再生できない場合、ダウンロードは🎵こちら
:サンドリオンの店内 -----
バーテン 「そういえば、お客様 ... いや、マリさんはジャズシンガーだと、マスターから
聞かされておりましたが ... 」
マ リ 「そんなこと言ったんだ、マスター ... 」
バーテン 「顔馴染みのお客様のことは、一通り ... 」
マ リ 「そっか ... そうなんだ ... 」
バーテン 「それでアドミラルに興味を持たれたのでは...?」
マ リ 「当たらずとも遠からずってとこね ... 」
バーテン 「それはどういう意味なんでしょう ... ? ...どうぞ(グラスを置く)」
マ リ 「だって私は今 ... 歌を忘れたカナリアだもの ... 」
バーテン 「歌を忘れたカナリア ...?」
マスター 「それで ... こちらへはお仕事で ...?」
藤 堂 「半分はそうだが ... あとの残りは ... 」
マスター 「残りは?」
藤 堂 「バカンスということで ... 」
マスター 「そうなんですか ... 」
藤 堂 「仲のいいフランス人によく言われた ... どうして日本人はそんなに働くのが
好きなのかと ... それで私はこう答えた ... 遊ぶのが下手だからと ... 」
マスター 「確かに ... そうかも知れませんね」
藤 堂 「だから私は遊ぶために仕事をする ... 自分の稼いだ金で思う存分に遊ぶ ...
何故なら、働きそして遊ぶということで、自分をリニューアル出来るからね」
マスター 「素敵ですね ... そいういライフスタイルも ... 」
マ リ 「リニューアル、か ... 」
バーテン 「マリさん ... 人の話を聞いてませんね」
マ リ 「エッ? なに? 何か言った? 今 ... 」
バーテン 「もういいです ... それより、また唄ってくださいよ、必ず」
マ リ 「 ... 」
バーテン 「マスターが云ってました ... マリさんの唄う 『Without You』は
最高だと ... 」
マ リ 「 『Without You』 か... 」
バーテン 「私にもいつか聞かせてください ... マリさんの歌声を」
マ リ 「そうね ... 唄うことを、思い出せたらね ... 」
バーテン 「 ... マリさん ... 」