2012年03月31日

Mémoires / 再 会 -recipe-






バーテン  今宵は「バール サンドリオン」へお越しいただき、誠にありがとうございました。 
     
      ではここで、今回登場いたしましたカクテルを、改めてご紹介させていただきます ...

      カクテルの名は『アドミラル / admiral』-----

      語源は「海軍の提督」と云う意味で、このカクテルにはヨーロピアン・スタイルと
      アメリカン・スタイルがあり、前者はドライ・ジンとチェリー・ブランデーを使い
      後者はドライ・ベルモットとバーボン・ウイスキーが使われます。

      そもそもこの「アドミラル」というカクテルは ... スィング・ジャズの王様である
      「ベニー・グッドマン」が、アメリカの「エスクァイア」誌の依頼に応じて考案された
      カクテルで、使用するお酒はすべて甘さを拒否したものばかりです ...

      そのレシピは ...
      ドライ・ベルモット(1/2)とバーボン(1/4)、それにレモン・ジュース(1/4)を
      シェークして、カクテルグラスに注ぎます ...
      最後に仕上げとして、レモン・ピール(1片)を絞れば出来上がりです。

      レモンの香りを漂わせながら、ドライな口当たりであるこの「アドミラル」は
      大人のカクテルとして静かに親しまれ、息長く飲まれている一杯です .....

      あなたも是非一度 ...
      この大人の味を、お試しになられてみてはいかがでしょうか ...?

      それでは ...

      また皆様にお会いできる日を、楽しみにしております ...


      今宵はありがとうございました -----





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2012年03月29日

Mémoires / 再 会 -final-







          :サンドリオンの店内 -----



藤 堂  「そうだ ... 開店のお祝いとしては、少々不似合かもしれないが ...


          :藤堂、少し大きめの荷物を解き -----


       これをプレゼントしたいんだ ... 」

マスター 「それは ... 」

藤 堂  「そう ... 船の錨」

バーテン 「船の ... 」

マ リ   「錨 ... ?」

藤 堂  「神戸の北野にあるバーなら、こんなオブジェが飾ってあってもおかしくはないかと
       そう思ってね ... 」

マスター 「お心遣い、ありがとうございます ... でもどうしてまた船の錨を?」

藤 堂  「昔、ニューヨークのバーでこう聞かされた ... 酒場は世人の止まり木だと ...
       だから『BAR』と呼ばれるんだとね ...
       それなら、流浪の船の港でもあるわけで、錨があってもいいんじゃないかと
       そう思ってね」

マスター 「流浪の船の港 ... 」

藤 堂   「飾ってもらえるかな ... この店に」

マスター 「藤堂さん ... 」

マ リ   「いいんじゃない? マスター」

バーテン 「私も同感ですが ... 」

藤 堂   「どうかな? マスター ... 」

マスター 「... わかりました ... 皆さんがそうおっしゃってくださるのなら、喜んで飾らせて
       いただきます ... 」

藤 堂  「...ありがとう、マスター」

マスター 「いいえ ... お礼を申し上げるのは私の方です ... ありがとうございます ...
       藤堂さん ... 」

藤 堂  「とんでもない ... マスター」

マ リ  「で、さ ... いきなりなんだけど ... ここでこのお店のリニューアルオープンを
       記念して、乾杯ってのはどうでしょう?」

藤 堂  「同感だな ... 彼女の意見に。マスターは、どうかな?」

マスター 「そうですね ... 皆さんとの再会を祝ってでしたら、喜んで ... 」

マ リ  「なら、決まりね。 バーテンさん、シャンパンを」

バーテン 「かしこまりました ... 」


          :シャンパンが抜かれ、それぞれのグラスに注がれる -----


バーテン 「ご用意が出来ました ... 皆様、グラスをどうぞ ... 」

藤 堂  「言い出しっぺの、君が音頭を取ってくれるかな ...?」

マ リ  「そうね ... わかった。 それではみなさん ... ここバールサンドリオンの
      リニューアルオープンと、新しいバーテンダーさんへの歓迎の意を込め ... 」

マスター 「そして ... 皆さんとの再会を祝して ... 」

全 員  「乾杯 ...!」


         SE:グラスが重なり合う -----

           :店内の喧騒にまぎれて -----


マ リ(Na) カナリアが再び ... 止まり木を見つけた -----

藤 堂(Na) 漂流船が再び ... 港に錨を降ろした -----

バーテン(Na) ボクは再び ... すばらしい出逢いを知った -----

マスター(Na) 私は再び ... ここへ戻ってきた -----


 ---------------------------------------------------------------------------  


バーテン(Na) それは ...

