2012年04月09日

épisode / ジン来夢 -scene:4-






          :サンドリオンの店内 -----


マスター 「彼女はご存じないんでしょうか ... この指輪のことを」

ジ ン  「ええ ... 何も話してませんからね ... というより、ここへ来る前に喧嘩別れ
      しちゃいましたから、夢にも思ってないでしょうね、きっと」

マスター 「だからいらっしゃらない、と ... 」

ジ ン  「そう ... ささいなことだったにですけどね ... ついカッとなっちゃって ...
      大人げないと言われればそれまでなんですけど、彼女の日頃の振る舞いが当然
      だと思ってただけに ... 自分の気に入らない態度とられると、ついつい素っ気
      ない態度とったり、邪険にしたりで ...
      今思えばあぐらかいてたんですよね、自分の気持ちに ... 」

マスター 「それは ... 反省でしょうか ... ?」

ジ ン  「そうなりますね ...
      さっきの含蓄あるマスターの時計の話に、自分にとっての彼女の存在が改めて
      はっきりしましたから ... 」

マスター 「彼女は本当にいらっしゃらないんでしょうか ... 」

ジ ン  「来ないと思います ... 絶対にね ... 」

マスター 「自信がおありのようですね ... 」

ジ  ン 「フ ... 哀しい自信ですね ... 」

マスター 「それでも、お客様だけはこのお店へいらっしゃった ... 」

ジ ン  「それジンが飲みたかったから ... 」
      ジンベースのカクテルが飲みたかったからです ... 」

マスター 「心底、ジンがお好きなんですね ... 」

ジ ン  「そうですね ... ボクの場合、自分の名前もジンですから ... 」


          :男、ゆっくりとグラスのカクテルを飲み干す ---
         SE:グラスの氷の音 -----


ジ ン  「同じやつ、ください ... 」

マスター 「 ... この際、お勧めしたいカクテルがあるんですが ... いかがでしょうか?」

ジ ン  「興味津々だな、マスターお勧めのカクテルだなんて。
      いいですね、お願いします」

マスター 「ありがとうございます ... では、早々に ... 」


         SE:スノースタイルのグラスに氷が入れられ ---
          :そいこへカクテルベースが注がれてシェークされる -----
          :カウンターに響くシェーカーの音 -----
          :やがてグラスに注がれる -----


マスター 「お待たせいたしました ... どうぞ」

ジ ン  「マスター、これは ... 」

マスター 「あえてジンベースは使いませんでした ... 」

ジ ン  「どうしてです?」

マスター 「そもそもジンは薬品として誕生しました ... 」

ジ ン  「そう、解熱剤として ... でもそれがなにか?」

マスター 「お客様がこれ以上ジンを口にされますと ... 
      心まで冷めてしまうのではないかと ... そう思いまして ... 」

ジ ン  「マスター ... 」





posted by マスターの知人 at 00:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | ストーリー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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