2011年08月06日

ドライフラワー -scene:1-






        SE:雨の音 -----


バーテン(Na)それは ... 冷たい雨の降る夜のことでした -----
       ハイヒールを両手に下げた彼女はカサも差さずに
       裸足で雨の中を歩いてました -----


女    「(少し酔っている)まいたねェ ... こんな日に限って、雨にも降られるなんて。
      ... 最高だね、アタシって。
      まるで映画のワンシーンじゃない ... ウフフフフ ... バッカみたい ..... 」


        SE:どこかで子猫の鳴き声がする -----


女    「ン ... ?」


        SE:子猫の鳴き声 -----


女    「あ ..... 何してるの、そんなとこで ... びしょ濡れじゃない、アンタも」


        SE:子猫の鳴き声 -----


女    「(舌打ちして)こっちおいで、ほら。アタシもアンタと一緒、一人なんだ。
      だからこっちおいでよ、ねえ」


        SE:子猫は鳴きながら、どこかへ行ってしまう -----


女    「あーあ、行っちゃった ... 子猫までに嫌われるのかな、アタシ。
      嫌だなァ、もう ... サイテーッ」


男    「風邪ひくなァ ... そのままじゃ」

女    「エッ?」

男    「今夜の雨は、少し冷たいからな ... 」

女    「 ... そう ... みたい」

男    「このカサ、持ってけばいい ... 」

女    「エッ?」

男    「別に不思議なことじゃないだろう ... 若いお嬢さんがカサも差さないで歩いてたら
      普通誰だってこんなセリフ云うよ ... 特に若い男ならな」

女    「男だからでしょ ... 」

男    「(少し笑って)トゲがあるんだな、君は」

女    「バラにだって、トゲはあるもの」

男    「それじゃ君は、差し当たってバラってことかな?」

女    「そうじゃないけど ... 」

男    「とにかくこれ、持ってきなさい ... 」

女    「でも ... 」

男    「私はすぐそこに行きつけの店があるから、そこで何とかなるんでね ... ご心配なく」

女    「こんな時間に ...?」

男    「むしろ ... 酒を飲むなら、この時間からだろ ... 」

女    「場末のスナック ... ?」

男    「違うな ... 」

女    「それじゃ ... 」

男    「バーだ ... それも静かで、居心地のいい処だ ... 」

女    「静かで、居心地のいい処 ... 」

男    「それじゃ ... 」


         :男、歩き出す -----


女    「その店って ... 」


         :立ち止まる、男 -----


男    「ン ...?」

女    「なんてとこ ...?」

男    「店の名は、サンドリオン ... バール・サンドリオン」





posted by マスターの知人 at 00:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | ストーリー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
blogramで人気ブログを分析 にほんブログ村 小説ブログ 脚本・シナリオへ
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。