2011年06月09日

時 間 -scene:5-




         シェーカーに、レシピ通りの手順が施された.....

         ウオッカとテキーラ、そしてホワイトキュラソーが注がれ...
         そこへブルーキュラソーとレモンジュースが入れられて
         シェイクされる-----

         やがて間もなくグラスに注がれ、チェリーがデコレートされる-----


マスター 「失礼いたします... どうぞ..... 」


         彼の前に、そっとグラスが置かれた -----


男    「このカクテルの名前のような... 今のオレにとっての賭け... 」

マスター 「お客様の答えは、今この店には存在しないのではないかと... 」

男    「答えはここにはないと... 」

マスター 「このままここで飲み明かされたとしても、何ひとつとして答えはでない...
      そのように思います... 」

男    「 ..... 」

マスター 「それならば... ご自身でその答えを出されるようにするしか、手立てはない
      ように思うのですが... 」

男    「ここにいても意味がないってことなのかな... 」

マスター 「今夜は彼女の方から... 会いたいとおっしゃられたんですから... 尚更です... 」


         彼は少し汗をかいたグラスを、ゆっくりと口にした.....

         沈黙 -----


男    「でもね、マスター... 」

マスター 「はい...?」

男    「遅すぎるよ... 今更... 」


         そう言いながら、彼はカウンターに置いていた腕時計を手にした----


男    「もう2時間... 2時間近く経ったんだよ、約束の時間から...
      賭けにはならないよ、こんなのは... 」

マスター 「かと言って、ここにいらしたとしても...
      何の勝負にもならいのではないでしょうか...
      なら、せっかくそうしてバカラというカクテルを口にされているのですから...
      賭けてみてはいかがでしょう... 彼女という切り札に」

男    「... あいつと言う、切り札... 」

マスター 「お客様はご存知でしょうか... 」

男    「...?」

マスター 「このバカラというカクテルのグラスの淵にデコレートされている
      チェリーの意味を... 」

男    「このチェリーの意味...?」

マスター 「それは... ハートのA(エース)を表しているものだと云いうことを... 」




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posted by マスターの知人 at 00:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | ストーリー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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