2011年08月08日

ドライフラワー -scene:3-






         :追想 -----


女    (Na)... 何だ、そうだったんだ ... そういうことだったんだ .....

      なら、最初から云ってくれればいいのに ...

      でもそうだよね、そんなわけないよね。いい人だもんね .....


      実はアタシも、おかしいなァって思ってたんだ、ホントのところは。

      けどアタシあれだから、自惚れるたちだから、よくあるんだよね、こんなこと .....


      それにしても、いやだなぁ、バカみたい .....

      結局、二人の邪魔してたんだね、アタシ ... その気になって、はしゃいでサ .....

      気にしないでね、あれ .... 冗談だから。ぜーんぶ、ウソだから ... 忘れてよね、適当に。

      ..... おかしいよね、こんなのって。


      おめでたいでしょ、この性格。生まれつきなの、ホントは。


      ほら ... 平凡な暮らししてると、たまに飛びたくなるじゃない、虚構の世界へ。

      だって静かだからさ ... 夜が。寒いからさ、朝が .....

      だからついつい飛んじゃうのよ、アタシ ... 虚構の世界ってやつに。


      アタシ、得意だもん ... ハイジャンプ。

      ビュンビュン飛んじゃうんだのも、あっちへこっちへ ...

      でもね ... それでもね ... こんなアタシでも、苦手なものがあるんだ .....

      それは ... 孤独 -----



男    「ドライフラワーか ... 」

バーテン 「人それぞれ、色々ですね ... 」

男    「グラスでも磨いてたらどうだ」

バーテン 「はい、そういたします ... 」

女    「その前に ... お代わりもらえるかな ... 」

バーテン 「でも ... 大丈夫ですか?」

女    「アタシなら、まだ平気よ」

バーテン 「ハァ ... しかし ... 」

男    「ウォッカ抜きにすればいい ... 」

バーテン 「そうですね ... それがいいですね。..... かしこまりました」

女    「ちょっと待って、何よそれって。アタシが飲みたいのは ... 」

男    「ヴァージン・メアリー」

女    「エッ?」

男    「ブラッディ・メアリーからウオッカを抜いたものを、そう呼ぶんだ ... 」

女    「ヴァージン・メアリー ... ?」

男    「今の君には ... 似合うと思うよ、それがね」

バーテン 「... さあ、どうぞ .... 」


         SE:グラスが置かれる -----
           :女、軽く一口にして -----


女    「これってひょっとして ... 」

バーテン 「そうです ... ただのトマト・ジュースです」

男    「血に染まる女王メアリも、ウォッカを施さなければ生まれ変わるんだ ...
      ヴァージン・メアリとしてな」

女    「見た目は同じでも、中身が違うってことね ... 」

男    「違うんじゃなくて ... 変わるんだよ」

バーテン 「(女に)思われませんか ... ?」

女    「エ ... ? 何を ... ?」

バーテン 「人の心も ... カクテルみたいなものだと ... 」





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posted by マスターの知人 at 00:00 | Comment(1) | TrackBack(0) | ストーリー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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