      1997年4月のとある夜 ...

      この街を襲った悲しい出来事から2年目の

      春宵のことでした -----






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2012年03月27日

Mémoires / 再 会 -scene:4-







          :サンドリオンの店内 -----



バーテン 「そういえば、お客様 ... いや、マリさんはジャズシンガーだと、マスターから
        聞かされておりましたが ... 」

マ リ   「そんなこと言ったんだ、マスター ... 」

バーテン 「顔馴染みのお客様のことは、一通り ... 」

マ リ   「そっか ... そうなんだ ... 」

バーテン 「それでアドミラルに興味を持たれたのでは...?」

マ リ   「当たらずとも遠からずってとこね ... 」

バーテン 「それはどういう意味なんでしょう ... ? ...どうぞ(グラスを置く)」

マ リ   「だって私は今 ... 歌を忘れたカナリアだもの ... 」

バーテン 「歌を忘れたカナリア ...?」


マスター 「それで ... こちらへはお仕事で ...?」

藤 堂  「半分はそうだが ... あとの残りは ... 」

マスター 「残りは?」

藤 堂  「バカンスということで ... 」

マスター 「そうなんですか ... 」

藤 堂  「仲のいいフランス人によく言われた ... どうして日本人はそんなに働くのが
       好きなのかと ... それで私はこう答えた ... 遊ぶのが下手だからと ... 」

マスター 「確かに ... そうかも知れませんね」

藤 堂  「だから私は遊ぶために仕事をする ... 自分の稼いだ金で思う存分に遊ぶ ...
       何故なら、働きそして遊ぶということで、自分をリニューアル出来るからね」

