2012年05月03日

épisode / パール来人.part:U -scene:3-






         :サンドリオンの店内 -----


マスミ  「飲酒運転ですか ... 鋭い比喩ですね、マスター」


         :女、少し残ったカクテルをゆっくりと飲み干し -----


マスミ  「同じもの、いただけますか」

マスター 「かしこまりました ... 」


         :ミキシンググラスに同じカクテルベースが注がれ、ステアされる ---


マスミ  「 ... 以前、仲のいい友達が結婚するって言ってたんですよ。
      もう3年ほど付き合ってたかな、あの二人 ... 」


         :グラスにカクテルが注がれる -----


マスミ  「周りの誰もが二人は絶対にゴールインすると思ってたし、彼は当然のこと
      ながら、彼女もいつからか、多分自分はこの人と一緒になるんだろうって
      そう思ってたらしんです ...」


         :レモンピールが加えられ -----


マスター 「他人事のような気持ちだったんですね、そのお友達は」

マスミ  「そうですね ... そうだったかもしれません」

マスター 「失礼致します ... どうぞ ... 」


         :グラスが置かれる -----


マスミ  「どうも ...(軽く一口飲み)
      ... でも、彼女はそれまでの成り行きで、そう感じてたようなんです」

マスター 「成り行き?」

マスミ  「結婚に至るまでのプロセス ... 雰囲気が彼女の気持ちにそう感じさせてた ...
      この人と一緒になるんだろうなって」

マスター 「惰性とは違うものですね ... それは」

マスミ  「そうだと思います ...
      だから、彼との結婚を真面目に考えだして、悩んだんだと思う ... 」

マスター 「どうしてでしょうか ... 」

マスミ  「彼自身のことよりも、結婚という雰囲気に酔ってる自分に気がついたんですよ
      彼女は ... 」

マスター 「酔っている自分 ... 」

マスミ  「彼と過ごす時間より、結婚を意識したその瞬間から始まったプロセスを過ごす
      時間の方が、彼女の心を捉えたんですよね ...
      結局彼女は、その甘い時間に酔ってしまったみたいで ... 」

マスター 「その彼女にとって憧れだったんでしょうか、そんな時間の流れが ... 」

マスミ  「かもしれません ...
      彼女はそのことに気がついてから、もう一度彼の存在を自分自身に問い
      かけたんです ... 」

マスター 「その答えは ... 」

マスミ  「 ... ええ ... それは、彼の一言で答えが決まったようでした」

マスター 「彼の一言?」

マスミ  「成り行きなんだよ、オレとお前は ... そう言われて彼女は決心した
      らしいんです」

マスター 「それで、お二人は ... 」

マスミ  「結局、一緒にはなりませんでした ... 」

マスター 「そうですか ... 」

マスミ  「マスター ... 」

マスター 「はい?」

マスミ  「それって ... 彼女もやっぱり、飲酒運転だったんでしょうか ... 」





posted by マスターの知人 at 00:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | ストーリー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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