2011年08月28日

天使の夜 -scene:3-






         :サンドリオンの店内 -----



女 性  「その天使は、ずっと前から彼のことを知ってたんです ... その彼女と出会うずっと
      前から ... そして天使は、二人が赤い糸で結ばれていたことも知ってたんです ...
      何故なら、その赤い糸を結んだのは、その天使自身なんですから ... 」

バーテン 「それでは ... その二人を結びつけた天使が、今度はその二人を引き離したということ
      ですか ... 」

女 性  「そうですね ... そういうことになりますね」

バーテン 「随分と、悪戯が過ぎる天使なんですね ... 」

女 性  「悪戯じゃなくて ... 嫉妬だったんですよ ... 」

バーテン 「嫉妬 ...?」

女 性  「だってその天使は ... 彼のことが好きだったから ... それで」

バーテン 「彼女に嫉妬してしまい、自ら結んだ赤い糸を切ってしまった ... 」

女 性  「そいういことですね ... 」

バーテン 「でも、天使がそんな勝手なことをしていいんでしょうか ...? 神様に叱られたりは
      しないんですか ...?」

女 性  「いいえ ... 当然、天使としてのあるまじき行為として、神の怒りに触れましたよ
      その天使は ... 」

バーテン 「どうなったんでしょうか ...?」

女 性  「罰としてその天使は ... 」

バーテン 「その天使は ...?」

男    「バーテンさん ...!」

バーテン 「はい」

男    「さっき頼んだお代わりまだ ...?」

バーテン 「あ ... 申し訳ございません ... 只今 ... 」


        SE:バーテン、あわててカクテルを作り出す -----


          :シェーカーの音にまぎれて -----


女    「ホントにもう、駄目なんだね ... 」

男    「 ..... 」

女    「何か夢見てるみたい ... こんなあっけない幕切れなんて ... 」

男    「 ... 俺もさ ... 」

女    「 ...エッ ...?」

男    「自分でもよくわからないんだ ... どうしてこんな気持ちになったのか ...
      あんなにお前のこと、思ってたのに ... 」

女    「ヒロシ ... 」

バーテン 「お客様、大変失礼いたしました ... どうぞ」


        SE:バーテン、グラスを置く -----


男    「 ... 人の心って、こんなにも変わりやすいものなのかな ...」

女    「ヒロシ ... 」

男    「確かに大切な存在だったのに ... なのにどうして ... 」

女    「やめてよ ... そういう言い方は ... おかしいよ、今更そんなセリフは。
      下手な慰めより、質が悪い ... 」

男    「そうだな ... そうかもしれないな ... 」

女    「 ... 私、帰る ... 」

男    「 ... ナオコ ... 」

女    「これ以上あなたのそばにいると ... どうにかなりそうだから ... 」

男    「 ..... 」

女    「それに ... 」

男    「それに ...?」

女    「(涙を浮かべている)こんな所で泣かれるのって、嫌でしょ ... 」

男    「ナオコ ... 」

女    「さよなら ... 」

男    「ナオコ ...!」


        SE:女、店を出て行く -----


男    「あいつが泣いた ... ?! 今まで一度も、俺の目の前で泣いたことのないあいつが ... 」







posted by マスターの知人 at 00:00 | Comment(1) | TrackBack(0) | ストーリー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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