2011年07月02日

bar friend 〜 希 望 〜 -scene:2-


ついさっきまで知らない者同士が...
時の流れのエピソードで言葉を交わす...

その女の右手にはカクテル・グラスがあり...
その男の左手にもカクテル・グラスがあった...
同じ場所での時間の所有-----

似た者同士の出逢いの幕が、今静かに上がった----



   女 「もともとカクテルは名前どおり... 色んなスピリッツやリキュールが奏でる
      微妙な味わいを楽しんで飲むもの... 
      ただ単に酔うためだけに作られて飲まれるものではないと... 
      差し詰め、そういうことですよね、マスター」

マスター 「そうご理解頂ければ、幸いです... 」

   男 「それじゃなにか... 今の俺は単なる酔っ払いってことか... 」

   女 「少なくとも... 今の私にはそう見えますね... 」

   男 「フフフ... 随分とはっきりモノを云う人なんだな... 」

   女 「そうじゃなくて... やっかみなんですよね、私って」

   男 「やっかみ...? やっかみって、一体何をやっかむのかな?」

   女 「そうやってヤケ酒飲んで憂さ晴らし出来る、男って銘柄に... 」

   男 「それはつまり... 男に憧れてるってことかな...?」

   女 「女のヤケ酒って、あまり絵にならないでしょ... そう思いません?」

   男 「どうかな、その辺りは... 飲み方にもよるんじゃないかな...
      大体、男だってそうだから... 飲み方次第で善くも悪くもなる...」

   女 「それでも、男の人みたいな訳にはいかない... やっぱり、どうしても... 」

   男 「そっか... 君も今夜はヤケ酒だったんだ... 」

   女 「君もということは... やっぱりそうだったんだ... 」

   男 「ン?... 」

   女 「場所が少し違うと思うな... ここではあんな飲み方、似合いませんよ」

   男 「... あんな飲み方、か...」

   女 「... 良くないと思う... 」

   男 「所詮、わからないよ... 女性にはこの気持ちが... 」

   女 「女には、ですか... 」

   男 「男には飲まなきゃいられない時があるんだよ... 」

   女 「それは女だって同じ... だから私だってこうしてる訳で... あ...」

   男 「フッ... 似た者同士って訳か... 」

   女 「... でも、私とあなたは違う... そもそも私は女だから... 」

   男 「確かにそうだな... 」

   女 「それに.. ただ酔うためだけに飲むお酒ほど、味気ないものない... 
      それならこんなお店で飲まずに、その辺の居酒屋で管を巻いてるほうが
      お似合いかと... 」

   男 「居酒屋か... 」

   女 「...どうでしょう... どうせ飲むなら楽しくやりませんか? 特に残された...
      あと1杯のカクテルは... 」

   男 「.....」

   女 「そうでないと... 折角の素敵なカクテルが台無し... ね、マスター」

マスター 「デプス・ボム... 確かに素敵なカクテルですね... 」

   女 「私もちょうど一人だし... つかの間、楽しく過ごしましょう」

   男 「...そうだな... それも悪くはないかな... 」

   女 「...決まった。 それじゃマスター、私にお代わりを... 」

マスター 「かしこまりました... 同じものでよろしいでしょうか?」

   女 「いいえ... 別のものを... 」

マスター 「といいますと...?」

   女 「そう... レスポワールを... 」

   男 「レスポワール... ?」




- Recommended menus 1 -
- Recommended menus 2 -


posted by マスターの知人 at 00:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | ストーリー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
blogramで人気ブログを分析 にほんブログ村 小説ブログ 脚本・シナリオへ
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。