2011年07月24日

ソムリエ [ Vintage.U] -scene:4-





        :二日後 ... サンドリオンの店内 -----


ヒトミ  「この間はすみませんでした、マスター ... 」

マスター 「いいえ、とんでもございません ... それよりどうなさるおつもりなんですか...?」


        :ヒトミ、バッグからエアーチケットを取り出す -----


マスター 「それは ... 」

ヒトミ  「イブキさんから渡された、エアーチケットです ... 」

マスター 「それじゃ、フランスへ行かれるのですか? あの方と ... 」

ヒトミ  「... 私 ... 」

マスター 「... 迷っておられるご様子ですね ... 」

ヒトミ  「自分でもよく判らないんです ... どうしていいのか ... 」

マスター 「そうなんですか ... 」

ヒトミ  「マスター ... 私、どうすれば ... 」

マスター 「実はあの次の日の夜 ... タクヤさんがお見えになって ... 」

ヒトミ  「タクヤが ...?!」

マスター 「昨夜はお騒がせして申し訳なかったと ... これを ... 」


        :カウンターに置かれるワイン・ボトル -----


ヒトミ  「このワインは確か ... 」

マスター 「そう ... あの時のワインと同じものです ... 」

ヒトミ  「でも何故、これを ...?」

マスター 「ところが ... このワインもボトル・バリエーションで、あの時の2本とはまた違う
      味わいなんです ... 」

ヒトミ  「違う味 ...?」

マスター 「つまり ... タクヤさんはあの時、答えを知っておられた ... 」

ヒトミ  「タクヤが答えを知ってた?! ならどうして白紙で ...?」

マスター 「それが答えだったんです ... 」

ヒトミ  「白紙が答え ...?」

マスター 「同じ銘柄、同じヴィンテージであるなら、答えは一つ ... 」

ヒトミ  「そんな ... 」

マスター 「あの時タクヤさんは、確かにこう云われました ... 」

タクヤの声 書く必要がない ... それが答えです、マスター...

マスター 「やはりそれなりの意味があったんですね ... あの白紙の答えには ... 」

ヒトミ  「タクヤ ... 」

マスター 「それに ... ヒトミさんはお気づきになりませんでしたか ...?」

ヒトミ  「え ...?」

マスター 「あの日 ... タクヤさんは風邪をひいて、鼻が利かなかったことを ... 」

ヒトミ  「!... そういえば、しきりに鼻をすすってた ... 」

マスター 「香りが嗅げない常態でも ... 彼はテイスティングに挑んで答えた ...
      おそらくフランスで、かなりの勉強をされたのに違いありませんね ... 」

ヒトミ  「タクヤ ... 」







posted by マスターの知人 at 00:00 | Comment(2) | TrackBack(0) | ストーリー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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