2012年04月05日

épisode / ジン来夢 -scene:2-






           :サンドリオンの店内 -----


ジ ン   「そういえば初めてかな ... 一人でここへ来るのは ... 」

マスター 「確か、そのように思います ... 」

ジ ン   「 ... 実は、彼女が見つけたんですよね、このお店」

マスター 「そうでしたか ... 」

ジ ン  「知り合って間もない頃、二人の中間点がちょうどこの辺りになるんで
      どこかいい雰囲気の店はないものかって探してた矢先に、彼女が最初に
      目をつけて、ボクを引っ張って来たのがここだったんですよ」

マスター 「それで気に入って頂けたと?」

ジ ン   「そうですね ... いつも小粋なジャズが流れてて、物静かで綺麗な
       マスターがいる ... その上カクテルの味も逸品とくれば、誰だって
       気に入りますよ」

マスター 「恐れ入ります ... 」

ジ ン   「特に彼女の場合は、マスターが気に入ってましたね。
       女が惚れる女性だと ... マスターはハンサムウーマンだって ... 」

マスター 「女名利につきますね ... 」

ジ ン   「ボクも同感ですよ、彼女の意見には ... 素晴らしい女性だと」

マスター 「それは問題発言ですね ... 」

ジ ン   「そうなるのかな ... 」


           :男、おもむろにタバコをくわえ火を点ける -----

         SE:ジッポーの音 -----

           :男、ゆっくりと一口喫う -----


ジ ン   「 ... マスター」

マスター 「はい ... ?」

ジ ン   「ボクがこうしてここに一人でいると、やっぱり不自然ですかね ... 」

マスター 「と、おっしゃいますと?」

ジ ン   「自分でもよく分からないけど ... 何かこうぎこちないっていうか ...
       正直言うと落ち着かないんですよね ... 折角マスターともこうして
       話しが出来たのに、話題も乏しくって ... 」

マスター 「私はそうは感じませんが ... 」

ジ ン   「今の自分を例えれば、そうだな ... 短針のない時計みたいなものかな」

マスター 「短針のない時計?」

ジ ン   「(少し笑って)結局、不自然ってことなんですよね ... 」

マスター 「理解しやすいたとえですね」

ジ ン   「なんか俺、支離滅裂だな ... 」

マスター 「それは仕方のないことかも知れませんね、今のたとえでおっしゃるのなら」

ジ ン   「エッ?」

マスター 「長針だけの時計では ... 今を知る術はありませんから ... 」

ジ ン   「今を知る術 ...?」

マスター 「彼女がいなければ、時を刻めないのでは ... 」

ジ ン   「時間を刻めない ... 」





posted by マスターの知人 at 00:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | ストーリー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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