2012年06月17日

épisode / パール来人.part:W -scene:2-






         :サンドリオンの店内 -----

        SE:グラスが置かれる音 -----


マスター 「どうぞ」

マスミ  「どうも ... 」


         :女、カクテルをゆっくりと一口 -----


マスター 「今夜もまた、いつもとは違ったカクテルを召し上がるんですね」

マスミ  「そう言われれば、そうですね ...
      このところ来る度に違うカクテル、口にしてますね、私 ...
      情緒不安定なんですよね、きっと ... 」

マスター 「それで今夜の気分は、そのカクテル ... ですか」

マスミ  「ポートフィリップ ...
      真っ赤なルビーポートをベースにしたこのカクテルが、今の私のためにある
      ような、そんな気がして ... 」

マスター 「それは ... どういう意味でしょうか ...?」

マスミ  「男を惑わす酒場の女 ...
      そんな意味合いが込められているのが、このワインの名前だって ... 」

マスター 「男を惑わす ... 」

マスミ  「昔、このカクテルを教えてくれた友人が、そう言ってました ... 」

マスター 「それで ... 今のご自分がそうだと?」

マスミ  「だってそう思いませんか ...
      私から逢おうって彼を誘っておきながら、自分でその約束を破ってるんです
      から ... 最低ですよね、私って女は ... 」


         :女、カクテルをゆっくりと一口 -----


マスター 「 ... どうなさったんですか、あの日の夜は ...
      かなりの時間、お待ちでしたのに ... 」

マスミ  「 ... 私 ... 彼と逢うのが急に辛くなって ... 」

マスター 「どうしてまたそんな風に?」

マスミ  「それまでの私は、とにかくあのグラスを渡そうと思って、彼と逢う決心して
      たんですよ ... 」

マスター 「それまでの私 ...?」

マスミ  「そう ... あの日が来るまでは、私、彼と逢うつもりだった ...
      逢ってとにかく、あのバカラのグラスをプレゼントしようと思ってた ...
      でも ... 」

マスター 「でも ...?」

マスミ  「私 ... 彼とここで逢う約束をしてから3日後に、あの人と会ってたんです ...
      その時に見かけたんです、彼を ... 」

マスター 「それで辛くなられた ... 」

マスミ  「別の人と会ってるところを彼に見られたんじゃないかと思うと、私 ... 」

マスター 「それでも彼はここへいらっしゃいました ... 全てを知りながらも」

マスミ  「エッ ... ?!」





posted by マスターの知人 at 00:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | ストーリー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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