2011年08月26日

天使の夜 -scene:1-






        SE:激しい雨音にまぎれて -----


バーテン(Na) それは ... とある夜の、不思議な出来事でした -----


         :サンドリオンの店内 -----



藤 堂  「待ったくひどい雨だな ... 止みそうにない」

バーテン 「この時期には珍しいですね ... こんなに降るなんて」

藤 堂  「小降りになるまでと思ってたが ... そろそろ引き上げるとするかな」

バーテン 「もうお帰りですか? 藤堂様」

藤 堂  「マスターもいないことだし ... 長居は無用だろ」

バーテン 「私では役不足ってところですか ...?」

藤 堂  「今夜はな」

バーテン 「今夜は ...?」

藤 堂  「それじゃ、ボン・ニュイ ... バーテンさん」

バーテン 「ありがとうございました ... おやすみなさいませ」


        SE:店を出る藤堂 -----

         :店内の一角、男と女がいる -----


女    「どうしてなの ...? 急にそんなこと ... 」

男    「そういう気分なんだ ... 」

女    「気分って ... そんなの勝手過ぎない ... ?! 」

男    「勝手なのはわかってる ... でも、今の俺の素直な気持ちなんだ ... 」

女    「どうしてそうなるのよ ... ついこの間までは ... いいえ、ほんの少し前まで
      うまくやってたんだよ、私たち ... なのにどうして ... 」

男    「 ... ごめん ... 」

女    「ちゃんと説明して ... 理由を聞かせてよ、お願いだから ...
      でないと私、このままじゃ帰れない ... 」

男    「 ..... 」

女    「黙ってないで、何とか言って ... 」

男    「 ..... 」

女    「何とか言ってよ、ヒロシ ... 」

男    「 ... バーテンさん ... お代わりもらえるかな ... 」

バーテン 「かしこまりました ... 」

女    「ヒロシったら ...!」


        SE:店のドアが開き、一人の女性が入ってくる -----


バーテン 「いらっしゃいませ ... 」

ヨーコ  「 ... どうも ... こんばんは ... 」

バーテン 「この雨の中を、ようこそ ... 傘はこちらの方へ ... 」

女 性  「ああ、私 ... 傘持ってませんから ... 」

バーテン 「エッ ...? それでは傘も差さされずに、この雨の中を?」

女 性  「そういうことになりますね ...(少し笑う)ウフフフ ... 」

バーテン 「それにしては ... 少しも濡れていらっしゃらないんですね ... 」

女 性  「それは ... 雨が私をよけて降るんですよ ... だから」

バーテン 「雨がよけて降る? (少し笑い)そうですか ... それではそういう事に
      しておきましょう ... さあ、どうぞ」

女 性  「 ... どうも」


         :女性はカウンターの席に座る -----


バーテン 「 ... ご注文は、いかがいたしましょうか?」

女 性  「そうね ... 少し難しい注文ですけど、かまいませんか?」」

バーテン 「ご満足頂けますよう、努力は致しますが ... 」

女 性  「それじゃ ... 私のカクテルを作って下さい ... 」

バーテン 「ハッ ... ?」

女 性  「私にぴったりの、カクテルを ... 」

バーテン 「ぴったりのカクテル ... ですか ... ?」

女 性  「そう ... 私だけのカクテルを、作って下さい ... 」





posted by マスターの知人 at 00:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | ストーリー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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