2012年06月03日

épisode / ジン来夢.part:V -scene:1-






      長針短針 ... 彼と彼女 ---
      長針の刻む時の調べは
      短針が織りなす時間の模様 ---

      1秒 ... 1分 ... 1時間と
      過ぎては消えゆく時の運命 -----
      戻らない時間の流れを見送るよりも
      刹那に過ぎ行く瞬間を見つめている ----

      彼と彼女の二人の時間は
      今はまだほんの少し .....


         :サンドリオンの店内 -----

        SE:シェーカーで ---- シェークされる音
         :少し大きめのカクテルグラスが用意され
         :静かに注がれる -----


マスター 「お待たせ致しました ... どうぞ」

ジ ン  「どうも ... (軽く一口飲み)久しぶりのジンベースだな ... 」

マスター 「そうでしたか ... 」

ジ ン  「あの日、マスターに奨めてもらったマルガリータ以来、しばらくジンを口に
      してなかったもので ... 」

マスター 「それは ... 私の責任ですね ... 」

ジ ン  「とんでもない、と言いたいところだけど ... 実際、マスターのお蔭でジン以外の
      ベースでカクテルを口にするようになった ... でも感謝してますよ、ボクは」

マスター 「感謝 ... ?」

ジ ン  「そう ... ジンにこだわらくなったことで、今までとは少し違う意味でジンを
      味わえるようになった ... お酒にも、そして自分自身にも ...

マスター 「スピリッツとスピリットですか ... 」

ジ ン  「そういうことですね ... 」


         :男、カクテルをゆっくりと一口 -----


マスター 「いかがでしょうか ... お久しぶりのジンベースのカクテルのお味は」

ジ ン  「いいですね、やっぱりジンは」

マスター 「でも、クラブスタイルのカクテルをご注文されたのは、確か初めてでは ...?」

ジ ン  「そうです ...
      もともとこのカクテルは、食前のオードブルやスープの代わりに出されるもの
      ... それを出し抜けにオーダーするなんて ... センスないですね、ボクも」

マスター 「いいえ、決してそんなことは ... お好きな時に、ご自分で飲みたいカクテルを
      チョイスできる方は、素敵だと思いますが ... 」

ジ ン  「飲みたいカクテルをチョイスか ...
      マスターにそう云ってもらえると、救われますね ... 」


         :男、タバコを取り出し、ジッポーで火をつける -----
         :ゆっくりとタバコを喫いながら -----


ジ ン  「ところでマスター ...
      この間の、このジッポーでの賭けのことなんだけど ... 」

マスター 「もう一度、試されるおつもりだとか ... 」

ジ ン  「いいえ ...
      それより、なかったことにしたいんですよ ... あの賭けを」

マスター 「なかったことに?」





posted by マスターの知人 at 00:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | ストーリー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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