2012年07月08日

épisode / 6oz.(オンス)の告白 -scene:2-






         :サンドリオンの店内 -----       


女    「私にとってのオアシスか ... 確かにそうかもしれないな ... 」

マスター 「確か初めてここへいらっしゃった夜も、そのカクテルをご注文されたように
      記憶しておりますが ... 」

女    「そうだった、かな ... 確かあの時は ... 」

マスター 「あの時も ...
      今夜のようなイメージを、漂わせていらっしゃったようですが ... 」

女    「そう ... あの時もそうだった ... 今と同じようなピリオドだったものね ... 」

マスター 「ピリオド ... ?」

女    「振られたんですよね、私。あの時も ... そして今夜も」

マスター 「そうでしたか ... 」

女    「でも ...
      ホントのところは、私から振られるように仕向けてるのかもしれない ... 」

マスター 「ご自分から、ですか ...?」

女    「そう ... 自分から ... それも無意識にね ... 」

マスター 「無意識に ... どうしてそうなんでしょうか ...?」

女    「多分、今でも追いかけてるからですよ ... 彼のことを」

マスター 「彼のこと ... 」

女    「あれからもう3年も経つのに ...
      心のどこかにまだ、彼の面影が隠れているようなんですよね ... 」

マスター 「面影、ですか ... 」

女    「二重の優しい目や薄い唇 ... 今でも耳に残るあの声やジョーク ...
      どれだけ時間が流れても、昨日会ったばかりのように、私の中で
      彼の全てが息づいてる ... 」

マスター 「今でも、その彼氏のことを ... 」

女    「そうですね ... 多分 ... きっと」

マスター 「では ... 出来ればもう一度、お会いになられてみては ... 」

女    「会いには行ってるんですよ、何度かは ...
      でも駄目なんですよね ...
      私が何を話しかけても、どんなにすがっても、彼は黙ったまま ...
      何も言ってくれないんです ...」


         :女、カクテルをゆっくりと一口 -----


マスター 「失礼ですが ... その彼というのはまさか ... 」

女    「 ... そう ... そこのカクテルの由来通りに、この世にはもういない
      人なんです ... 」




posted by マスターの知人 at 00:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | ストーリー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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