2012年07月02日

épisode / 来夢来人 [ジン来夢/パール来人.part:X] -scene:2-






        SE:サンドリオン --- ドアの開く音


マスター 「いらっしゃいませ」

ジ ン  「こんばんは ... マスター ... 」


         :男、店内を見回し -----


ジ ン  「(独り言のように)まだ、来ずか ... 」

マスター 「どうかなさいましたか?」

ジ ン  「いいや、何でもないんですよ ... 何でも。
      ... それよりマスター、今夜はジン・ライムをお願いします」

マスター 「ジン・ライム ...
      お久しぶりにご注文されましたね、そのカクテルを」

ジ ン  「そう言われればそうかな ... ご無沙汰かも」

マスター 「以前はよく、オーダーされてましましたので」

ジ ン  「そうか ... 随分と久しぶりなんだ ... 」

マスター 「しばらくお待ちくださいませ ... 」


        SE:オールド・ファッション・グラスが用意され ---
         :2、3個のクラッシュドアイスが入れられる ---
         :そこへドライ・ジン(3/4)、ライムジュース(1/4)が注がれ
          軽くステア ---
         :スライスしたライムがグラスの縁にデコレートされる -----


マスター 「お待たせいたしました ... どうぞ」


         :グラスが置かれる -----


ジ ン  「 ... どうも」


         :男、グラスを少し揺らす --- 微かな氷の音 -----


ジ ン  「確か ... 前に言ってましたよね、マスター」 

マスター 「どういうことでしょうか?」

ジ ン  「ジンは心の熱まで冷やしてしまうお酒だって ... 」

マスター 「そうですね ...
      そんなことをお話したこともございましたね、確かに ... 」

ジ ン  「(ポツリと)やっぱりオレには、このジンがお似合いなのかもな ... 」


         :男、カクテルをゆっくりと一口 -----


マスター 「今夜もいつもとはまた少し ... 違ったご様子ですね ... 」

ジ ン  「ですね ... 今夜は違いますね ... かなり。
      きっと ... 今までここへ来た中で、こんな気持ちでいたことなんて一度も
      なかったような ...

マスター 「それは ... 」

ジ ン  「多分、最初で最後でしょうね ... こんな気持ちでここにいるのは」

マスター 「最初で最後の気持ち ... 」

ジ ン  「今夜はこのカクテルが、ボクの全てなんですよね ... 」

マスター 「ジン ... ライム ...が? 」

ジ ン  「そう ... だから今夜は、じっくりと飲んでいたいんです ...
      このカクテルの名前のように ... ボクの夢がやって来るまで ... 」





posted by マスターの知人 at 00:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | ストーリー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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