マスター 「素敵ですね ... そいういライフスタイルも ... 」


マ リ    「リニューアル、か ... 」

バーテン 「マリさん ... 人の話を聞いてませんね」

マ リ   「エッ? なに? 何か言った? 今 ... 」

バーテン 「もういいです ... それより、また唄ってくださいよ、必ず」

マ リ   「 ... 」

バーテン 「マスターが云ってました ... マリさんの唄う 『Without You』は
       最高だと ... 」

マ リ   「 『Without You』 か... 」

バーテン 「私にもいつか聞かせてください ... マリさんの歌声を」

マ リ   「そうね ... 唄うことを、思い出せたらね ... 」

バーテン 「 ... マリさん ... 」





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2012年03月25日

Mémoires / 再 会 -scene:3-







          :サンドリオンの店内 -----



藤 堂  「ご無沙汰ですね ... 」

マスター 「お元気そうで何よりです ... さあ、どうぞ」

藤 堂  「どうも ... 」


         :藤堂、カウンターの席へ座る -----


マスター 「日本へはいつ ...?」

藤 堂  「私の背中から、まだ湯気が立ってませんか ...?」

マスター 「(少し笑い)相変わらずのご様子ですね ... 」

藤 堂  「褒め言葉として解釈しますよ、それは」

マスター 「仰せのままに ... 」


マ リ   「ねえ ...」

バーテン 「はい?」

マ リ   「あの男性は...?」

バーテン 「いいえ ... 存じ上げません。でも私が知る限りでは、多分 ... この店へは
       今夜初めてお見えになられた方だと思いますが ... 」

マ リ   「どうしてそう?」

バーテン 「あれだけマスターが親しくされてるのを見たのは、私も初めてですから」

マ リ   「へェーッ ... そうなんだ ... 」

バーテン 「それにしても、雰囲気のある男性ですね ... ナイスミドルって感じで ... 」

マ リ   「ナイスミドルか ... 」


藤 堂  「素敵なお店だな ... 想像以上だ ... 」

マスター 「ありがとうございます」

藤 堂  「静かで雰囲気もいいし ... 海外でもそうないな、こういう店は」

マスター 「そう言って戴けると、光栄です ... 」

藤 堂  「じゃ早速 ... 洒落たこのお店のカクテルでもいただこうかな ... 」

マスター 「かしこまりました ... では、何をお召し上がりになられますか?」

藤 堂  「そうだな ... それじゃ、アドミラルを」

マスター 「承知いたしました ... 」


        SE:シェーカーにドライ・ベルモット(1/2)とバーボン(1/2)
          そこへレモンジュース(1/4)が入れられシェークされる ---



マ リ   「アドミラル ... 初めて聞くカクテルの名前だわ ... 」

バーテン 「その昔 ... スィング・ジャズの王様であるベニー・グッドマンが考案したと云われる
       甘さを一切拒否した内容のカクテルなんです」

マ リ  「へェー ... さすがね、バーテンさん ... 」


藤 堂  「鮮やかなシェーキングだな ... 」

マスター 「お褒めに与り、恐縮です ... さあ、どうぞ ... 」


        SE:藤堂の前にグラスが置かれる -----


藤 堂  「どうも ... 」


マ リ   「フーン ... そうなんだ ... 何だか私もあのカクテル ...
       飲みたくなってきちゃったなァ ... 」

バーテン 「お作りいたしましょうか? お客様」

マ リ   「ね、そのお客様ってのはやめてくれる? マリでいいから」

バーテン 「あ、はい ... マリ、さん ... いかがいたしましょうか ...?」

マ リ   「そうね ... じゃ、お願いするわ ... 」

バーテン 「かしこまりました ... では、しばらくお待ち下さい ... 」


マスター 「いかがでしょうか? お味の方は ...?」

藤 堂  「彼に飲ませてやりたいよ ... 」

マスター 「エ ...?」

藤 堂  「きっと泣いて喜ぶだろうな ... 」

マスター 「それは ... 何方が、でしょうか?」

藤 堂  「ベニー・グッドマン、だね ... 」






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2012年03月23日

Mémoires / 再 会 -scene:2-






          :サンドリオンの店内 -----



        SE:シェーカーの音にまぎれて ---


マ リ   「お店の場所は変わったけど ... 雰囲気は前と同じ ...
        とても静かで、お洒落なインテリア... そして小粋なジャズが流れてる ...
       ホント、あの頃のままだわ、この感じ... それにマスターもマスターもままだし ...
       私何だか、ホッとするわ ... 」

マスター 「マリさんにそう云って戴けると ... 光栄です」

マ リ   「懐かしいなァ、あれ ... 12時を差したままの、あの時計 ... 」

マスター 「あの時計は、この店のサインボードのようなものですから ... 」

マ リ   「そうよね ... そうだよね ... 」

バーテン 「お待たせいたしました ... どうぞ」


        SE:マリの前にグラスが置かれる ---


マ リ   「どうも... マスター... 彼って...?」

マスター 「そうでしたね... まだマリさんには紹介してませんでしたね ... 私のパートナーを」

マ リ   「パートナー ... マスターの?」

マスター 「彼は、このリニューアルオープンから、このお店を手伝ってもらうことになった
       バーテンダーです」

マ リ   「バーテンダー ...?」

バーテン 「よろしくお願いします ... 」

マ リ   「どうも ... 」

マスター 「これから私、留守がちになることが多いので ... その間は彼にこのお店を
        任せようと思いまして ... 」

マ リ   「留守がちって ...?」

マスター 「思うところありまして ... 時折、旅に出ようかと ... 」

マ リ   「マスターが旅を ... フーン ... そうなんだ ... 」

バーテン 「その折には ... どうぞよろしくお願いいたします」

マ リ   「いいえ、こちらこそ ...」

マスター 「何分と、彼はまだ不慣れなものですから、ご迷惑をおかけする事もあるやも
        知れませんが ... 私からも、よろしくお願いします、マリさん」

マ リ   「私なんかに頼まれてもあれなんだけど ... まあ、とにかく頑張ってよね
       バーテンさん」

バーテン 「はい。ありがとうございます ... 」

マ リ   「それにしても、マスターが旅に出るなんて ... やっぱりマスターも少し
       変わったのかなァ ... 」

マスター 「何と言いましても、リニューアルですから ... 」

マ リ   「(少し笑いながら)それって答えになってないよ、マスター ... 」

マスター 「そうでしょうか ... ?」

バーテン 「私もそう思いますが ... 」

マスター 「あなたもそう思うの...?」

マ リ   「ほらね ...(笑う)」


        SE:店のドアが開く ---


バーテン 「いらっしゃいませ」

マスター 「いらっしゃいませ、よう(こそ)... 」

藤 堂  「今晩は ... マスター」

マスター 「... 藤堂さん ... ?!」






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