2012年03月25日

Mémoires / 再 会 -scene:3-







          :サンドリオンの店内 -----



藤 堂  「ご無沙汰ですね ... 」

マスター 「お元気そうで何よりです ... さあ、どうぞ」

藤 堂  「どうも ... 」


         :藤堂、カウンターの席へ座る -----


マスター 「日本へはいつ ...?」

藤 堂  「私の背中から、まだ湯気が立ってませんか ...?」

マスター 「(少し笑い)相変わらずのご様子ですね ... 」

藤 堂  「褒め言葉として解釈しますよ、それは」

マスター 「仰せのままに ... 」


マ リ   「ねえ ...」

バーテン 「はい?」

マ リ   「あの男性は...?」

バーテン 「いいえ ... 存じ上げません。でも私が知る限りでは、多分 ... この店へは
       今夜初めてお見えになられた方だと思いますが ... 」

マ リ   「どうしてそう?」

バーテン 「あれだけマスターが親しくされてるのを見たのは、私も初めてですから」

マ リ   「へェーッ ... そうなんだ ... 」

バーテン 「それにしても、雰囲気のある男性ですね ... ナイスミドルって感じで ... 」

マ リ   「ナイスミドルか ... 」


藤 堂  「素敵なお店だな ... 想像以上だ ... 」

マスター 「ありがとうございます」

藤 堂  「静かで雰囲気もいいし ... 海外でもそうないな、こういう店は」

マスター 「そう言って戴けると、光栄です ... 」

藤 堂  「じゃ早速 ... 洒落たこのお店のカクテルでもいただこうかな ... 」

マスター 「かしこまりました ... では、何をお召し上がりになられますか?」

藤 堂  「そうだな ... それじゃ、アドミラルを」

マスター 「承知いたしました ... 」


        SE:シェーカーにドライ・ベルモット(1/2)とバーボン(1/2)
          そこへレモンジュース(1/4)が入れられシェークされる ---



マ リ   「アドミラル ... 初めて聞くカクテルの名前だわ ... 」

バーテン 「その昔 ... スィング・ジャズの王様であるベニー・グッドマンが考案したと云われる
       甘さを一切拒否した内容のカクテルなんです」

マ リ  「へェー ... さすがね、バーテンさん ... 」


藤 堂  「鮮やかなシェーキングだな ... 」

マスター 「お褒めに与り、恐縮です ... さあ、どうぞ ... 」


        SE:藤堂の前にグラスが置かれる -----


藤 堂  「どうも ... 」


マ リ   「フーン ... そうなんだ ... 何だか私もあのカクテル ...
       飲みたくなってきちゃったなァ ... 」

バーテン 「お作りいたしましょうか? お客様」

マ リ   「ね、そのお客様ってのはやめてくれる? マリでいいから」

バーテン 「あ、はい ... マリ、さん ... いかがいたしましょうか ...?」

マ リ   「そうね ... じゃ、お願いするわ ... 」

バーテン 「かしこまりました ... では、しばらくお待ち下さい ... 」


マスター 「いかがでしょうか? お味の方は ...?」

藤 堂  「彼に飲ませてやりたいよ ... 」

マスター 「エ ...?」

藤 堂  「きっと泣いて喜ぶだろうな ... 」

マスター 「それは ... 何方が、でしょうか?」

藤 堂  「ベニー・グッドマン、だね ... 」






posted by マスターの知人 at 00:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | ストーリー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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