2011年07月25日

ソムリエ [ Vintage.U] -final-





         :サンドリオンの店内 -----


マスター 「タクヤさんは、こんなことを云っておられました ...
      あの程度のことで、人を愛する権利を決められるはずがない、と ... 」

ヒトミ  「 ..... 」

マスター 「タクヤさんは立派なソムリエだと、私は思います ... そして少なくとも ...
      この2年間を無駄に過ごされたのではないと思います ... 」

ヒトミ  「マスター ... 私 ... 」

マスター 「いかかでしょう? このワイン ... お飲みになりませんか ...?」

ヒトミ  「 ... はい ... 頂きます ... 」


        SE:ワイン・グラスに、ワインが注がれる -----


マスター 「どうぞ ...(グラスを置く)」

ヒトミ  「ありがとうございます ... 」

マスター 「ここから先は ... ご自分でお決めになることですね ... 」

ヒトミ  「 ... そうね ... そうですよね ... 」


         :ヒトミ、ゆっくりとワインを一口飲む -----


ヒトミ  「 ... 美味しいな ... このワイン ... 」

マスター 「不思議なものです ... 同じワインでありながら、こんなにも違いがあるなんて... 」

ヒトミ  「 ... マスター ... 」

マスター 「はい ... ?」

ヒトミ  「私、決めました ... 」

マスター 「 ...? 」


        :ヒトミ、おもむろにチケットを手にし、破りだす -----

ヒトミ  「私にはこのエアーチケット ... 必要ないみたいです ... 」

マスター 「ヒトミさん ... 」

ヒトミ  「マスター... ちょっとここで失礼しますね ... 」

マスター 「どうぞ ... 」


       SE:ヒトミ、携帯電話を取り出しダイヤルする ...
        :呼び出し音の後、電話がつながる ----


ヒトミ  「あ ... もしもし、タクヤ ...?」


マスター(Na)ボトル・バリエーション ...
      それは本来、ワインを取り巻く様々な環境や要因によって、同じワインでありながらも
      微妙な味わいや色調の違いが生じることをそう呼ぶのですが ...

      それはワインが人と同じく ... 長い歳月の中を、静かに生き抜いている証だとも
      いえるのであって ...

      ここバール・サンドリオンでも、そんな息づくワインたちのように ...
      このボトル・バリエーションによって今 ...
      一人の女性が微妙な変化を遂げたようです -----






[ recipe & episode ]
posted by マスターの知人 at 00:00 | Comment(2) | TrackBack(0) | ストーリー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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