2011年08月24日

止まり木 / 第三夜 -scene:4-






マスター(Na)止まり木とは.....
     それは流離い飛ぶ鳥の、翼休めし静寂の場-----

     また止まり木とは.....
     それはつかの間の微睡みに、刹那の夢見し安逸の場-----

     そして止まり木とは.....
     それは夜の帳に覆われた街に、ひっそりと佇む静穏の酒場-----

     さて.....  今宵、その止まり木に訪れし方は-----


         :サンドリオンの店内 -----


マスター 「彼女はご存じないんでしょうか? この指輪のことを」

男    「ええ、何も話してませんからね ... と言うより、ここへ来る前に喧嘩別れ
      しちゃいましたから、夢にも思ってないでしょう ... 」

マスター 「だからいらっしゃらないと ... 」

男    「そう ... ささいなことだったんですけど、ついカッとなっちゃって ...
      大人気ないと言われればそれまでなんですけど ... 彼女の振る舞いが当然だと
      思ってただけに、自分の気に入らない態度をとられると、ついつい素っ気無い
      態度とったり邪険にしたりで ... あぐらかいてたんですね、自分の気持ちに ... 」

マスター 「それは反省ですか ...?」

男    「そうなりますね ...
      さっきのマスターの時計の話しに、自分にとっての彼女の存在が、はっきりしました
      から ... 」

マスター 「彼女は本当にいらっしゃらないんでしょうか ... 」

男    「来ないと思いますね ... 絶対に」

マスター 「それはある種の確信なんでしょうか ...?」

男    「哀しい確信ですね ... 」

マスター 「それでも ... この店へお一人でお見えになった ... 」

男    「ジンが飲みたくなった ... そんな気分だったから ... 」

マスター 「こよなく、ジンがお好きなんですね ... 」


         :男、ゆっくりとグラスのカクテルを飲み干す -----

        SE:グラスの氷の音 -----

         :グラスを置く -----


男    「同じやつ、下さい ... 」

マスター 「恐れ入ります ... お薦めしたいカクテルがあるんですが ... いかがでしょうか ...?」

男    「へー ... 興味津々だな ... マスターお薦めのカクテルだなんて。いいですよ
      お願いします」

マスター 「ありがとうございます ... では、しばらくお待ち下さい」


        SE:スノースタイルのグラスが用意される -----

         :シェーカーに氷が入れられ、カクテルベースが注がれる -----

         :手際よくシェイクされ、グラスへ注がれる -----


マスター 「お待たせいたしました ... どうぞ」


         :男の手元へ、グラスが置かれる -----


男    「マスター、これは ...?」

マスター 「はい ... ご覧おとおり、あえてジンは使っておりません ... 」

男    「どうして ...?」

マスター 「そもそもジンは薬品として誕生したものです ... 」

男    「そう、解熱剤として ... でもそれがどうしたっていうんです?」

マスター 「 ... これ以上ここでジンを口にされますと ... 心の熱まで冷めてしまいますので ... 」

男    「マスター ... 」





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posted by マスターの知人 at 00:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | ストーリー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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