2012年06月25日

épisode / ジン来夢.part:W -scene:1-






        SE:微かな波の音 --- 海岸通りをゆっくりと歩く男
         :缶ビールのプルリングを開ける音 ---
         :ドアの開く音 ---
         :ビールを脱ぎ一気に半分ほど飲み干す ---


ジ ン  「(深いため息)フゥーッ ... 」


         :タバコを取り出し、ジッポーで火をつける -----
         :ゆっくりとタバコを一口喫う -----


ジ ン  (Na)今年になってから3度目のデートでマスミと喧嘩別れをした ...
       ささいなことが原因で、呆気ない出来事って感じだった ...
       でもその事がキッカケで、自分の気持ちの中で占める彼女の
       ウェイトの大きさに気付かされた ...


         :男、ゆっくりとタバコを一口 -----


       最初の頃は、他愛もないことと高を括り ...
       --- オレが悪かったんだから ... 素直に謝りさえすれば何とかなるだろうと
       そう思ってた。
       でも今回は、いつものようにそうあっさりとは戻れなくなっていた ...

       ... 何故ならそれは ... 彼女の心が、別の男を捕らえてたから ...

       あの時に渡すはずだったこの小指のリングも、今はその行き先を
       見失ったようで、今はただ淋しく光るだけ ...


         :ウミネコの鳴き声 -----


       彼女への想いは、あの店のマスターとのジッポーの賭けにゆだねるほど
       彷徨っていた ...

       そんな最中、マスミから連絡があった ---

       今週の金曜日 ... あの店で会いたいと ... その日は4年に一度の
       オレの誕生日 ... 2月29日 ...


         :男、残ったビールをゆっくりと飲み干す -----


       でも ... その連絡があった数日後 ... オレは見てしまった ...
       彼女が別の男といるところを ....


         :男、空になったビールの缶を握りつぶす -----


       様々な思いをめぐらせたまま迎えた約束の日 ...
       約束の店サンドリオンのカウンターにいたオレの心には、彼女に
       伝えるための、たった一言のセリフしか浮かばなかった ...
       それは ...


         :遠くで響く、汽船の音 -----  


       あの日 ...
       カクテルを二杯飲み、タバコを5本喫って待った、12時を差したままの
       時計があるサンドリオンというあの店に ...
       彼女は来なかった ...


         :ジッポーで火をつける音 -----


       マスミと会わなくなって、もう二ヶ月 -----






    
posted by マスターの知人 at 00:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | ストーリー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
blogramで人気ブログを分析 にほんブログ村 小説ブログ 脚本・シナリオへ
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。