----

       それはちょうど ...
       この店の名と同じようなイメージを持つ
       ある一人の女性のお話でした -----






マスター(Na) 午前零時のここサンドリオンには、夜ごと様々な方がグラスを傾けて
      いらっしゃいます ...

      その日の出来事にため息まじりのOLの方や、アバンチュールに浸るミセス
      の方 ... そして甘く危険な香り漂う、静かなる紳士 ...
      それぞれのグラスの中に、様々な想いを浮かべながら、ここカウンター越しに
      ひと時の夜を過ごされています ...

      そんなお客様の中に、たったお一人だけ ...
      いつも同じ時間にお見えになられは、決まってこの時間 ... 
      つまり、午前零時にはお帰りになれらる女性がいらっしゃいます ...
      つい最近、お見えになられるようになったお客様で ...


         :微かな波の音 -----


      白いレスに身を包み、可憐で清楚なイメージを漂わせる、可愛い女性 ...
      そう ... たとえばそれはちょうどシンデレラのような .....


        SE:波の音にまぎれて ---
         :ゆっくりとしたヒールの音 ---
         :その足音に合わせながら -----


女    「来る ... 来ない ... 来る ... 来ない ... 来る ... 来ない ... 」


         :ヒールの音が止まり -----

女    「ン ... ? サ・ン・ド・リ・オ・ン ... ここだ ...
      ということは、ここまでね ...
      中途半端なところで終わっちゃったな ... ま、いいか。
      えーっと(腕時計を見て)... 時間はちょうどいい頃かも。
      よーし ... 」


         :店のドアを開ける -----


女    「こんばんは ... 」

マスター 「いらっしゃいませ、ようこそ ... 」

女    「わぁ ... 感じのいいお店 ...それに色んなお酒が ... すごーい ... 」

マスター 「ありがとうございます ...
      初めていらっしゃったご様子ですね ... こちらへは」

女    「はい ... 今夜が初めてなんです」

マスター 「ようこそいらっしゃいました ... 光栄です」

女    「いいえ、とんでもありません ... こちらこそ光栄です。
      こんな素敵なお店に出会えて」

マスター 「さあどうぞ ... こちらの方へお掛け下さい ... お客様」

女    「お客様って ... ? ああ、わたしのことですか... 」

マスター 「はい ... 」

女    「何だかそんな風に呼ばれるとピンとこないもんですね ... 」

マスター 「そうでしょうか ... 」

女    「私の場合、特にそうなんですよ。お客様だなんて、似合わない ... 」

マスター 「それでは ... どうお呼よびすればよろしいでしょうか ...? お客様場合は」

女    「そうだな ... 単純に名前で呼んでください、名前で」

マスター 「お名前?」

女    「そう、名前で」

マスター 「では失礼ながら ... そのお名前は何と ... ?」

女    「私の名前は ... アキモト、イツカ ... イツカっていうんです」






posted by マスターの知人 at 00:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | ストーリー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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