2012年05月29日

épisode / パール来人.part:V -scene:4-






         :サンドリオンの店内 -----      

        SE:二杯目のカクテルがジョイントされ -----


マスター 「お待たせいたしました ... どうぞ」


         :グラスが置かれる -----


マスミ  「どうも(軽く一口)...
      このグラスは、以前に私がフランスにいる友達に頼んでたもので、それが
      ついこの間、やっと私の所へ届いたんです。
      日本でもなかなか高価なものなんで ... それで直接、フランスから取り寄せ
      たいと思って ... 」

マスター 「そうでしたか ...
      確かにその『バカラ』のグラスは、世界でも超一流といわれるクリスタル ...
      その昔、ルイ十八世やヨーロッパ各国の国王、そしてフランスの歴代大統領は
      もとより、世界中の王侯貴族に愛されてきた、二百年以上の歴史と伝統を誇る
      ものですからね ... 」

マスミ  「さすがによく知ってますね、マスターは。
      でも、本当に綺麗なグラスだと思う ...
      クリアな透明感と美しい輝き ... それにこの規則正しい精密なカッティング。
      どれをとってみても隙のない超一流品だわ ... 」

マスター 「でも何故 ... このバカラのグラスが、もう一つの原因なんでしょうか ... 」

マスミ  「実はこれを ... ジンにプレゼントしようと思ってたんです ... 」

マスター 「プレゼント ... 」

マスミ  「来週の土曜日は ... 彼の誕生日なんです ... 」

マスター 「2月 ... 29日」

マスミ  「そう ... 彼は閏年の生まれで、4年に一度しか本当の誕生日がこないんです ...
      ... だから私にとっては、初めて彼の誕生日に祝ってあげられると思って ...
      それで ... 」

マスター 「お友達に頼まれた ... 」

マスミ  「それがよりによって今頃届くなんて ... 」


         :女、カクテルグラスを見つめながら -----


マスミ  「ちょうどこのカクテルのように ...
      私の心の中で今、彼とあの人が混ざり合ってるんです ... 」

マスター 「それで今夜はそのカクテル、なんでしょうか ...?」

マスミ  「エ ...?」

マスター 「『パナシェ』とういそのカクテルの名前は ...
      フランス語でちょうど ... 「混ぜ合わせた」という意味なんです ... 」





posted by マスターの知人 at 00:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | ストーリー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
blogramで人気ブログを分析 にほんブログ村 小説ブログ 脚本・シナリオへ
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。